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【試乗】BMWアルピナB7は「これぞホンモノ」と思わせるラグジュアリースポーツサルーン

掲載 更新 11
【試乗】BMWアルピナB7は「これぞホンモノ」と思わせるラグジュアリースポーツサルーン

アルピナのフラッグシップモデルとなる新型B7、エクステリアやインテリア、そして強化されたパワートレーンに至るまでアルピナ流が貫かれている。そしてそのパフォーマンスは、「ホンモノ」だけが味わえるものであった。(Motor Magazine 2020年7月号より)

選りすぐりの素材に包み込まれる快感
指先がとろけそうなほど柔らかな手触りのレザーシートに腰掛け、ドアを閉じてエンジンを始動する。普段だったら「よし、いくぞ!」と気合いが入ってもおかしくないシーンだが、なぜかこのクルマは私をそんな気分にさせなかった。

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だからといってドライビングに気が乗らなかったわけではない。むしろ「このクルマだったら心の深い部分で通じ合えるはず」という積極的な思いがあって、その掛け替えのない時間を少しでも長く味わっていたいがために、ていねいな走りを心がけようとしたと言うほうが正しい。なぜだろう? 

不思議に思いながら胸ポケットに入っていたスマートフォンをセンターコンソールに仕舞おうとしたとき、私は答えの一部を悟ったような気がした。ドリンクホルダーを覆うカバーを指先で押すと、これ以上ないほどの滑らかさと信じられないほどの重厚感をたたえながら、そのカバーがすっと開いたのである。指先に伝わる感触からして、エルム(ニレ)製のウッドパネルはムク材のようだ。

改めて室内を見渡せば、デザインはBMWと同じでもアルピナではすべて選りすぐりの素材に置き換えられていることに気づく。そうした「ホンモノ」が漂わせる気配が、このクルマをとことん味わいたいと思わせる原動力になっているのではないのか。私はいつしか、そんな思いに駆られていた。

アルピナ流ラグジュアリーがすべてから感じられる
足まわりの印象もBMWとはひと味異なる。おそらくM760Liのほうがさらっとした乗り心地だろう。しかし、B7はもっと落ち着いていてどっしりとしている。そして驚くほど快適だ。また、大入力が加わったときにはバンプストップラバーに当たっているはずなのに、ゴム特有のブワンとした感触が皆無なことにも驚かされる。こんな特性のゴム、いったいどこを探せばあるのだろうか?

608psを生み出す4.4LのV8エンジンは低速域M760LiのV12 6.6Lと遜色のないスムーズさを誇る。トップエンドではさすがにV12ほどの滑らかさは望めないものの、B7ビターボはV8らしいシャープなレスポンスを味わわせてくれる。これに比べれば、BMWのV12はもっと穏やかでおっとりしていると表現してもいい。どちらがアルピナに相応しいかといえば、間違いなくV8のほうだ。

乗り込んだときはまったく飛ばす気がしなかったが、このエンジンの感触を一度覚えてしまうと、少しペースを上げたくなる。すると、最初はあれほど快適性重視に思えた足まわりが、ハードなコーナリングでもレスポンスよく反応してくれることが確認できた。おとなしく走れば快適性重視。しかし、いざとなればスポーティなドライビングも満喫できる。これこそアルピナの真骨頂である。

それはエンジンも同じこと。V12並みの静粛性とV8Sならではのシャープな吹き上がりの両面を持ち合わせている点にこそ、ボーフェンジーペン家が磨き上げてきたパワーユニットの魅力はある。

ひとしきりコーナリングを楽しんだあとでクルージングしていると、B7ビターボの世界観がフェラーリのグランドツアラーとよく似ているように思えてきた。フェラーリのグランドツアラーもアルピナも走りのパフォーマンスは第一級だが、それらは付加価値といえなくもない。

それよりも上質なキャビンでゆったりと時の流れを楽しむために作られたクルマ。それがフェラーリでありアルピナであるような気がするのだ。そういえばかつて創業者のブルカルト・ボーフェンジーペン氏に「アルピナとはなにか?」と訊ねたとき、彼はほかのどんな形容詞よりもまず「ラグジュアリー」と答えたことを思い出す。

パフォーマンスももちろん重要だが、それも含めてラグジュアリーなクルマを作ることこそ、アルピナの本質なのかもしれない。(文:大谷達也)

■BMWアルピナB7 ロングバージョン アルラッド主要諸元
●全長×全幅×全高=5268×1902×1491mm
●ホイールベース=3210mm
●車両重量=2180kg
●エンジン= V8DOHCツインターボ
●総排気量=4394cc
●最高出力=608ps/5500-6500rpm
●最大トルク=800Nm/2000-5000rpm
●駆動方式=4WD
●トランスミッション=8速AT
●車両価格(税込)=2567万円

[ アルバム : BMWアルピナB7 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

11件
  • 2567万円だもん。
    ある意味、そこは当たり前かと。
  • ふふ、わしが江田島平八である!


    貴様らの様な講釈たれの短足では、外車のブレーキにも届くまい。
    世界に誇る日の丸、日本の車に乗らずして日本人の良さは
    語れまいのう!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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