2023年6月2日、F1第8戦スペインGPがバルセロナ郊外にあるカタロニア・サーキットで開幕する。モナコGPから連戦で迎えるが、舞台は変則的な低速市街地サーキットから本格的な高速パーマネントサーキットへと一変。まったく異なるレースとなることが予想される。
アロンソの復活優勝はあるか、盛り上がる地元スペイン
前戦第7戦モナコGPではマックス・フェルスタペン(レッドブル)が雨の混乱にも動じず快勝。ドライバーズランキング2位のチームメイト、セルジオ・ペレス(レッドブル)が予選で失敗し決勝でもノーポイントに終わったことで、リードを39点に拡大することに成功した。もし今週のスペインGPでも勝利すれば、3連覇に向けていよいよ独走体制に入ってくる。
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チームメイトとの差が39点と広がったことで、レッドブルはフェルスタッペンを中心にチーム戦略が組むことになると思われ、そうなると最大のライバルは前戦モナコGPで2位に入ったフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)ということになるのだろうか。アロンソにとっては母国グランプリでもあり、あの手この手で優勝を狙ってくるのは間違いない。
2023年F1ドライバーズランキング(第7戦終了時)
1位 M.フェルスタッペン(レッドブル)144
2位 S.ペレス(レッドブル)105
3位 F.アロンソ(アストンマーティン)93
4位 L.ハミルトン(メルセデス)69
5位 G.ラッセル(メルセデス)50
6位 C.サインツ(フェラーリ)48
7位 C.ルクレール(フェラーリ)42
2023年F1コンストラクターズランキング(第7戦終了時)
1位 レッドブル 249
2位 アストンマーティン 120
3位 メルセデス 119
4位 フェラーリ 90
5位 アルピーヌ 35
6位 マクラーレン 17
「このコースで速いマシンはどのサーキットでも速い」
スペインGPの舞台となるカタロニア・サーキット(正式名称はシルクィート・デ・バルセロナ・カタロニア=Circuit de Barcelona-Catalunya)は、長いストレートと高速・中速・低速コーナーが複雑に組み合わされ、しかもアップダウンもあり、マシンの総合力を問われるテクニカルコースとなっている。
最高速は340km/hに達することからエアロダイナミクスを重要視される一方で、高速コーナーが多いこともあってタイヤにも厳しく、「このコースで速いマシンはどのサーキットでも速い」と言われる。
ただし、今年は一部コース改修が行われている。最終シケインがなくなり、最初のコーナーのエスケープゾーンが広くなりバリアが設置されたことが変更点となるが、これにより流れがよくなり長いストレートでの最高速はさらに上がると予想される。
比較的温暖な気候もあり、シーズン前テストに使われることも多く、各チームは豊富なデータを持っており、ここから本格的なアップデートが始まるのも注目ポイントとなる。
前戦モナコGPとはコース設定が大きく異なるだけに、どのチームのマシンが有利となるか予想しにくいが、長いストレートがポイントとなるだけにやはりレッドブルが優勢となるだろう。
昨年はフェルスタッペンが3ストップ戦略で逆転優勝
昨年2022年のスペインGPでは、マックス・フェルスタペン(レッドブル)が逆転優勝を飾っている。ポールポジションから独走していたシャルル・ルクレール(フェラーリ)がエンジントラブルからまさかのリタイア。一方のフェルスタペンは2ストップから3ストップへと切り替えて、先行するジョージ・ラッセル(メルセデス)をアンダーカットすると、そのままラッセルを寄せ付けずにフィニッシュまで駆け抜けた。この勝利でフェルスタッペンはドライバーズランキングでルクレールを逆転、チャンピオンに向けて加速していくことになる。
【参考】2022年F1第6戦スペインGP決勝 結果
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル)66周
2位 11 S.ペレス(レッドブル)+13.072s
3位 63 G.ラッセル(メルセデス)+32.927s
4位 55 C.サインツ(フェラーリ)+45.208s
5位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+54.534s
6位 77 V.ボッタス(アルファロメオ・フェラーリ)+59.976s
7位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)+75.397s
8位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+83.235s
9位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー)+1周
10位 22 角田裕毅(アルファタウリ・レッドブル)+1周
・・・・・・・・・・・・・
12位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・レッドブル)+1周
ファステストラップ: 11 S.ペレス(レッドブル)
タイヤを供給するピレリは「スペインGPに硬めのコンパウンドの3種類(ハード=C1、ミディアム=C2、ソフト=C3)を選択しました。C1は最も硬いタイヤC0とのギャップを埋めるために開発されたまったく新しいコンパウンドです。昨年は最も硬いコンパウンドがレースで使用されませんでしたが、この新しいコンパウンドにより、チームはより幅広い戦略的選択肢を得ることができるはずです」と分析している。
さて、フェルスタッぺンの勢いを止めることができのか、そのドライバーはアロンソなのか、ルクレールなのか。第8戦スペインGPは6月2日13時30分(日本時間20時30分)から始まるフリー走行で開幕する。
■2023年F1第8戦スペインGP タイムスケジュール
フリー走行1回目:6月2日13時30分~14時30分(日本時間20時30分~21時30分)
フリー走行2回目:6月2日17時~18時(日本時間24時~25時)
フリー走行3回目:6月3日12時30分~13時30分(日本時間19時30分~20時30分)
予選:6月3日16時~17時(日本時間23時~24時)
決勝(66周):6月4日15時~(日本時間22時~)
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