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【F1チーム代表の現場事情:ハース】FIAへの不信感を胸に納め、パフォーマンスの課題に集中するシュタイナー

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【F1チーム代表の現場事情:ハース】FIAへの不信感を胸に納め、パフォーマンスの課題に集中するシュタイナー

 大きな責任を担うF1チーム首脳陣は、さまざまな問題に対処しながら毎レースウイークエンドを過ごしている。チームボスひとりひとりのコメントや行動から、直面している問題や彼のキャラクターを知ることができる。今回は、ハースのチーム代表ギュンター・シュタイナーに注目した。

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 F1ヨーロッパラウンドの序盤、ハースF1チームは厳しい戦いを強いられた。第5戦までは3回入賞を果たし、予選ではしばしばQ3に進出していたハースだが、舞台がヨーロッパに移ってからの3戦はノーポイントに終わった。この成績不振の時期に、チーム代表ギュンター・シュタイナーがFIAに対して不満を募らせるような出来事も続いている。

 モナコGP予選では、2台揃ってQ1で敗退。後方スタートとなったニコ・ヒュルケンベルグがスタートでポジションを上げようとローガン・サージェントを追い抜いた。その際に接触が起きたかどうかすら明らかでないにもかかわらず、ヒュルケンベルグが衝突を引き起こしたとしてペナルティを受けたことに、シュタイナー代表は激怒した。接触がより明白な他のインシデントで処罰がないケースもあったのだ。

 翌スペインGPで、ペナルティに関する不満と、スチュワードのシステム自体に対する不満をシュタイナーは述べ、それを問題視したスチュワードから呼び出されることになった。

 その扱いはフェアには思えない。シュタイナーは、特定の個人を非難したのではなく、F1はスチュワードに関してボランティアに頼るのではなく、より専門的な体制を形成する必要があるという考えを示しただけなのだ。しかしシュタイナーの発言をスチュワードは気に入らなかったようだ。シュタイナーは公聴会で説明を求められ、自分の発言で傷ついた人がいるなら謝罪すると述べた後に、スチュワードから戒告を受けた。

 その翌戦カナダGPで、ハースは再びスチュワードから呼び出されることになった。ヒュルケンベルグが予選で2番手を獲得し、フロントロウをつかんだおとぎ話のような出来事は、カナダ土曜日の最大のトピックだったが、スチュワードがヒュルケンベルグの違反の可能性に注目したのだ。

 赤旗下で速度を出し過ぎるのは明らかな過ちだ。スチュワードは、ヒュルケンベルグは減速するのに時間がかかりすぎたと指摘した。ヒュルケンベルグは、ビープ音が減速を指示するのか加速を指示するのか分からず、混乱していたという。もちろんそれを言い訳にすることはできない。ドライバーは、どのような状況でも、その時、何をすべきか、規則では何を指示されているのかを、正確に知っている必要があり、それが分からないのは自分自身の責任だ。結局スチュワードはヒュルケンベルグに3グリッド降格ペナルティを与えた。規則では10グリッド降格を科すことも可能だったが、スチュワードは、危険な行為はなく、ペナルティの軽減事由があると判断した。

 シュタイナーは、ペナルティを受け入れた一方で、ヒュルケンベルグはインシデントの場所とそれ以降を走行する間、他のドライバーたちと同じレベルまでスピードを落として走っていたと指摘した。この一件で、FIAにはF1の変化に応じて改善すべき点があり、そのために投資する必要があるという考えを、シュタイナーは再び深めたかもしれない。

 そしてカナダの日曜日に再び問題が発生した。ヒュルケンベルグとケビン・マグヌッセンが、ドライバーズパレードのための集合場所に到着するのが5分遅れたとして、戒告を受けたのだ。それは小さな出来事かもしれないが、スチュワードから不当な扱いを受けていると感じているシュタイナーは、不愉快な思いで受け止めたのではないだろうか。以前から、コース上でハースのマシンが破損するとピットストップを指示されるが、似たような状況に陥った他のチームは見逃されていると、シュタイナーは感じている。

 たとえば、カナダGPでは、エステバン・オコンが乗るアルピーヌのリヤウイングが不安定な状態だったが、スチュワードは特にアクションを起こさなかった。だが、それについてシュタイナーは、対外的に不満を示すことはなかった。

 ハースは、コース上のパフォーマンスにおいて好調とはいえず、予選で良いペースを発揮しても、決勝の好結果につなげることができずにいる。その状況を改善することが今の最優先事項だ。その課題に集中するなかで、不公平と感じるFIAの行動が今後もあった場合、シュタイナーはどのように強いフラストレーションと戦い、どういう行動を示すだろうか。

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