ピレリは今季のF1タイヤのトレッド面のゴムを、昨年よりも薄いモノに変更した。これはタイヤが熱を過度に内部に留めてしまうことで、オーバーヒートするのを避けることが狙いだ。昨シーズン中も、路面を再舗装したいくつかのグランプリでは、この仕様のトレッド面が実際に投入された。
ただこの影響もあってか、タイヤをうまく使うことができないチームが多発。いくつかのチームはトレッドのゴムを昨年と同じ厚さに戻すことを画策したが、これは失敗することになった。
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フェラーリやレッドブルは、トレッド面のゴムの厚さを回帰することを目指した主なチームだった。彼らは、今年のメルセデスの強さは、この新仕様のタイヤにあると信じていたのだ。また一方でハースは、この新しいタイヤの影響で、レースでパフォーマンスを発揮することができないと指摘している。
マクラーレンは、トレッド面が薄いタイヤに戻すことを反対したチームのひとつだ。同チームでパフォーマンスディレクターを務めるアンドレア・ステラは、タイヤの問題が誇張されていると感じていることを明かした。
「タイヤは間違いなく、難しい問題であると言わざるをえない。しかし傾向もあると思う。ある野望があり、そして特定の成果がある。そしてその違いをタイヤのせいにする傾向があるのだ」
そうステラは語った。
「それは少し単純すぎると思うし、達成したことについてよりフェアな質問をすべきだ。『ここが我々の求めている場所だが、実際にいるのはここだ。だからその差を差し引けば……それがタイヤなんだ』というような、ただ単に差し引きの問題ではないんだ」
「このビジネスで何かを理解していない場合、何年か良い年があるかもしれないが、支配することはできない」
またチーム代表のアンドレアス・ザイドルも、ステラの意見に同意した。
「どんなカテゴリーでも、タイヤに何が起きているのかを理解するのは、ビジネスの一部だ。それは我々にとっても同じだ。なぜなら、この質問を何度も受けるからね」
「他のチームが直面している問題と比較して、我々の問題がどれほど大きなモノであるのかは、正確には分からない。とはいえ、いくつかのチームはそれについてもっと声高に訴えている」
マクラーレンの新たな技術責任者であるジェームス・キーは、F1タイヤを働かせることは「間違いなく科学」であると説明するが、「多少の幸運」もあったことを認めた。
「来年何が起きるのか、それを予測できないこともある」
そうキーは語った。
「ピレリは、アブダビなどでテストするタイヤを供給するため、素晴らしい仕事をしてくれた。しかし冬のテストとシーズン中では、全く異なるタイプのコースになってしまう」
「チーム内には、非常に優れた専門知識がある。これはタイヤの扱い方についてできる限り理解し、タイヤがどう反応するのかを予測する方法を知るためのアプローチだ。週末にも、同様にその見方を変更していく」
「個人的なレベルで言えば、タイヤマネジメントの競争力を高めるための特定のことがあるため、来年に向けては良い基準になる。それは、来年も続けていく必要のあるものだ。そしてそれを維持することが重要なんだ」
「これは、すべてのチームに共通する数少ないことのひとつだ。だから、マシンが機能していないという理由だけで、タイヤを変更するべきだと言うのは、犬が尻尾を振るようなモノだ」
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