日本の道に最適なクルマは、やはり5ナンバー車だ。国内の道路や駐車場は、1960年代に大衆車として日産 サニーやトヨタ カローラが発売されて以降、ほとんど変わっていない。
実際には、道を拡幅する計画がある。しかし、そこに住み続ける住宅がある以上、強制立ち退きさせないのが民主国家である。
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駐車場枠についても、一部に近年の大型化の傾向を採り入れ幅の広い枠を持つ時間貸し駐車場などもあるが、最新のホテルやビジネスビルなどにおいても、駐車幅や地下駐車場への通路などはなお狭いところが多い。
建物のなかで、広く確保したいのは部屋であり、駐車場は追加の設備との発想が根強いからだ。もし自宅を建てるとしたら、車庫の広さより、広いリビングやベッドルームを持ちたいだろう。
そうしたなかで、日本の道に最適なクルマとして5台を選んだ。
文/御堀直嗣 写真/HONDA、編集部、NISSAN、TOYOTA、SUZUKI
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視界と安全を両立したフィット
ホンダ フィット(販売期間:2020年~/全長3995×全幅1695mm×全高1515mm)
もっとも薦めたいのはホンダ フィットだ。5ナンバーであるのはもちろん、近年衝突安全性能を高めるため視界が悪くなっている新車のなかで、晴れ晴れするほど見晴らしのいい運転席からの眺めだ。前方視界がよいことは、運転しやすさに通じる。
また、それだけで安心感も増す。センサーで知らせたり、カメラ画像で見せたりするより、自分の目で確認できるほうが素早いし、安全確認も確実だ。
それでいて、フィットは最新の衝突安全性能も満たしている。視界と安全を両立できたのは、ホンダ独創の車体構造による。フロントウィンドウを支える柱と、衝突で衝撃を受け止め力を分散する柱とを使い分けることで、それを実現した。
なぜ、世界の自動車メーカーがそこに思い至らなかったのか? 逆に、真の意味で人々のためになる人間中心の新車開発をしているのがホンダだともいえる。
視界だけでなく、フィットは前後座席の座り心地や、乗り降りのしやすさにも行き届いている。一般的に後席は見逃されがちだが、後席の乗り降りのしやすさも考慮され、体の柔軟性や体力が衰えだす高齢者にも容易な乗降性となっている。
さらに、アコードなどで使われてきた2モーター式のハイブリッドシステムがフィットでも使われるようになり、燃費はもちろん、走行中の快適さや加速性能などが上質になり、高速移動が楽になった。
日本に最適なコンパクトカーを世界のグローバルカーへ育てるという目標で開発されたフィットは、日本の道に最適な一台だと思う。
あえて最適な寸法を求めた新型ノート
日産ノート(販売期間:2020年~/全長4045×全幅1695×全高1520mm)
日産 ノートは、前型に比べ車体全長をわずかだが短くしてモデルチェンジした。それでも外観は貧相になることなく、かえって豊かな存在感を高めている。
前型ノートから日産が採用した独自のハイブリッドシステムであるe-POWERは、新型ノートから第2世代となり、快適性が格段に向上した。
具体的には、発電のためガソリンエンジンを稼働する状況を極力減らし、モーター走行の静粛性をいっそう体感できるようにしたのだ。市街地など比較的低い速度での走行中はできるだけ発電しないような制御とし、加速するときや、より高速で走行し風切り音やタイヤ騒音などが高まってエンジン騒音を意識しにくい状況で発電するようにしたのである。
そうした改善は、SUV(スポーツ多目的車)のキックスではじまっていたが、エンジンを含め本格的に改良が施されたe-POWER第2弾という進化は、新型ノートからとなる。
室内は、現行の2代目リーフより先進的な内装になり、車体が多少小型になったとはいえ荷室容量にも不足はない。新車が次々大型化していくなかで、あえて最適な寸法を求めた新型ノートの意味は大きい。
燃費も、格段に向上した。WLTCで前輪駆動(FWD)なら28km/L以上、後輪をモーターで駆動する4輪駆動でも23km/L以上だ。日本の道に最適なコンパクトカーの一台である。
納得の使い勝手を誇るシエンタ
トヨタ シエンタ(販売期間:2015年~/全長4260×全幅1695×全高1675mm)
現行のトヨタ シエンタは、新車として発売されてからすでに6年となる。しかし、今日なおその外観に衰えはなく、販売も堅調で、2021年3月の国内販売では8682台を売り12位の成績だ。この数字は、同社のプリウスやノアより上だ。そして日産セレナに次ぐ成績である。
シエンタの外観は、歌舞伎の隈取りを思わせる大胆な様子だが、車体色の選び方によってそれを強調することも、目立たなくすることもできる。そのうえで、スライドドアを持つトールワゴンとしての使い勝手も人気の理由だろう。
5ナンバー車でありながら、2列と3列の座席を選ぶことができ、スライドドアを開けて乗車する際の床は低く抑えられ、後席のアレンジは荷室の床を平らに広げることができ、操作は容易だ。収納も、14か所に及ぶ。
また、当初から福祉車両として後ろから車椅子を載せることも考慮した車体構成は、通常でもより便利な使い勝手をもたらしているはずだ。
4輪駆動はガソリンエンジン車となるが、前輪駆動(FWD)と福祉車両はハイブリッド車(HV)を選ぶことができる。そしてHVの燃費は、WLTCモードで22km/L以上だ。ことにHVは、走行中の静粛性に優れ、上級車種の趣もある。
日本の道に最適は小型トールワゴンである。実は拙宅の近所で、すでに所有するシエンタに増車でシエンタを購入し、2台にした家がある。シエンタに対する根強い人気をうかがえる。
多様性兼ね備えるシャトルは希少5ナンバーワゴン
ホンダ シャトル(販売期間:2015年~/全長4440×全幅1695×全高1545mm)
ホンダ シャトルは、国産車では数少ない5ナンバーのステーションワゴンだ。トヨタ カローラも現行車となって3ナンバーになり、スバル レヴォーグも3ナンバー車だ。カローラには、まだ前型のフィールダーも選択肢が残るが、現行車種の5ナンバーステーションワゴンとして、シャトルの存在意義は大きい。
近年は、SUV人気となりステーションワゴンの需要は減ったといえる。しかし、いざ使うとなると、SUVは車高が高くなるぶん、乗り降りが不便だ。ことに高齢になるほど、乗るのも大変だが、降りる際に地面に足が届きにくく、飛び降りるような様子となる。
コンパクトなトールワゴンでも、ミニバンのようにやや座席位置が高い車種があり、4ドアセダンなど従来の乗用車と同じような使い勝手で乗り降りできるステーションワゴンは、時代の最先端ではないかもしれないが、安心できるクルマだ。
セダンに比べ荷室にさまざまな大きさの荷物を積むことができ、多様性がある。いっぽう、後席はセダンなどと同じように快適性が確保されているので、座り心地もよい。
シャトルはまた、前型フィットをもとに開発されており、走行安定性が高く、ハイブリッド車を選べば静粛性にも優れる。上質な乗用車としての走りや乗り心地と、荷室の使い勝手の多様性を兼ね備えた、貴重な5ナンバーステーションワゴンだ。そうしたことが、販売にも表れているといえるだろう。
現行のシャトルは、2015年の発売で6年目となるが、3月の販売実績は2041台で、38位に位置する。多いとはいえない数字かもしれないが、月に2000台を超えていれば、確かな需要があるとみていいのではないか。
日本の道に最適なコンパクトSUVならクロスビー
スズキ クロスビー(販売期間:2017年~/全長3760×全幅1670×全高1705mm)
スズキ クロスビーは、コンパクトSUVである。5ナンバーのコンパクトSUVでは、トヨタ ライズが圧倒的販売台数で、3月には1万2272台を売り6位に位置する。対するクロスビーは、1977台で40位と大差がついている。
しかし、ライズと同じクルマでダイハツのロッキーは2578台の34位で、クロスビーはそれでも下回るが、大差というほどではない。
そうしたなかクロスビーを推す理由は、マイルドハイブリッドである点だ。本格的なハイブリッドと違い、モーター機能付き発電機(ISG)による回生と加速補助機能でしかないが、アイドリングストップからのエンジン再始動で上質さが加わる。
また、エコクールというスズキ独自のアイドリングストップ中の空調の持続性を高める機能を備え、一般的には信号待ちなどで30秒持つかどうかの空調性能を、1分近く維持し、エンジン再始動をさせにくくしている。
燃費性能自体は、WLTCで18km/L強とライズと差はないが、マイルドハイブリッドとはいえ電動化にともなうアイドリング中の持続性などをあわせると、総合的な実用性でクルマの価値を実感させるSUVである。
独特な造形の外観と、車体色の彩の豊かさ、前席のヒーター機能や座席の撥水表皮、荷室の汚れを拭き取りやすくした床など、改めてクロスビーに目を向けてみるのもいい。SUVの機能を使い尽くす意味で、日本の道に最適なコンパクトSUVの一台といえるのではないか。
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みんなのコメント
DCT物凄くスムーズになっているし、NVH関係は車格より上のクラス、かなり静か。
正直カローラツーリングより上だと思うが、販売力の差はいかんせんともしがたい。
価値観なんてのは、他人に押し付けるものじゃない。
ただ、バカでかいアメ車のフルサイズ乗って、スーパーとかの駐車場を2台分占領してるヤツは、えーとは思う。