近年、苦戦が続いているヤマハ。2019年はマーベリック・ビニャーレスのランキング3位がヤマハ勢最上位だった。しかしヤマハ内部での改善に向けた取り組みを進めた結果、その効果が現れたとマネージング・ディレクターのリン・ジャービスは語った。
2019年シーズン、ヤマハは組織体制の変更を発表した。最も目を引いたのは、プロジェクトリーダーが津谷晃司から鷲見崇宏へと変更されたことだ。
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ヤマハは2019年もタイトルを獲得できなかったが、シーズンを通して改善は明らかだった。ビニャーレス、そしてルーキーのファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)が、支配的な強さを見せるマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)へコンスタントに挑んでいたからだ。
「2018年最終戦終了時のポジションと、今年(2019年)のポジションを見ると、正直に言ってその間には大きな違いはない」
ジャービスはそう2019年シーズンの結果を振り返った。
「だが、今年は“ストーリー”という面では少し違っていたと思う。我々は明らかに、(2019年シーズン開幕前の)冬の間に変わった。組織内に変更があり、新たな道ができたんだ」
「我々は主に過去の過ちを修正したんだ。そしてそれが新たな道を拓き、後半戦では確かにその効果を見られたと思っている」
そう語るジャービス。組織内部の変更の影響について更に訊くと、彼は次のように答えた。
「何よりもオープンマインドなアプローチだ。それが最も大きなことだと言えるだろう」
「我々の問題は、組織内にある種の“島”がいくつかあったことだ。会社やグループがある時、理想を言えば個々の能力を全て活用すること、共に取り組むこと、協力し合うことが必要だ。ただ思うに、我々にはそれができていなかった」
「シャシー部門はシャシーを、電子制御部門は電子制御を、エンジン部門は……といった具合だった。共に取り組み、マシンとテストグループ全体として見た時、理想的な状況にはなかった」
「それはいくつかの領域で困難に遭っていたからだと思う。何か困難を抱えている時には閉鎖的になってしまうものだ。しばしば彼らは閉鎖的になった。(2019年開幕前の)冬の間に行なった“リセット”が、それとは異なるオープンマインドなアプローチをもたらしたと考えている」
「つまり、完全に異なったアプローチをエンジニアリングに持ち込んだんだ。私としてはそれが最も重要な事だと思っている」
「こうした変更は、我々にとって本当にリセットボタンに等しいものだ。大部分のエンジニアは以前と同じだが、このアプローチの変更は我々の取り組み方を非常に異なる形にした。そして今では、“あらゆる手段を尽くす”というメンタリティになっている」
「困難な状況にある場合、解決策を探すだろう? でもその解決策が内部に無いなら、外部に求める……それが主な変化だよ」
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