スーパーフォーミュラ第2戦鈴鹿ラウンドは、予選2番手スタートの開幕戦勝者、野尻智紀(31、無限)が力強いレース運びで開幕2連勝をマーク。
野尻に迫る走りで今季初の2位表彰台に上がったトヨタ勢トップの平川亮(27、インパル)とともにタイトル争いをリードする存在であることを印象づけた。
若武者に訪れた試練!! F1角田はエミリア・ロマーニャGPでかく戦えり
文/段純恵、写真/HONDA
【画像ギャラリー】若手の飛躍はスーパーフォーミュラ全体を盛り上げる!! 第2戦は笹原が3位表彰台!!
■SRS-Fの次席、笹原の伸び悩みはダラーラのモノコック!?
スーパーフォーミュラ第2戦、3位に入った笹原右京はスーパーGTでも活躍する若手のホープだ
この二人に続く3位に、本誌の連載でおなじみの笹原右京(25、ダンディライアン)が入賞したのだが、次のオートポリス戦に笹原が出場する保証は現時点では何もない。
というのも笹原は療養していた牧野任裕(23)の代役として開幕2戦に出場。回復した牧野がチームに復帰すれば、笹原がお役御免となるのは必定だからだ。
スーパーGTでは大湯都史樹(22)を相棒にGT500クラスで活躍する笹原だが、ドライバーなら誰もが重きを置くフォーミュラでの活動が宙ぶらりんというのは、まだまだ伸びる力を秘めている若者にとっても、『国内最高峰』『ハイレベルな戦い』を謳うSFにとっても良いこととは思えない。
笹原が今季のレギュラーシートにつけなかった理由を訊ねたところで絶対に誰も教えてくれないが、SF初年度だった昨季の結果が影響したことは察しがつく。
筆者自身、笹原のレースを見たのはコロナ禍で8月末にずれ込んだ昨年のSF開幕戦が初めてだったが、印象は決して良いとは言えなかった。
名前と大まかな経歴、つまり10代で海外レースを経験したホンダ系選手のひとり、ということは知っていたが、ホンダ主催のレーシングスクール、SRS-Fの次席卒業生(ちなみに同年の主席は大湯だった)にしては鋭さがもの足りないように感じられたのだ。
いまにして思うに、筆者もまったく見る目がないというか取材不足というかその両方というか。
後で知ったのだが、昨季の笹原はマシンの不具合、といっていいのかどうか迷うが、モノコックになんらかの原因が潜んでいるとしか考えられない不調で、どこをどう変えてもマシンの挙動が安定しないドツボ・スパイラルにハマっていたのである。
'19年から導入された伊ダラーラ社製の新型シャシーSF19について、笹原と同様の悩みをもらすドライバーはチラホラおり、現王者の山本尚貴(32、ナカジマ)が今季に入って大苦戦している理由もモノコックでは? という関係者もいる。
ただこれが当たっていたとして、BMW3シリーズのカブリオレが買えちゃうお値段にして注文後すぐにデリバリーされるわけでもない商品の購入には、チームとしてもけっこうな勇気が必要だろう。
■現場から遠く離れた場所でシートが決められる
今シーズンのスーパーフォーミュラ、笹原はレギュラーシートではないが、走る機会さえあれば何かやってくれるはずだ
笹原に話を戻すと、不調が解消されSF19本来のポテンシャルを実感した時、すでに'20年シーズンは最終盤に入っていた。
といっても開幕からたった3ヶ月。しかもテストもロクに行われない昨今の事情では、セットアップを詰める時間などなかったに等しい。
12月初旬、第5、6戦併催となった鈴鹿の第6戦予選で、笹原はようやく速さを発揮し初めてQ3に進出。3番手タイムをマークしたが、前日の第5戦決勝でのクラッシュで壊れたエンジン交換による10グリッド降格。
加えてスタート時のエンジンストールで最後尾に後退。諦めない走りで順位を上げたが結果は11位だった。その2週間後、真冬の富士で開催された最終戦は予選5位決勝7位と、強豪ぞろいのSFでルーキーとしてはそう悪くない結果だったが、笹原に'21年SFレギュラーシートの話は回ってこなかった。
SFでどのドライバーがどのチームのマシンに乗るかの決定には、エンジンを供給している二大メーカーの意向が大きく関与している。
そのこと自体は不思議でも不自然でもないが、気になるのはシートの振り分けにおいて強い発言力をもつ人物が、国内外のモータースポーツ業界や事情にどれだけ精通しているのかという点だ。
トヨタではレース用エンジンの開発などに関わった技術畑出身の人物がモータースポーツ活動を統括するポジションに就くのが慣例になってきたが、ホンダの場合、技術ともモータースポーツとも直接縁の無い営業や広報畑出身の人物がモータースポーツ部のトップに就任することがどうやら伝統になっている。
この春、ホンダのMS部長となった長井昌也氏も鈴鹿で開かれた記者会見の席上、自らこれまでモータースポーツとはほとんど縁がなかったことをふまえ、「皆さんにもご教示いただきたい」と謙虚に頭を下げていた。
■現場の雰囲気を把握し、若い芽を伸ばす運営を
若いドライバーたちが引っ張っていくことでスーパーフォーミュラ、ひいては日本のモータースポーツが盛り上がっていく
もちろん、モータースポーツに詳しくないとMS部長が務まらないわけではない。ホンダ・レーシング・ディベロップメント(HRD)社長として第3期ホンダF1活動の初期を率いた田中詔一氏は、海外の営業畑を一貫して歩んできた方だった。
魑魅魍魎が蠢くF1界で、海千山千のクレイグ・ポラックやデビッド・リチャーズ、バーニー・エクレストンらを相手にチーム運営の手腕を発揮。
ただ自分が知らないレースそのものに関することは有名・無名を問わず現場の人たちの声を広くよく聞くことで現実を把握し、正しい判断を下すよう心がけることに徹していた、と当時をよく知るホンダ関係者は言う。
笹原がSFホンダ勢のレギュラーシートから外れることになった理由はいろいろあったと思う。
だがその判断を下す際、筆者がそうだったように、表面的な情報をベースにせっかちに事が運ばれたのではなかったか。どんな職業でも経験が浅い時期はミスをする。だが同じミスを繰り返さないことが大切なのであって、一度や二度のミスで評価を下しふるい落としていては、育つ者も育たない。
同じミスを何度も繰り返す人材に遠慮はいらないが、チャンスに応えた人材には、その結果にいたるプロセスをよく観察したうえで、より成長させるための場を提供することもメーカー主導の『ドライバー育成』に必要ではなかろうか。
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