「チームの方針はずっとこうだよ」激昂ガスリーと対照的にオコンは冷静……アルピーヌのポジション入れ替え指示に、ドライバーの見解分かれる

　F1日本GPのチェッカー直後に、アルピーヌのピエール・ガスリーがマシンの中で激昂する姿があった。後ろを走るチームメイトのエステバン・オコンと順位を入れ替えるようチームから指示され、渋々ポジションを譲らなければいけなかったからだ。

　元々はオコンがガスリーの前を走っていたが、オコンはペースが上がらず、前を行くフェルナンド・アロンソ（アストンマーチン）を攻略することができずにいた。そのためチームはガスリーを前に出したのだが、そのガスリーもアロンソを抜くことはできなかった。

　そのためチームはふたりを元々のポジションに戻そうとしたが、ガスリーは決勝を通じて自分の方が速く、前にいるべきだと感じていた上、チームと事前のコミュニケーションがなかったこともあって、オコンに順位を明け渡すという指示に不満を示した。しかし臨時のチーム代表であるブルーノ・ファミンは、ポジションスワップはガスリーがアロンソに仕掛けられるか試すために行なわれたに過ぎず、それができないのであればポジションを戻すことは正しいと述べた。

　そしてアルピーヌ1年目のガスリーとは対照的にルノー時代の2020年からチームに所属するオコンは、アルピーヌの方針は一貫しているため、混乱することはなかったと語った。

「僕はこのチームに4年間所属しているけど、ダニエル（リカルド）がいる時も、フェルナンドがいる時も、このルールは常に同じだった」

「ドライバーが順位を入れ替えた場合……今回の場合は僕がピエールを前に行かせたけど、前に出たドライバーがポジションをキープするには、その前にいるライバルからポジションを奪い取らないといけない」

「そうでなければ、チームメイトにポジションを返上することになる。僕たちはいつもそうしてきた。僕が逆の立場でも、当然そうするさ」

　ガスリーはレースで自分の方が速かったため、ポジションをキープさせてしかるべきだと考えているようだが、オコンはそれは関係ないと語る。

「それはあまり関係ないよ」

「速く走れるだけ走ればいいさ。でも、もし抜くことができないのなら、（最終的にオコンとガスリーの）どっちが前だったのかなんて誰も分からない。その前は僕が前にいたんだからね」

「もちろん、チームとして何ができたか、もっと明確にできたことはないかについて話し合うつもりだ」

「でも2021年のブラジルでのフェルナンドの件や、2020年のソチのダニエルとの件を見ても、今回と同じだった」

「僕の知っている通りのチームオーダーだったし、このケースに驚きはなかった」