低めの全高でオシャレなスタイリング
少し前のプジョーは、Cセグメントと呼ばれる売れ筋のカテゴリーへ、電動パワートレインの導入が遅れていた。しかし現在は、e-308とe-3008を擁し、存在感を示している。
【画像】ほどよく小柄・軽快な電動ハッチバック プジョーe-308 競合サイズのEVと写真で比較 全173枚
それでも、中国から安価な競合が上陸。欧州ブランドのモデルたちも、英国では複数から選べてしまう。競争を優位に運べているとはいいにくい。
ルノー・メガーヌ E-テック・エレクトリックやフォルクスワーゲンID.3、フィアット600eなどは、いずれも3万7000ポンド(約713万円)程度から契約を結べる。しかし、e-308は1番お手頃なグレードでも4万ポンド(約780万円)を超えている。
そのかわり、残価設定プランの残価が英国では高め。4年間の月払い金額で見ると、メガーヌ E-テック・エレクトリックなどとそこまで大きな差はない。
パワートレインは、ステランティス・グループの最新版。NMC系の駆動用バッテリーは容量が54kWhあり、フロントに156psのハイブリッド同期モーターが載る。
プジョーらしく、スタイリングはスポーティでオシャレ。高水準なデザインで、ワンランク上のプレミアム感を絶妙に漂わせる。全長は4367mm、全幅が1852mm、全高が1441mmという寸法で、このクラスでは大きめの部類に入る。
全高が抑えられ、一部のライバルのような腰高感はない。プロポーションは、従来的なハッチバック。往年のプジョーへ通じる、活発な走りをイメージさせる。フロア下には、巧妙に駆動用バッテリーが敷き詰められている。
内装は内燃エンジン版と同じ 後席はやや狭め
インテリアは、数年前にモデルチェンジした、内燃エンジン版の308と基本的に同じ。ダッシュボード中央にタッチモニターが据えられ、造形は躍動的。小さめのステアリングホイールが低い位置に伸びる、i-コクピット・レイアウトが踏襲されている。
メーター用モニターは、正面の高めの場所。運転中は、ステアリングホイールのリムの上から、スピードなどを確認することになる。ひと回り大きいプジョーより、違和感はないように思う。
今回試乗したベーシックなアリュール・グレードの場合、インフォテインメント用タッチモニターは10.0インチ。i-コネクト・システムが稼働する。
その下には、i-トグルと呼ばれるショートカットキー。オーディオやカーナビ、運転支援機能などの項目を任意に登録することが可能で、操作性はかなり良い。
GTグレードを指定すると、ヒーターとマッサージ機能が付くシートを選べるが、その分価格は上昇する。アリュールでも、充分快適といえる。
内装の素材は、頻繁に目にさらされる場所は上質。一部に、硬質なプラスティックそのままな部品があるものの、全体的にはプレミアム感がある。
後席側の空間は、このクラスでは狭め。それでも、小柄な大人なら充分快適に過ごせるはず。荷室容量は361L。ステーションワゴンのe-308 SWでは、548Lへ拡大する。
洗練度が高いパワートレイン 操縦性も強み
それでは、グレートブリテン島の公道へ出てみよう。4万ポンド(約780万円)のお値段へ期待するほど加速は鋭くないものの、洗練度が非常に高く扱いやすいのが美点。e-308の0-100km/h加速は、9.8秒だ。
駆動用モーターの156psをすべて引き出すには、スポーツ・モードを選ぶ必要がある。この状態なら、高速道路では速度を調整しやすく、一般道でもキビキビと駆け回れる。興奮を誘うほどではないけれど。
回生ブレーキの強さは固定。そのかわり、電費はこのクラスでは良い方に入る。今回の試乗では、起伏の多い区間を積極的に運転して、7.0km/kWhを得られた。一方で、急速充電は最大100kWまでで、速いわけではない。
現実的な航続距離は360km程度となり、よりバッテリー容量の大きいメガーヌ E-テック・エレクトリックより遠くを目指せるといえる。回生ブレーキを切り惰性走行できることが、高効率に繋がっているのかもしれない。
スタイリングと見合うように、操縦性はスポーティ。少しお高めの価格を、ある程度納得させる強みといえる。このクラスとしては軽い側にある車重と、グレートブリテン島のアスファルトに調整されたようなシャシーで印象は良い。
ちなみに、サイズの近いシトロエンe-C4と比べると、車重は120kg以上重い。こちらはeCMPプラットフォームを基礎骨格にするのに対し、e-308はEMP2プラットフォームを採用しているためだ。
乗り心地はしなやか 軽快で直感的な操舵感
路面からの隔離性に優れ、乗り心地はしなやか。それでいて姿勢制御には締まりがあり、安定性も高く、機敏に身をこなす。転がり抵抗を優先し、グリップ力が犠牲になったような印象もない。
低い位置に載る駆動用バッテリーのおかげで、ステアリングホイールには適度な重さが伴う。その結果、プジョーの中でも特に操舵感は軽快で直感的。カーブを意欲的に楽しめるとまではいえないものの、充足感を得られる。
Cセグメント・クラスでも、電動のライバルは増える一方。その中にあって、乗り心地や操縦性、スタイリング、インフォテインメント・システムなど、e-308のストロングポイントは少なくない。
他方、英国では少し予算をプラスすれば、テスラ・モデル3が視野に入る。航続距離は、1万ポンド(約195万円)以上安いMG 4 EVの方が長い。
バッテリーEVのファミリー・ハッチバックでは、完璧な1台はまだ存在しないかもしれない。強みはこのまま、実用性を増し航続距離が伸びれば、e-308はそこに該当する可能性はある。しかし、車重が増えると現在の美点へ影響が出てしまうはず。
◯:コンパクトなサイズと魅力的な操縦性 スタイリッシュなスタイリング 快適な乗り心地と引き締まった操縦性
△:よりお手頃なライバルがある 後席側の空間は平均より狭め 短めの航続距離と速くはない急速充電能力
プジョーe-308 アリュール(英国仕様)のスペック
英国価格:4万50ポンド(約781万円)
全長:4367mm
全幅:1852mm
全高:1441mm
最高速度:170km/h
0-100km/h加速:9.8秒
航続距離:379-429km
電費:5.6-6.6km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1684kg
パワートレイン:ハイブリッド同期モーター
駆動用バッテリー:51.0kWh
急速充電能力:100kW
最高出力:156ps
最大トルク:27.4kg-m
ギアボックス:1速リダクション(前輪駆動)
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