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次世代フラッグシップ「GR GT」発表。「公道を走るレーシングカー」は2027年デビューへ

掲載 更新 8
次世代フラッグシップ「GR GT」発表。「公道を走るレーシングカー」は2027年デビューへ



TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、新型フラッグシップスポーツカー「GR GT」と、FIA GT3規格レーシングカー「GR GT3」の開発中プロトタイプを初公開した。

→【画像】次世代フラッグシップ「GR GT」発表。「公道を走るレーシングカー」は2027年デビューへ

●文:月刊自家用車編集部

モータースポーツを起点とした「もっといいクルマづくり」を結集

今回、TGRが発表した2台のハイパースポーツは、TGRが目指している「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を深化させ、GR GTは「公道を走るレーシングカー」として、GR GT3は「レースで勝ちたいと願うすべてのカスタマー」に向けたモデルとして開発が進められている。

―― 「GR GT3」(左)はレースで勝ちたいと願うすべてのカスタマーに向けてのレーシングカーという位置づけ。一方、「GR GT」(右)は公道を走るレーシングカーを目指して開発されている。

開発における3つのキー要素として、「低重心」、「軽量高剛性」、「空力性能」の追求を掲げ、圧倒的なパフォーマンスと、ドライバーとクルマの一体感を高める「ドライバーファースト」を特徴としている。

―― GR GT(プロトタイプ)

―― GR GT(プロトタイプ)

―― GR GT3(プロトタイプ)

―― GR GT3(プロトタイプ)

新開発V8ツインターボ+ハイブリッドは、システム出力650ps超

技術面では、トヨタ初となるオールアルミニウム骨格を採用し、ボディパネルにはカーボンや樹脂などを適材適所に使用することで、軽量かつ高剛性を実現。ユニット類の最適配置によって、重量物の重心位置を大幅に引き下げ、ドライバーとクルマの重心をほぼ同じ位置にしている。

―― オールアルミニウム骨格

―― 低重心透視図

パワートレーンには、新開発の4リッター V8ツインターボ(ドライサンプ方式)と1モーターのハイブリッドシステムを搭載し、システム最高出力650ps以上、最大トルク850Nm以上(開発目標値)を目指す。駆動方式はFR(後輪駆動)となる。

―― パワートレーンカットモデル図

開発は、マスタードライバーのモリゾウ(トヨタ豊田章男代表取締役会長)と、プロドライバーの片岡 龍也選手、石浦 宏明選手、蒲生 尚弥選手、ジェントルマンドライバーの豊田 大輔選手、さらに社内評価ドライバーが一体となった「ワンチーム」で進められており、Lexus LFAの開発経験を持つベテランから若手への技術伝承も狙いのひとつ。

ドライビングシミュレーターを活用した開発や、世界中のサーキットでの実車テストを経て、GR GTは日常使いにも配慮しつつ、高揚感と扱いやすさ、安心感を提供するクルマを目指すという。

GR GTとGR GT3は、他のGR車と同様に「走る・壊す・直す」を繰り返すことで、あらゆるドライバーの期待に応えるクルマを目指しており、2027年頃の発売を目指して開発が進められている。

「GR GT」「GR GT3」の概要について

◆エクステリアデザイン:空力ファーストの逆転手法

GR GTのデザインは、最高速度320km/h以上での空力性能を最重要課題とし、「空力ファースト」をコンセプトに開発。通常の開発プロセスと異なり、まずWEC参戦車両を手掛けた空力エンジニアが提案した「空力モデル」(理想のフォルムを表す模型)をベースに車両パッケージを決定。その後、量産化を見据えてエクステリアデザイナーが最終デザインを決めるという「逆転の手法」を採用されている。

―― フードエアインテーク/アウトレット

―― フロントフェンダー

―― リヤスポイラー

―― 空力イメージ図

◆インテリアデザイン:機能性と操作性の追求

インテリアは、プロドライバー、ジェントルマンドライバーがサーキットユースとデイリーユースを両立できる最適なデザインを目指し、ドライビングポジションと視界を最重視。理想的なポジションを追求する中で「守られ感」を再認識し、ドライビングに関わるスイッチ類をステアリング付近に配置するなど、直感的で操作しやすい形状・位置にこだわっている。

メーター表示も、サーキット走行時の視認性を高めるため、シフトアップインジケーターやシフトポジションといった情報の表示位置やサイズを考慮され配置されている。

―― シート

―― センターコンソール

―― ペダルレイアウト

◆パワートレーン:V8ツインターボ+リヤトランスアクスル

トヨタ市販車初となる4リッターV8ツインターボエンジンは、「低全高、低重心」実現のため「徹底的に小さく、軽く」を設計思想として開発。ショートストローク、ホットV形式、ドライサンプシステムを採用することで全高を低減させている。

エンジンが生み出した動力はCFRP製トルクチューブを介し、モータージェネレーター、トルクコンバーターを廃したWSC採用の8速AT、機械式LSDを一体化したリヤトランスアクスルへ伝達。開発目標値はシステム最高出力650ps以上、最大トルク850Nm以上。前後重量配分は45:55となる。

―― ICE単体図

―― トランスアクスル透視図

―― パワートレイン+シャシー(前)

―― 冷却性能イメージ

◆サウンド:クルマと対話できるレーシングサウンド

GR GTは、その高い動力性能に加え、V8ツインターボならではのレーシングサウンドを追求した。「クルマと対話できるサウンド」と「熱量変化を感じさせるサウンド」を開発の柱とし、排気管の構造を緻密に作り込むことで、クルマの状態と連動する臨場感あふれるサウンドを実現。エンジンスタートから加減速まで、すべての運転シーンでドライバーに高揚感と楽しさを提供するための重要な要素として開発されている。

―― GR GT(プロトタイプ)エキパイフィニッシャ

◆シャシー:オールアルミ骨格と限界域の制御技術

軽量&高剛性の柱として、トヨタ初採用のオールアルミニウム骨格を採用。大型中空アルミ鋳物やアルミ押出材、最適な接合技術で高剛性を確保した。

サスペンションは前後新設計のローマウントダブルウィッシュボーン式(アルミ鍛造アーム)で、日常から限界域までリニアなレスポンスとコントロール性を追求。

専用開発のMICHELIN PILOT SPORT CUP2タイヤや、Brembo製カーボンディスクブレーキを装着し、ニュル24時間耐久レース参戦技術を活用したVSC(駆動力・ブレーキ制御を多段階で調整可能)により、運転技量や天候に応じた安心かつ楽しいドライビングを提供する。

骨格とサスペンションの基本構造はGR GT3と部品を多く共用する。

―― マルチマテリアル構造

―― フロントサスペンション

―― リヤサスペンション

―― エンジン+サスペンション

文:月刊自家用車WEB 月刊自家用車(ハラ)
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みんなのコメント

8件
  • なんぴん
    いまの日産、ホンダでは絶対につくれない車。やっぱトヨタはすごいよ。
  • ear********
    金持ち共がキャッキャウフフして騒ぐだけの車
    米が高くて買えないと騒いでる庶民には関係の無い話
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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