日本精工は27日、第7世代「低フリクション(摩擦)円すいころ軸受」を開発したと発表した。第6世代品比で摩擦抵抗を2割減らし、各世代品との互換性も持たせた。変速機やeアクスルに組み込み、燃費(電費)向上に寄与する。早ければ1年半以内に量産し、2030年に150億円の売上高を見込む。
同社は約40年前から低フリクション円すいころ軸受を手がけている。開発品はころ(転動体)数の最適化や内・外輪の軌道面を樽状にする「特殊クラウニング」技術、潤滑不足の焼付きを防ぐため、保持器ポケット部のころ端面と接触する部位に微細溝加工を施す「微細溝保持器技術」などを活用した。これらにより製品寿命を延ばしつつ、前世代比で摩擦を2割減らした。同社によると、約40年間で7割以上、摩擦抵抗を減らしたことになるという。
連載「未踏をゆく 部品トップインタビュー2024」(13)日本精工 市井明俊社長
旧世代品との互換性も持たせた。例えば外輪や内輪は変えず、コロ数と保持器を変えるだけで適用できるケースもある。埼玉工場(埼玉県羽生市)のほか、米中印や韓国での生産を想定する。尾崎美千生執行役常務は「2030年の前には第8世代を出していかなければいけないと考えている」と次世代品の開発も急ぐ方針を明らかにした。
同社は、26年度までに自動車軸受事業の売上高3400億円、営業利益率8%を目指す考えだ。
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