MotoGP2019年シーズンに、ホルヘ・ロレンソの後任としてドゥカティに加入したダニーロ・ペトルッチ。彼は第6戦イタリアGPでキャリア初優勝を挙げると、そこから3戦連続で表彰台に上がるなど、速さを示した。
しかしそこから状況は一変する。彼は後半戦では成績が低迷してしまい、表彰台を獲得することすらできなかった。
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このスランプにより、ペトルッチはチームメイトのアンドレア・ドヴィツィオーゾとランキング2位を争っていたはずが、大きく離された6位という位置でシーズンを終えることになってしまった。
1月下旬、ドゥカティは2020年のチーム体制を発表。そこでペトルッチはマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)に次ぐ、ランキング2位を狙う野望を抱いたことが“失策”であり、結果として自信の喪失を招いてしまったと話した。
またペトルッチは昨シーズンの序盤に“自分の最大限を絞り出した”ことで、疲れてしまったのかもしれないという考えも語った。
「去年の8月、僕はチャンピオンシップを2位で終えようと決心した」と、ペトルッチは言う。
「それが失敗だった。サマーブレイクの間にランキングを見てしまったんだ」
「代わりと言ってはなんだけど、失敗の分析を十分にしていなかったと思う。僕はただ速く走ればいいと思っていて、自分のライディングについては疑問を抱いていなかった」
「こうした考えはシーズンの終わりまで持ち続けていた。今、僕は改善すべきところを認識しているし、問題を解決する力もある。もちろん2019年と同じ間違えもしないようにね」
ペトルッチは更に次のように続けた。
「苦しい状況にあるとき、上手く対応することはいつだって難しい。それまで上手くいっていたなら、なおさらだ。僕はマルケスのライバルになれるポジションにいた。でもザクセンリンクから変わってしまったんだ」
「僕はしばしば忍耐強さを失っていた。容認できないようなミスの例に、オーストリアGPの予選がある。あそこで僕は自分のポテンシャルをみんなに示すつもりだった。でも結局は、ターン3でグラベルに突っ込んでしまう結果になった」
「世界が崩れた。僕は完全に“危機”に陥ってしまったんだ。それまでは速さがあったし、フロントロウにも並ぶことができた。ブルノでも悪い方に進んでしまった。表彰台に戻りたかったんだけどね」
「誰かが僕にノルマを押し付けたわけじゃない。全て僕の失敗だったんだ」
ペトルッチとドゥカティの契約は2020年シーズンで再び満期を迎える。ドヴィツィオーゾや他のファクトリーチームのライダーも2020年末で契約終了となるため、2021年に向けたライダーズマーケットは早くから動き出すことになるはずだ。
しかしペトルッチは2019年を含むこれまでのシート獲得の競争と比べれば、周囲の状況はより穏やかなものだと言う。
「僕から見れば、この状況に新しいモノは何もない。過去2年間自分の契約を更新するために戦っていたからね」
「ファクトリーチームでのレースへの取り組み方も学んだから、より穏やかさを感じているし、自信もあるよ」
「再スタートを切る準備はできている。たくさん休んだし、より多くの方法でトレーニングもした。今年が他のどの年よりも重要なシーズンという訳では無いけど、これまでにしてきたように常にベストを尽くすつもりだ」
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