3月19日、ENEOSスーパー耐久シリーズ2023 Powered by Hankook第1戦『SUZUKA S耐』の決勝レースが三重県の鈴鹿サーキットで開催され、ST-Xクラスの500号車5ZIGEN GTR GT3(HIROBON/川端伸太郎/塩津佑介/金丸ユウ)がポール・トゥ・ウインで総合優勝を飾った。
近年多くのエントラントとファンを集め盛況となっているスーパー耐久シリーズ。鈴鹿サーキットを舞台に5時間レースで争われる2023年シーズンの開幕戦には昨年を上回る8クラス54台がエントリーを行い盛り上がりをみせている。前日の予選日は雨の影響もあったが、決勝日は晴天に恵まれ、11時45分に開始された5時間の決勝レースでは随所で熱いバトルが展開された。
スーパー耐久第1戦鈴鹿の終盤に大クラッシュを喫した山野哲也、病院に搬送も意識はある状態
■ST-Xは終始ノートラブルの5ZIGEN GTR GT3が優勝。レースは終盤に一変
レースのスタートでは総合ポールポジションを獲得した5ZIGEN GTR GT3を先頭に各マシンが1コーナーに飛び込んでいく。30分ほど経過したときに555号車REVISION AMG GT4がスプーンふたつめでコースアウトしてしまうが、無事にレース復帰を果たし、それ以外はアクシデントなくクリーンな展開でレースが進む。
スタートから1時間が経過したとき、ST-4の216号車HMRスポーツカー専門店86が最終コーナー立ち上がりのグラベルにストップしてしまい最初のフルコースイエロー(FCY)が導入される。オフィシャルの迅速な作業でFCYは即座に解除となりレースがリスタート。
しかしその直後、ST-2トップを走行していた6号車新菱オートDIXCEL夢住まい館エボ10がデグナーの立ち上がりでマシンを止めてしまう。このマシンストップを見て多くのチームがピットにマシンを呼び戻すなか、残り3時間51分で2度目のFCYが宣言。コースに少量のオイルが確認されたため、その処理のためにFCYはセーフティカー(SC)に切り替えられた。
このSC中に多くのマシンがピット作業を行いピットレーンは混雑に。その後レースは残り3時間27分で再開を迎え、SC中のピットインで順位を上げた31号車DENSO LEXUS RC F GT3を先頭に各マシンがレースを再開していく。
ST-Xのトップに立ったDENSO RC Fだったが、ピットレーン速度違反でのペナルティストップで後退となり、再び5ZIGEN GTRがレースをリードしていく。2番手には元嶋佑弥の追い上げにより順位を上げてきた23号車TKRI松永建設AMG GT3、3番手には14号車中升 ROOKIE AMG GT3というトップ3で折り返しを迎える。
レース残り2時間16分、快調に走行を続けていた中升 ROOKIE AMGがギヤ系のトラブルから緊急ピットイン、そのままマシンをガレージに入れてしまう。さらにその直後には、現行のGS型を投入した222号車Honda Cars Tokai J-net FITがデグナーふたつめのグラベルにスタックしてしまい、3度目のFCY導入となった。
再開後も大きなアクシデントなくレースが進んでいたが、残り1時間30分ほどになるとST-1の2号車シンティアム アップル KTMがエンジン系のトラブルによりマシンを止めてしまい、ST-2の225号車KTMS GR YARISが左フロント足回りにダメージを負いストップ、さらにST-4の884号車シェイドレーシング GR86にミッショントラブルが同時多発的に発生してしまい4度目のFCYからSCが宣言された。
SCは残り1時間7分で解除となりレース再スタート。しかし残り46分、ST-5のトップを争っていた17号車DIXCELアラゴスタNOPROデミオと72号車OHLINS Roadster NATSが日立Astemoシケインの進入で接触、72号車がクラッシュを喫してしまいFCYとなり、車両やパーツがコース上に残ってしまったため赤旗中断となった。幸いにも72号車をドライブしていた山野哲也は意識があり、検査のため病院に搬送されているとのことだ。
その後は各マシンがホームストレートに並んでレースの再開を待っていたが、ガードレールへのダメージもあり、赤旗提示をもってレースを終了することが決定された。これにより終始ノートラブルでレースを進めた5ZIGEN GTR GT3がST-Xデビュー初戦で総合優勝を飾り、TKRI松永建設AMG GT3(DAISUKE/元嶋佑弥/中山友貴)が2位、DENSO LEXUS RC F GT3(永井秀貴/小高一斗/嵯峨宏紀)が3位という結果になっている。
■FL5型シビック・タイプRが投入2戦目でクラス優勝を達成
GT4規定車両が争うST-Zは、スタートで885号車シェイドレーシング GR SUPRA GT4がクラストップの52号車埼玉トヨペット GB GR Supra GT4をかわすと、20号車ナニワ電装TEAM IMPUL Zの平峰一貴が7番手から3番手に浮上するなど、多くのバトルが繰り広げられる。
クラスポールからレースをスタートした52号車はペースが上がらず厳しい展開を強いられるが、クラス4番手をキープしながらレースを進めていく。中盤には19号車BRP★SUNRISE-Blvd718GT4RSがクラス首位に立つも、他クラスの車両との接触でドライビングスルーペナルティを科され後退、SC中のピットタイミングで順位を上げていた埼玉トヨペット GB GR Supra GT4(山﨑学/吉田広樹/服部尚貴/川合孝汰)が再びクラストップに返り咲きレースを制した。2位は26号車raffinee 日産メカニックチャレンジZ GT4(大塚隆一郎/富田竜一郎/名取鉄平/篠原拓朗)、3位は885号車シェイドレーシング GR SUPRA GT4(HIRO HAYASHI/平中克幸/清水英志郎)となっている。
4台が参加したST-Qは28号車ORC ROOKIE GR86 CNF concept(加藤恵三/大嶋和也/豊田大輔/佐々木英輔)、61号車Team SDA Engineering BRZ CNF Concept(廣田光一/山内英輝/井口卓人/伊藤和広)の2台が序盤からバトルを繰り広げながら走行し、61号車が総合22位、28号車が総合24位でフィニッシュした。
また、ORC ROOKIE Corolla H2 conceptの代役として参戦したTOYOTA GR Yaris(MORIZO/佐々木雅弘/石浦宏明/小倉康宏)も総合26位、MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept(寺川和紘/井尻薫/関豊/前田育男)も総合34位で完走を果たしている。
ST-1はスタートから2台がバトルを繰り広げていたが、2号車シンティアム アップル KTMが吉本大樹のドライブ中にマシンストップに見舞われたことにより、赤旗終了まで走りきった47号車D’station Vantage GT8R(星野辰也/織戸学/浜健二/ジェイク・パーソンズ)に軍配が上がった。
ST-2はクラスポールからスタートした6号車が序盤にマシンを止めてしまったことにより、2番手を走行していた743号車Honda R&D Challenge FL5(石垣博基/武藤英紀/木立純一/柿沼秀樹)が終始安定した走りを披露し、FL5型シビック・タイプR投入2戦目でのクラス優勝を達成した。
レクサスRC350とニッサン・フェアレディZニスモRCが争うST-3は、2番手スタートの38号車ヒグチロジスティクスサービス RC350 TWSが、15号車、16号車の岡部自動車Z34にかわされると、2台のZはトップをいく39号車エアバスター WINMAX RC350 TWSもオーバーテイクしワン・ツーを構築する。
その後もレース中にポジションを争い、SC中のピットインで39号車が再びトップに立つが、レース終盤に15号車が39号車をオーバーテイクすると、その順位を守りきった15号車岡部自動車Z34(甲野将哉/長島正明/富田自然/元嶋成弥)がST-3を制した。
トヨタGR86/86での争いになったST-4は、クラスポールの884号車シェイドレーシング GR86が1周目終了後に“Aドライバーハンデ”を消化すると、41号車エアバスター WINMAX GR86 EXEDYが先頭でレースを進めていく。
その後方2番手には、今季からST-4に挑むENDLESS GR86が41号車に追いつきバトルを繰り広げてトップに立つも、残り1時間37分で頭からマシンをガレージに入れてしまい万事休す。代わって首位に浮上した60号車TEAM G/MOTION’GR86(塩谷烈州/山本謙悟/瀬戸貴巨)がGR86投入後初勝利を挙げている。
ST-5はスタートから88号車村上モータースMAZDAロードスターがトップをキープしてレースを進めるが、2番手にポジションを上げてきた17号車DIXCELアラゴスタNOPROデミオがレース中盤にトップに立つと、72号車OHLINS Roadster NATSも交えてのトップ争いを繰り広げる。
しかしレース残り46分で17号車と72号車が接触してしまい、そのまま17号車がトップで赤旗終了を迎えたが、レース終了後に40秒加算ペナルティが科されたことにより、村上モータースMAZDAロードスター(村上博幸/吉田綜一郎/有岡綾平/岡本大地)がST-5を制する結果になった。
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無理せずしっかり直してください。