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ホンダEV版「タイプR」、登場は「あまり遠い話ではない」 三部社長が語る次世代スポーツEVへの思い

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ホンダEV版「タイプR」、登場は「あまり遠い話ではない」 三部社長が語る次世代スポーツEVへの思い

現社長が語ったEV版タイプRの現在位置

EV版「タイプR」の開発は、着実に進んでいるようだ。 

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ホンダの三部敏宏社長が改めて、EV版「タイプR」量産の可能性を示唆した。

2023年4月26日、ホンダが青山本社で実施した「2023 ビジネスアップデート ~電動化を含む企業変革に向けた取り組みについて~」で、記者からの質問に答える中で、話がEV版タイプRに及んだ。

質問は、2025年から中大型EV向けにホンダが独自開発するビークルOSについてだった。

OSとは、コンピュータのオペレーティングシステムのこと。これをホンダが独自化することで、「ホンダらしい」ソフトウエアやそれに伴うサービスをEVの商品価値に組み込むことができるという。

これに関連して、三部社長は「ホンダらしさでは、ソフトウエアだけでなく、走る・曲がる・止まる(といったハードウエアとしての評価)をEVの世界でもやってみると、(クルマの特長として)かなり違いが出せるという認識がある」と、話をハードウエアに進展させた。

さらに「まだ明確に決まったわけでないが、その中でのスポーツ(性がある走りの領域として)、例えばガソリンエンジン時代のタイプRのようなものを含めて、新しい時代の我々の価値は(EV時代の)ハードウエアとしても勝負できる」と、EVのスポーティモデル量産に向けた意気込みを語った。

さらに……。

「できるだけ早い時期に」ホンダの“解”

三部社長は「これはホンダらしいね、と言っていただけるクルマとして、着々と研究中だ。あまり遠い話ではなく、できるだけ早い時期に、我々の(ホンダらしさを証明するための)解として、表に出したい。今しばらくお待ちください」と、EV版タイプR量産化に向けた今後の流れを紹介したのだ。

こうした具体的な話に辿り着くまで、三部社長はこれまで何度かEV版タイプR量産の可能性について触れている。

三部社長が、EV版タイプR量産について、公の場で始めて触れたのは2021年4月だった。

これは、三部氏が本田技研工業の代表取締役就任を受けての会見だった。

その際、記者からの質問に応える形で、EVとしてのホンダらしさについて「EVのプラットフォームはお客様目線では(商品の)差別化が難しいところがある。技術的には様々な提案がある」という前置きをしてから「例えば、普通のクルマに対するタイプRやタイプSといった“走りの仕様”はどうするのかを開発部署で考えているところだ」と、EV版タイプRへの含みを持たせた。

技術畑を歩んできた三部社長にとっては、「ホンダらしさ」には「ホンダらしい走り」のイメージが同調していることがこの時、はっきりと分かった。

イメージカーの提案 ベールの下は?

それから1年後の2022年4月、ホンダは「四輪電動ビジネスの取り組みについて ~電動化に向けた進捗と将来への事業変革~ 」を開催した。

21年4月の発表内容と比べると、日本国内でのEVラインナップについても、24年に商用軽EVを導入し、またパーソナル軽EVとSUVタイプEVを適時投入とした。

プレゼンテーション全体の流れは、電動化への取り組み、四輪電動事業への取り組み、ソフトウエア・コネクテッド領域の強化、ビジネス変革を支える財務戦略と続き、最後に“スポーツモデル”を紹介したのだ。

カーボンニュートラルや電動化に挑む中で、ホンダ不変のスポーツマインドや、際立つ個性を体現するようなスペシャリティとフラッグシップ、2つのスポーツモデルをグローバルへ投入する、とした。

公開されたのは、ベールを纏った背の低いスポーツモデルのイメージ映像で、その内の1台はEV版NSXといった印象だ。これが、フラグシップというイメージだろう。

そして、もう1台は2ドアクーペのような雰囲気で、これがタイプRのイメージなのかもしれない。

モデル名称として、EVになってもシビック・タイプRと名乗るのか、またはそもそもタイプRという名称をEVにも適用するかどうかなど、ブランド戦略上では様々な検討が必要なはず。この発表当時、そんな印象を持った。

早ければ、2027年に量産か?

そして今回、三部社長としては3回目となる事業方針説明会となった。

プレゼンテーション全体の流れは、四輪事業の収益体質改善、半導体の安定調達、バッテリー領域の取り組み、EV投入予定、ソフトウエア領域の強化、そして新たなる価値創造という順序立てだった。

その中でEV投入予定をアップデートし、北米ではGMとの協業によるSUVホンダ「プロローグ」とアキュラ「ZDX」、次いで2025年からはホンダ独自のEV専用プラットフォームによる中大型EVを発売する。

中国では、「e:NS2」と「e:NP2」を2024年初頭に、また同SUVモデルを2024年中に発売する。これら3モデルを含めて2027年までに合計10のEVモデルを投入する。

そして日本では、24年前半に「Nバン」ベースの軽商用EVを予定通り発売し、2025年には「Nワン」ベースの軽EV、さらに2026年にはSUVタイプを含む小型EVを2モデル導入する。

となれば、EV版タイプRの日本登場は、最短で2027年になるのかもしれない。

三部社長の説明では、EV版タイプRに関する情報は今後、段階的に表に出てくるようだ。

もちろん、EV版タイプRは、ホンダ独自の新設計EVプラットフォームを採用することになるだろう。

「ホンダらしい」EV版タイプRを含めて、今後のホンダのEV戦略の動向を引き続きウオッチしていきたい。

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みんなのコメント

13件
  • 根本的に、それはTypeRという名前じゃなくてもいいんじゃないか?
  • それと同時に純ガソリンエンジンのノウハウも失いそうね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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