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なぜ運転支援に「上手・下手」の差が存在? 自動車メーカーとIT企業の異なる考え方

■運転支援技術では「自然なブレーキ」が難しい?

 人に代わりクルマが運転操作をアシストしてくれる運転支援技術(通称:自動運転)ですが、人によって運転の上手・下手があるように、機械の制御にもメーカーや企業ごとの個性があるようです。同じような運転支援技術になぜ差が生まれるのでしょうか。

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 近年、クルマの運転支援機能や安全装備の技術は進歩し続け、ドライバーの疲労軽減や事故防止などのサポートを担っています。

 人に代わってクルマが運転をアシストする運転支援技術ですが、「この人、運転が下手だな」と感じるように「このクルマ、運転が下手だな」と感じることがあるようです。

 まず、自動運転はレベル0からレベル5の段階があります。レベル0はこれまでのクルマと同じ、すべての操作を運転手がおこなうもので、レベル5に近づくほど完全な自動運転となります。

 現在、販売されているクルマに搭載されているもので、もっとも優秀なものはレベル2に相当。これは、高速道路などの特定の場所で、アクセル、ブレーキ、ハンドル操作をクルマが自動的におこなうといった機能です。

 そして、運転支援はメーカーや車種によって特性があるというのです。トヨタの販売店スタッフは、以下のように話します。

「当店の販売している車種のなかでは、『クラウン』、『カローラツーリング』などがトヨタセーフティセンス搭載車となっています。

 白線認識で逸脱を防止するレーントレーシングアシストや、衝突を軽減する自動ブレーキ機能などを装備しています。

 なかでもクラウンは、運転手や同乗者の方に安心していただくために、衝突被害軽減ブレーキ(通称:自動ブレーキ)がかかるタイミングを、『近・中・遠距離のどこから効かせるか』という細かな設定ができます。

 ぎくしゃくした運転支援は、結果として運転手や同乗者の方のストレスになります。トヨタでは細かな設定や制御によって、運転が上手い人が運転しているような自動運転を目指しています」

※ ※ ※

 トヨタは運転支援を可能にしただけでなく、その質にも注力しているとのことです。

 さらに、日産の販売店スタッフは、以下のように話します。

「日産の先進運転支援技術としては、プロパイロット2.0があります。これは現行型のスカイラインに搭載されているもので、高速道路などの自動車専用道路では、限られた条件下において手放し運転が可能で運転手の負担をかなり軽減できます。

 プロパイロット2.0では前走車の追従、白線認識と逸脱防止に加えて、『追い越し』を自動でおこなう機能もあります。

 これは、クルマが運転手へ追い越しをリクエストし、運転手が許可すればハンドル操作・アクセル操作をして追い越し車線へ移動し、前走車を抜いたあと走行車線に戻るまでの操作を自動でおこなうものです。

 以前のプロパイロットでは、運転支援中のブレーキがスイッチのオン・オフのような極端な効き方という声がありました。

 ブレーキのタイミングも、前走車にかなり接近してからだったため、多くのお客さまから不安の声が寄せられました。プロパイロット2.0ではその点を改善し、より人が運転している感覚に近い制御を実現しています」

※ ※ ※

 普段、何気なく操作しているブレーキやハンドル操作が、運転支援の上手・下手に深く関わっているようで、自然な運転を再現しようとすると、ブレーキのかけ方だけでも技術的には課題があるといえます。

■自動車メーカーとIT企業の異なる「自動運転」の考え方とは

 運転支援技術やその先の自動運転技術は、海外のIT企業も開発しています。そして海外では、レベル4やレベル5の「完全な自動運転」の実現を目指しているようです。

 なかでも、アメリカのウェイモ社は、もともとGoogleの自動運転開発部門でしたが、会社として独立し、現在はアルファベット(Googleの親会社)の子会社となっています。

 また、同じくアメリカでは、ウーバー・テクノロジーズも自動運転を開発しています。日本でも話題となっているウーバーイーツも展開されているますが、ウーバーはもともと自動車配車アプリで成長した企業です。

 しかし、両社のクルマは自社製ではありません。ウェイモはフィアット・クラスラーオート・モービルズやジャガー・ランドローバー、ウーバーはボルボのクルマなどを使用して、自社の自動運転装置を後付けしています。つまり、クルマを作っていないのに自動運転を開発しているのです。

 ウェイモは2018年末から、フィアット・クライスラーのクルマをベースにした、運転手のいない、自動運転レベル4の完全自動運転「タクシー」を走らせています。

 ウーバーは、現在ボルボ・カーズと共同で開発中で、将来的には自動運転車の生産よりも、自動運転車を使った大規模な「ライドシェアサービス」を目指しているとのことです。

 このように、国内の自動車メーカーは「運転手」の利便性を第一に考えているのに対して、IT企業は「公共の利便性」を念頭に置いているように伺えます。同じように見える自動運転の開発でも、目標に違いがあるようです。

 このような自動車メーカーとIT企業の自動運転の差について、東京オートサロン2020の会場で、トヨタ自動車 代表取締役社長 豊田章男氏は、次のようにコメントしています。

「自動運転のなかにも、AIを中心としたテクノロジーカンパニーが作ってくるのと、我々リアルな自動車会社から出た、ブランドを持ったOEMメーカーがやってく自動運転があります。何が違うかというと、我々は上手い自動運転を試みたいなと思っています」

 また、同会場に登壇した豊田章男氏の長男で、自動運転技術開発をおこなっているTRI-AD(トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスド・デベロップメント)に所属している、豊田大輔氏は、次のようにコメントしています。

「私は自動運転の会社にいますが、(自動運転技術を開発する)エンジニアのは、運転のエキスパートではない人が多いのです。

 自動運転というと、ひとつのシステムと思われがちですが、安全・安心感を与える運転だったりとか、そうでない運転というのがあるのです。

 その安心感がある運転というのを『わかる、運転できる人』が開発に携わらないと、あまりいい自動運転ができないと思います」

 自動運転技術はエンジニアなくして開発できませんが、エンジニアだけでは不自然な自動運転になりかねません。

 豊田章男氏や豊田大輔氏のコメントからは、自動運転において、自動車メーカーの果たす役割がいかに大きいかを物語っています。

 また、2018年8月にはトヨタとウーバーが「自動運転車に関する技術での協業を拡大すること」を発表しています。これは、トヨタのシステムをウーバー社の自動運転キットと融合させたライドシェア専用車両を、ウーバー社のライドシェアネットワークに導入するものです。

 発表時にはトヨタの副社長であり、コネクティッドカンパニープレジデントの友山茂樹氏は、次のように話していました。

「世界最大のライドシェア企業のひとつであるウーバー社との提携は、トヨタがモビリティカンパニーへと変革するうえで、重要なマイルストーンになるでしょう。

 トヨタとウーバー社、両社の技術とプラットフォームを連携させたライドシェアサービスは、安全で安心な自動運転モビリティサービスの実現へ向けたひとつの道筋になると考えています」

 対して、ウーバー社CEOのダラ・コスロシャヒ氏は、次のようにコメントしています。

「この協業は、ウーバー社にとって前例がないものであり、常に世界水準の技術を自社のネットワークに導入するという決意を示しています。我々の目標は、ウーバー社のネットワークに、世界でもっとも安全な自動運転車を投入することであり、今回のトヨタとの合意はその実現に向けた大きな一歩になります。

 我々の先進技術と、トヨタの安全へのコミットメントや世界的に有名な製造技術との組み合わせは、ごく自然な調和であり、両社が協力して生み出される成果が大変楽しみです」

※ ※ ※

 CASE(コネクティッド、自動化、シェアリング、電動化)の時代となり、クルマは自動車メーカーだけのものではなくなりつつあります。自動運転分野においては、IT企業の存在感も大きくなっていますが、自動車メーカーならではの強みもあります。

 自動車メーカーとIT企業が協業することによって、より自然で安全な自動運転技術が身近になる日も遠くないかも知れません。

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