2年ぶりに開催となったファン投票でその年の人気No.1レースクイーンを決めるMediBang日本レースクイーン大賞2021。
2カ月間に渡る投票期間を終え、1月15日に東京オートサロンのイベンホールステージで表彰式が実施。相沢菜々子さん、今井みどりさん、太田麻美さん、川瀬もえさん、安田七奈さんの5人が2021年の大賞を獲得した。
東京オートサロン2022で日本レースクイーン大賞2021の表彰式開催。グランプリは川瀬もえさん
そして、5人の中から栄えある第11代グランプリに輝いたのは、2021年にレースクイーンデビューを果たし、Pacific Fairiesとして活動した川瀬もえさんだった。
同一シーズンに新人部門グランプリと大賞グランプリの二冠を勝ち取るという、日本レースクイーン大賞史上初めてとなる快挙を成し遂げた川瀬さん。
そこには“キラキラしたレースクイーンがたくさんいるということを、もっと多くの人に知ってもらいたい”、“レース業界をもっと盛り上げたい”という、彼女の中に秘められた確固たる信念と決意があった。
■大きなプレッシャーから解き放たれた瞬間
「私の名前が呼ばれた瞬間……『よかった!』って思いました。それは『やったー!』というのとは少し違くて、私なりにこの2カ月間は本当にできることをやったと思いますし、全力でこのレースクイーン大賞と向き合ってやってきたという覚悟がありました。ここまでやってきた思いがあるから、『やってきて良かった!』というのが、最初に感じたことでした」
グランプリ発表で自分の名前が呼ばれた時にそう感じたという川瀬さん。表彰式では、初めて経験する東京オートサロンのステージで堂々とスピーチをしている印象を受けたが、投票期間中は様々なプレッシャーと闘う日々が続いたようだ。
「新人レースクイーンなのに大賞に出るというプレッシャーはもちろんありましたし、Pacificがプロデュースするレースクイーンユニットの中からは、私だけがエントリーしていて、みんなの想いも背負っていました。さらに所属事務所のゼロイチファミリアから出ているのも私だけでした」
「本当にたくさんのプレッシャーがあったし、今まで新人グランプリと大賞グランプリをダブル受賞した人はいないので、それだけ難しいことなんじゃないかとか……投票期間中は気弱になってしまったこともありました」
「でも、やっぱり弱っている時には、私を応援してくださっている皆さんが、常に励ましてくれたり、背中を改めて押してくれたりして、気持ちを持ち直すことができました。皆さんにずっと支えてもらい、応援してもらった……本当に濃密な2カ月間でした」
■ただひとり、新人として臨んだファイナルステージ
今回の日本レースクイーン大賞では、ノミネートされた50名を対象にファーストステージの投票が行われ、ファイナリスト20名を選出。ファイナリストは、川瀬さんだけが“新人レースクイーン”という状況だった。
ファイナリストたちがライブ配信番組で投票を呼び掛けるPR放送では、先輩レースクイーンたちの様々な想いに触れ、そこで川瀬さんはグランプリ獲得に向けた決意を新たにしていた。
「PR放送の20人の中で、新人レースクイーンは私ひとりだけでした。ここに入らせてもらった以上は、絶対に誰よりも頑張って、結果を作らないと何にもならないなと思ったし、他の皆さんには何年も積み重ねてきたものがあって、PR放送の時に改めて『皆さん、こういう思いで挑戦されているんだな』ということも感じました」
「その上で、私は私でどうしてもグランプリが欲しいと思ったし、『前人未到の挑戦、新たな伝説を作りたい!』という意思がありました。まわりがどうとかではなくて、とにかく自分の目標とか意思を大事にしようと思いました」
「それに他のレースクイーンさんが、大賞獲得のためにみんな真剣なのに、私がパッと入っていい加減なことをやるというのは絶対にダメだと思っていました。だからこそ本気でした」
「他のレースクイーンさんのように3年、4年、5年と積み上げたキャリアが私にはありません。その分、まわりの5倍も6倍も頑張らないといけないなと思っていました」
新人レースクイーンとしてグランプリを獲得するためには並々ならぬ努力が必要だということを理解していた川瀬さん。投票期間中は、SNSでの投票呼びかけはもちろんのこと、レースクイーン以外の仕事に行った時の発信に、一段と力を入れていた。
「私は日本レースクイーン大賞という賞レース自体を盛り上げて、みんなが注目するイベントにしたかったんです」
「ラジオ番組にゲスト出演させてもらった時に、レースクイーンの仕事内容とか、レースクイーン大賞のことについて話をさせてもらうなど、他のメディアにで“レースクイーンのお仕事”を発信するということを意識していました」
「モータースポーツに関わりがないメディアでお話をして思ったことが、レースクイーンがサーキットで何をしているのかを、皆さん知らないということでした。そこで初歩のところからひとつずつ話していって、興味を持ってもらって『レースクイーンの日本一を決める賞があるんだ』とかを知ってもらう……。そういう感じで、この2カ月間動いていました」
「私がモータースポーツ界以外のところで“レースクイーン”というキーワードを出して話をすることで『面白いな!』と思ってくれたら、儲け物だなと……。実際に『レースクイーンが何をしているのかまったく知らなかったから、すごく面白かった!』という感想を視聴者さんからいただくこともありました」
■“日本一のレースクイーンになる”ことにこだわった理由
こうしたひとつひとつの活動や努力が身を結び、初の快挙を成し遂げた川瀬さん。“普段からモータースポーツを知らない人に、レースクイーンの存在と魅力を知ってもらう”ということが、彼女が日本一のレースクイーンとなり、今後実現させていきたい目標のひとつでもある。
「この業界を盛り上げたいと思っていますが、その方法はいろいろあると思っています。私がレースクイーンとしての活動を頑張ることはもちろんなんですけど、それに加えて他のメディアとか、他の媒体で活躍していく姿をみせていくことが、結果的にレースの世界に還元できると思っています。もっと外に発信していくということをレースクイーン単体でもできるようになっていきたいなと思っています」
「そうやって私が活動の場を広げていくことが、これからレースクイーンになりたいなと思う人を作っていくと思うし、『レースクイーンって、キラキラしていて、こういう可能性もあるんだ!』ということを、証明していけるような……そういうレースクイーンになりたいです」
「正直、コロナ禍になって『レースクイーンって、もう必要ないんじゃない?』みたいな空気になりつつあります。でも、キラキラしているレースクイーンがサーキットにいて欲しいし『レースクイーンって必要だよね』というきっかけを作りたいなと思っています!」
■これで終わりではなく、ここからが始まり
川瀬さんは、レースクイーンとしてモータースポーツに携わった経験は、まだ1年のみ。今はコロナ禍で様々な制限があるのだが、その中でもレースの魅力や一丸となって戦うチームを間近にみて、日に日に興味が湧いているという。
「2021年は真剣にどれもやらせてもらって、とても充実した1年間だったと思うし、シーズンを通して仲間たちとの絆も深まりました。私自身、まだまだ知らないこともありますが、レースの世界には、いろいろな面白さがあると思っています」
「それを私ができる方法で、レースのことをまったく知らない人や、別の界隈の人たちに、私をきっかけにしてその魅力を届けていきたいです」
「この日本レースクイーン大賞が10年以上続いてきて、その中に新人の私が今回グランプリを獲ったことで、ひとつ歴史を変わり、新しい風を吹かせられるんじゃないかなと思っています」
「もちろん、グランプリをいただいたわけですから、レースクイーンの代表として、ひとつひとつの行動も気をつけて、2022シーズンからは“日本一のレースクイーン”として、私にできることをやっていき、ますます活躍していきたいです!」と目を輝かせて語る。
日本レースクイーン大賞に挑むにあたって「日本一のレースクイーンになる!」、「新たな伝説を作る!」と公言していた川瀬さん。第11代グランプリに選ばれたことで、結果としては叶い、ひとつの挑戦は終わった。
だが、川瀬さん自身はこれで満足している様子は一切なく、力強く語ってくれた「モータースポーツ業界を盛り上げたい」という新たな目標に向かって“日本一のレースクイーン”の挑戦が始まっていく。
史上初の同年二冠という快挙は成し遂げられたが、“新たな伝説”が作られていくのは、きっとこれからなのだろう。その伝説がどのようにして作り上げられていくのか……今後も川瀬もえさんの活躍から、目が離せない。
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みんなのコメント
好感の持てるキャラだし、もっともっと川瀬さんをいろんな場所で見てみたいです。