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【ホンダ ZR-V】オススメのグレードや走りの実力を紹介

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【ホンダ ZR-V】オススメのグレードや走りの実力を紹介

新車試乗レポート [2022.12.27 UP]


【ホンダ ZR-V】オススメのグレードや走りの実力を紹介
文●工藤貴宏 写真●ユニット・コンパス

新車値引き実例!ヤリスクロス/ホンダフリードが驚きの価格に!


 ZR-Vは、2023年4月から発売されるホンダの新しいSUV。ホンダにおける立ち位置を「ヴェゼル以上、CR-V未満」といえば、そのポジションがイメージできるでしょう。


ヴェゼルよりも大きくCR-Vよりもわずかにコンパクト

ZR-V e:HEV X
 ボディは専用デザインですが、シビックとメカニズムの基本の設計を共用する「Cセグメント」であり、車体は全長4570mm。それはヴェゼルに対して240mm長く、CR-Vと比べれば35mm短いサイズであり、どちらかというと車体サイズはCR-Vに近いものです。とはいえCR-Vよりも軽快に見えるのは、低いルーフが印象付けるイメージのマジックと言えそうですね。


 ライバルは車格(セグメント)でいえばトヨタ「カローラクロス」やマツダ「CX-30」、そしてスバル「クロストレック」などが相当。しかしZR-Vの車体はそれらよりもひと回り大きいので、実際のマーケットではマツダ「CX-5」やスバル「フォレスター」、そして日産「エクストレイル」程度まで競合となりそうな気配です。


 メカニズムは前出のようにシビック(11代目となる現行モデル)に近いのですが、見ての通りデザインはシビックとは全く異なるオリジナル。CR-Vに比べると背が低いプロポーションはヴェゼルと同じ方向性といえ、軽快な走りを予感させます。


 パワートレインもシビックと共通で、ガソリン車には1.5Lのターボエンジンを搭載。いっぽう「e:HEV(イー・エイチ・イー・ブイ)」と呼ぶハイブリッドモデルのエンジンは2.0L自然吸気で、高速域を除き駆動力をモーターで生み出すのが特徴です(高速領域はエンジンの力を直接駆動力とする状況もある)。その際はエンジンが発電機に徹する仕掛けとなり、言い換えれば縁の下の力持ちといっていいでしょう。


 いっぽうでシャシーは、車体の土台を意味する“プラットフォーム”という括りでいえば「シビックと共通」となります。しかし実は、設計が同じなのはエンジンルーム周辺のみ。キャビンから後方はCR-V用をベースとした作りになっていて、その理由は4WDだと車体下にプロペラシャフトを通す必要があるものの、シビックには4WDが存在しないので共用できないからです。また、リヤサスペンションもCR-V用をベースにした設計としています。


ZR-Vのグレード構成

ZR-V Z 4WD
 バリエーションはどうでしょうか。


 グレード構成を見て感じるのは、きわめてシンプルだということ。装備仕様としてはベーシックな「X」と上級装備の「Z」の2タイプしか存在せず、いずれもパワートレインはガソリンエンジンとハイブリッドが選択可能。どちらのパワートレインでも、駆動方式はFFと4WDを選べるのはうれしいですね。


 面白いのは、ベーシックグレードの「X」を選んでも装備の充実度が高いこと。LEDヘッドライトや18インチアルミホイール&タイヤ、そして非接触式キーはもちろんのこと、電動テールゲートまで全車に標準装備するのだからこのクラスでは異例の好待遇と言っていいでしょう。


ZR-V Z 4WD
 逆に上級グレードの「Z」だけに標準装備となるのは、カーナビとそれに関連する360度カメラシステム、BOSEオーディオ、レザーシートとFFの前席シートヒーター&電動調整機能、そして電動テールゲートのハンズフリー(キックセンサー)機能など。ちなみにスタイリングは、アルミホイールのデザインが異なるほか「Z」ではホイールアーチや車体下部がボディ同色(「X」では樹脂素地の黒)となり、ひときわ上級感がアップ。「X」でも基本装備は充実だけど、「Z」だと快適装備と見た目の高級感がアップします。


ZR-V Z 4WD
 価格は、ガソリンFFモデルの「X」で294万4900円から。これはライバルに比べると魅力的とは言いづらいですが、シビックのベーシックグレードでガソリンFFモデル(319万円)よりも安いのだから驚くばかり。ただし、シビックではベーシックグレードでもカーナビが標準搭載されるのに対し、ZR-Vのベーシックグレード「X」ではそれがオプション扱いとなる点に注意です。もしZR-Vの「X」にメーカーオプションのカーナビを装着するとシビックに近い価格となるのですが……とはいえシビックにはない電動テールゲートを標準装備していると考えれば、シビックよりはコストパフォーマンスに優れていると判断できそうです。


背の低さを工夫でカバーした実用性の高さ

ZR-V e:HEV X
 さて、そんなZR-Vの実車に触れてふたつのことを感じました。


 ひとつはユーティリティ性能の高さ。ズバリ言えば、天井を低めにしているので室内や荷室が狭いかと言えば、決してそんなことはないのです。後席に座った際のひざまわりのゆとりは、冒頭であげたどのライバルよりもゆったり。もちろん後席の広さに定評のある「ヴェゼル」よりもハイレベルなのですから、ファミリーユーザーにもお勧めできます。

 そのうえ床下収納も含めて395L(ハイブリッドのFFモデル)というラゲッジルームも、後席を起こした状態での床の前後長が890mmとかなりの広さ。幅も一般的なCセグメントSUVより広く確保されているから、ゴルフバッグをフロアに横積みできます。さらに、後席を折り畳む際はライバルたちには採用のないダイブダウン機能(背もたれが倒れるだけでなく座面が沈み込む仕掛け)のおかげでフラットなだけでなく、低いのもライバルに対するアドバンテージ。おかげで、快適に車中泊できるだけでなく後席を畳めばSUVとしては低めの全高ながら前輪とサドルを外した自転車を2台積むこともできます。


自転車2台を搭載可能

全グレードでゴルフバッグ3個を横積み可能

段差がないので車中泊しやすい

4人分のキャンプ道具を収納可能

荷室出口の段差がほぼない

「Z」にはダウンライトが2個備わる

予想を超えた走りの良さ。ドライバーとクルマとの一体感は驚異的なレベルにある

ZR-V e:HEV X
 もうひとつの、そして予想を大きく超えた驚きは走り。滑らかなステアフィール(ハンドルを回す際の感触)の良さにはじまり、曲がるときの小気味いいい反応、旋回中の車体の安定性、さらには路面に吸い付くかのような安定感とまるでスポーツセダンのような高い走行性能を身に着けているのです。その結果としてドライバーと車両の一体感は驚異的なレベルで、爽快な運転感覚を楽しめることに感動しました。背の高さを微塵も感じない運動性能は、SUVとしては異例の水準なのです。これにはビックリ。


 峠道のキレッキレな走りは「これは本当にSUVなのか?」と思わずにはいられないほどであり、この感覚を味わうためだけにZR-Vを買ってもいいような気さえしてきました。


 ちなみに、あくまでコスパ抜きでの話をすれば、オススメはハイブリッドです。シビックe:HEVに続いて最新のシステムとしたハイブリッドは、モーター駆動領域でもまるで純ガソリン車のようなドライバビリティを提供するのが個性。加速時はエンジン回転数を高めながら疑似的なシフトアップをおこなうことで、加速感とエンジン回転数がしっかりと同調するような味付け。それによって、CVTとしたガソリン車よりもガソリン車っぽい感覚で加速が楽しいし心地いいのだから驚くしかありません。エンジン音も心地よく感じます。


 そのうえ、モーターによりエンジン回転数の高まりを待たなくてもアクセル操作に瞬時に反応してグイグイ加速していく力強さも好印象。これはモーター駆動ならではの感覚ですね。


 また、たとえ雪道を走る機会がないとしても、運転を楽しむドライバーであれば駆動方式のオススメは4WD。実は4WDシステムはこのZR-Vから、従来のCR-Vやヴェゼルよりも後輪のトルク配分を増やしていて、さらに舗装路でも積極的に後輪へトルクを送る制御としたからハンドリングがいいのです。峠道でアクセルを踏みながらグイグイ曲がっていく感覚の楽しさを知っているドライバーなら、この4WDはきっと気に入るに違いありません。


ZR-Vはこんな人におススメ

ZR-V e:HEV X
 そんなZR-Vはどんな人におススメか?


 まずいえるのは、ヴェゼルよりもゆとりが欲しい人です。車体が大きくなったぶんだけ後席も荷室も広く、実用性が高まっているからです。


 もうひとつは、走りを楽しみたい人。ガソリン車はもちろん、ハイブリッドのアクセルを踏む歓びはこのクラスのハイブリッド車では異例。だから運転が楽しいのです。ガソリン車の「Z」に備わるパドルやハイブリッド車に装備の回生レベルセレクターが触感と操作時の剛性感にこだわった金属製ですが、それも開発陣の走りへの意気込みを反映したアイテムなのです。ZR-Vはそういった操作系の細かい仕立てからも、走りの追求が感じられるといっていいでしょう。


 実用性なSUV、そして走りが楽しいSUV。そんな2つの顔を持つZR-Vは、実用重視の人から走りを楽しみたい人まで、多くの人にマッチする間口の広いモデルだと感じました。ひとことでいえば「ヴェゼルのお兄さん」的なモデルであり、広さも実用性も走りも装備も“ヴェゼルの上”を狙っている人にはジャストといえます。

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みんなのコメント

31件
  • 来年の日本カー・オブ・ザ・イヤー
    の最有力の1台となるはず。
    CR-Z以来受賞から遠ざかってるし
    近年は惜しくも3年連続て逃してるから
    ホンダとしてはこのクルマで
    取りたいはず
  • アメリカモデルだったのを日本にもってきたのでデザインはアメリカ人好みになっているのでしょうがない。日本では出っ歯と言われるけどアメリカではその出っ歯のデザインが好評で受けているということだからまあデザインというのは国民性もあって難しいよね。トヨタみたいに同じ普通車クラスを国によってカローラみたいに顔つきをちょっとかえるのは金のある企業だからでホンダにはその余裕はない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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