車種別・最新情報 [2022.11.28 UP]
車検証が2023年に電子化 メリット/デメリットなど詳しく解説
2023年1月4日より、車検証がICタグを貼付した電子車検証に変更されます。この記事では、電子車検証の詳しい内容や、ユーザーにとってのメリット/デメリットなどを解説します。
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なぜ電子化?変更の理由とは
国土交通省によれば、今回の電子化について「自動車ユーザーや自動車関係の事業者のさらなる利便性向上」を理由としています。従来では、車検証の交付を受けるためには運輸支局等への出頭が必要ですが、車検証を電子化することで出頭を不要とする制度とシステムを導入し、手続きの手間や時間をカットするということです。
また、専用アプリを導入し、PCやスマートフォンで車検証情報を閲覧したり、リコール情報などの確認ができるようになります。
電子車検証とはどんな物?変更前の車検証と比べてみた
従来の車検証と電子車検証とでは、サイズが変わります。従来の車検証はA4サイズ(210mm×297mm)の紙であったのに対し、電子車検証は105mm×177.8mmの厚紙に。これはA6サイズ(文庫本のサイズ)を30mmほど長くしたような大きさです。
電子車検証(イメージ)
従来の車検証に記載されている情報は、電子車検証でそれぞれ以下のように分けられます。
【A】車検証に記載:変更登録等の影響を受けない車両の基礎的情報
【B】ICタグに格納:車検証の有効期間や所有者情報
【C】二次元コード:バージョン情報など、従来とほぼ同じ
車検証本体の【A】には、自動車登録番号・車両番号(ナンバープレートの番号)をはじめとした、車両の基礎的情報が記載されます。具体的には以下の項目で、「車両識別符号(車両ID)」が車検証の電子化に伴い付与されるものとして新たに追加されます。
ICタグの【B】には、所有者情報など【A】の欄に記載されていない車検証情報が格納されます。情報は汎用のICカードリーダーや、読み取り機能付スマートフォンなどで読み取ることができます。
二次元コードの【C】は従来とほぼ同じく、バージョン情報をはじめとした情報を取得できますが、「自動車検査証の有効期間」だけは確認不可となります。
自動車検査証本体に記載される項目
自動車登録番号/車両番号型式燃料の種類車両重量/車両総重量車台番号自動車の種別総排気量又は定格出力軸重(前前・前後・後前・後後)交付年月日長さ/幅/高さ自家用・事業用の別初度登録年月/初度検査年月使用者の氏名又は名称車体の形状用途車両識別符号(車両ID) ※車名・型式原動機の型式乗車定員/最大積載量
※車両ごとに不変の番号として電子化に伴い付与
ICタグに格納される項目(券面非表示事項)
自動車検証の有効期間使用者の住所所有者の氏名・住所使用の本拠の位置 なお、電子車検証に搭載されるICタグについては、車検証情報の記録領域とは別に、アプリケーションの搭載が可能な記録領域を設けており、空き領域の利活用方法を今後検討していくとしています。
いつでもどこでも車検証情報を確認!「車検証閲覧アプリ」の機能とは
ICタグに格納された情報は、2023年1月から利用開始が予定されている車検証閲覧アプリを利用して確認することが可能です。
アプリはPC用・スマートフォン用の両方が用意され、オンラインで車検証情報や車両のリコール情報、二次元コードの情報などを確認できるほか、車検証情報の出力・保存が可能になります。
また、車検証の有効期限が満了に迫っている際にプッシュ通知で知らせる機能も備わる予定です。
車検証の電子化で便利に!メリットまとめ
では、車検証が電子化となることでどんなメリットがあるのでしょうか。
所有車両の情報をICカード一枚で管理
電子車検証では、所有する車両の登録番号をはじめとした基礎的情報に加え、自賠責保険証もまとめてデータ管理することが可能になります。
現時点では個別の紙媒体で管理している情報がカード一枚で管理できるため、携帯や管理が従来よりも容易になることが期待できます。
車検の更新手続きがスムーズに
車検証電子化で最もメリットが生じるのは、車検業者であるとされています。
運輸支局長等から委託を受けていれば、陸運支局に出頭せずに代理で車検証情報の書き換えが可能となり、来訪等の手間が軽減されます。
これはユーザーにとっても、車検に掛かる時間を短縮できるという利点があり、条件次第では1時間程度で車検を完了できると言われています。
また、車検情報を365日24時間いつでもチェックできるようになるため、車関係の各種手続きがWEB上で行えるようになることも期待されます。
気を付けておきたい 電子車検証のデメリット(注意点)とは
車検証の電子化で便利になる点がある一方、気を付けておきたい点もいくつかあります。
ICタグが搭載されることで、保管方法はぜひとも注意したいところ。ダッシュボード上などの過度に高温になりやすい場所に放置したり、折り曲げは厳禁。ICタグのみを切り取るのもNGです。
また、車検証閲覧アプリで読み取った情報について、2022年11月現在、スマートフォンの機種変更の際の引き継ぎや、アプリを削除した場合の復元は不可とされています。機種変更をしたり、アプリを削除した場合はもう一度読み取りすることで閲覧可能です。
電子車検証の発行は、その発行対象となる手続き以外で発行することはできません。
なお、今回の電子化に伴い、2023年1月1日から各種手数料が手続きの種類により50円~500円程度、引き上げされます。事前に車検の予算を計算しておきたい場合は注意が必要です。
【参考資料】国土交通省:車検手続きのデジタル化のお知らせ【手数料変更】(令和5年1月施行)
軽自動車の電子車検証はいつから発行開始?
電子車検証は2023年1月から発行開始ですが、これは普通自動車が対象。軽自動車は2024年1月からの発行予定となっています。
まとめ
車検証が電子化となることで、車検に掛かる時間が短縮化されたり、自賠責保険証など関連する情報もまとめて管理できるようになるなど、様々なメリットがあります。
一方で車検証の管理方法や手数料アップなど、これまでとは変更となる点もあります。もしも不明な点などがあれば、スタッフの方に事前に相談しておくのもよいでしょう。
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