フォーミュラEの2021年シーズンが始まる前から気が早い話ではあるが、2022-23年シーズンからは第3世代マシン『Gen3』がフォーミュラEに導入される予定となっている。
Gen3は現行マシンのGen2と比べ、120kgも軽量化される上、最大出力が現行の250kWから350kWまでパワーアップされる予定だ。こうしたスペックアップにより、レーシングカーとしては全く別物になると言ってもいいだろう。
■ピットストップで急速充電! ”未来のクルマ”第3世代フォーミュラEの入札開始
市街地サーキットでのレースが多く、クラッシュも多いフォーミュラE。マシンのスペックアップに伴ってコースレイアウトを調整する必要があるようにも思われる。
FIAとフォーミュラEはすでに多くのサーキットでタイトなシケインを取り除くよう取り組んでいるが、Gen3マシンのシミュレーションでは、コースデザインを大規模に変更する必要はないという結果が出ているようだ。
フォーミュラEのチーフ・チャンピオンシップ・オフィサーを務めるアルベルト・ロンゴは、タイトなストリートコースのレイアウト変更は将来的に行なう方向で検討されているものの、第4世代マシンが導入されるまでは変更が延期されるだろうと考えているという。
「Gen3に関して行なっているすべてのシミュレーションでは、コース変更の必要性はないと思われる」
ロンゴはmotorsport.comにそう語った。
「しかし、それはおそらくGen4で必要になる。我々はその準備ができている」
「最終的には、我々がレースを行なうほとんどの場所でコースの延長や、プランBを検討している。しかしGen3に関しては、全く必要ではない」
2021年シーズン限りでアウディとBMWがフォーミュラEから撤退することが決まっているが、ロンゴは「我々はチャンピオンシップの持続可能な未来に向けて、制約が何であるかを理解している。それは間違いなくコストだ」と付け加えた。
メルセデスのトト・ウルフ代表やマクラーレン・レーシングのザク・ブラウンCEOは、フォーミュラEの急激な支出増加を制限する必要性を強調しており、Gen3に合わせて予算制限がフォーミュラEに導入されることになると見られている。
コスト増に対するチームやメーカーの懸念により、フォーミュラEのカレンダー拡大が制限される可能性は高い。
フォーミュラEは2018-19年シーズンに最多13レースを開催。翌2019-20年シーズンは新型コロナウイルスの影響もあり、ベルリンでの6レースを含む11レースに留まっている。
2021年シーズンは当初14レースが予定されていたが、すでに開幕戦チリが延期となるなどカレンダーは流動的となっている。
ロンゴはmotorsport.comに対し、「第3世代までは1シーズン15レースを超えることは無いと思う」と話した。
「その後に関しては計画を練っているところだ。基本的にはもっと多くのレースを行なうチャンスがあるかどうか、内部で話し合っている」
「もしそうする(レース数を増やす)ならば、すべての関係者に同意を得た上で行なうと言わざるを得ない」
「すべてのチームやメーカーを含めたファミリーのみんなで決めていきたい。一方的に我々が決定することは絶対にない」
「正直なところ、それがフォーミュラEの正しい道だとは思わない。もしかしたらあと数レース増えて、16戦か17戦になるかもしれないが、20戦までにはならないだろう」
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