2019年9月8日、レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ 最終戦の千葉大会は室屋義秀選手が優勝。2019シーズンのワールドチャンピオンにはオーストラリアのマット・ホール選手が輝き、室屋選手は惜しくも1ポイント差でシーズン2位となった。(タイトル写真は優勝した室屋選手を中央に、左がチャンブリス選手、右がホール選手)
1回戦で敗れながら敗者復活から奇跡の逆転優勝!
台風15号の影響を考慮して、前倒しのスケジュールで始まった決勝レース。前日の予選は5位だった室屋選手は、なんと1回戦のラウンド of 14で、対戦相手のB.マーフィ選手(イギリス)にわずか0.015秒差だったが敗れてしまうという波乱の幕開け。だが、敗者の中でベストタイムを出したファステストルーザーとなったので、2回戦のラウンド of 8に進めることになった。
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しかもラウンド of 14では、それまでシーズンランキング首位のM.ソンカ選手(チェコ)も敗れるという番狂わせもあり、チャンピオン争いは混沌となる。
室屋選手はラウンド of 8も勝ち上がり、決勝のファイナル4でもベストタイムをたたき出し、見事に逆転優勝! ファステストルーザーからの優勝とは、まるでドラマのようなストーリーだ。千葉大会では、2017年以来の2年ぶり3回目の優勝を果たした。
だが、シーズンランキング2位だったM.ホール選手も順調にファイナル4まで進出。室屋選手が優勝しても3位以上ならホール選手がチャンピオンとなるため、手堅くミスのないフライトで3位となり、室屋選手とは1ポイント差ながら、自身初のワールドチャンピオンの座についた。2位はK.チャンブリス選手(アメリカ)だった。
レース後、室屋選手は「レースに勝ち、ベストパフォーマンスが発揮できたので、結果に満足しています。これが今年の自分の実力です。ホール選手にはわずか1ポイント届きませんでした。長年一緒に戦ってきましたし、彼のことをうれしく思っています。ホームファンの前で優勝するのはこれで3回目です。フィニッシュラインを越える前に初めてファンの皆さんの姿を確認したのですが、皆さんからのエナジーを感じました。皆さんのおかげで敗者最速から優勝できました」と語った。
既に伝えられているとおり、レッドブル・エアレースは今シーズンで終了するため、この千葉大会が文字どおりの最終戦だった。レッドブルは、エアレースのシリーズを終了する理由として「世界中の他の多くのレッドブルが主催するイベントのように、外部の関心のレベルを引きつけることができなかった」ためとしているが、2019年も千葉大会では、延べ10万人もの大観衆を集めていた。いつの日かまた、エアレースが復活されることを期待したい。(写真:ⒸRed Bull Media House)
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