この記事をまとめると
■Can-Am参戦のために開発されるも世に出ることはなかったレーシングカー「ロータス・タイプ66」
眉唾っぽい逸話溢れる自動車メーカーエンブレムの由来! とくに気になる5つのメーカーの真相を探った
■ロータスは当時の図面や資料を元に忠実に再現した「タイプ66」を復活させた
■サーキットでのテスト走行では最新のGT3マシンに匹敵する速さを披露した
半世紀以上前に設計開発された幻のレーシングカー
故コーリン・チャップマンの息子であり、クラシック・チーム・ロータスのマネージング・ディレクターを務めてきたクライブ・チャップマン。彼が保管していた資料のなかにあった数枚の図面や資料こそが、その歴史的なプロジェクトの始まりだった。
8月半ばにカリフォルニアで開催された、クエイル・モータースポーツ・ギャザリングでワールドプレミアされた「ロータス・タイプ66」は、かつて1970年シーズンにロータスが、Can-Amシリーズに参戦することを目的に設計を進めたレーシングカーを、最新の技術によって現代に甦らせることを目的としたモデルである。
当時、実際にそのプロジェクトがCan-Am参戦という最終的な目的に至ることはなかったそもそものタイプ66だが、ロータスが創業75周年を迎えた2023年に合わせ、その復活プロジェクトを企画。参戦する計画だった1970年シーズンのラウンド数と同じ10台を、特別なカスタマーに限定販売する計画を発表した。
現代に復活したタイプ66のデザインは、やはり1960年代から1970年代にかけての最先端のエアロダイナミクスを意識させてくれるものだ。だがそれは単なる過去のデザインのコピーではなく、フロントノーズやフロントフェンダーから採り込まれたエアは、リヤウイングの下から排出され、大きなダウンフォースを発揮させるデザインを持つなど斬新さも強く感じられる。
ロータスによれば、それは約240km/h走行時に800kgを超える数字であるというから、高速域での安定性はドライバーにとっては相当に安心できるものとなるだろう。サイドビューは、その優秀なエアロダイナミクスを象徴するかのように、シャープなラインで構成されている。
姿形は1970年代なれどパフォーマンスは現代レベル
ミッドに搭載されるエンジンも、じつに魅力的なスペックだ。吸気効率を最適化するために、いわゆる独立型のインダクション「トランペット」を装備するほか、アルミニウム製のピストンやコンロッド、クランクなどを採用したV型8気筒プッシュロッド。排気量は明らかにされていないが、ターゲットとする最高出力は830馬力/8800rpm、最大トルクは746Nm/7400rpmであると発表されている。組み合わせられるミッションはリバースギヤ付きのシーケンシャル方式となる。
レッド、ホワイト、ゴールドと、かつてのロータスを彷彿させるカラーに塗り分けられたタイプ66のボディは、もちろん軽量なカーボン素材で成型されたもの。その内側には前で触れたパワーユニットのほかに、現代のドライバーがそれを操るために必要十分な新機構が包み込まれている。
近代化されたコクピットまわりのデザインやアンチストール・システム、インボード燃料電池などは、その象徴的な例。
その企画から半世紀以上の時を経て、現実のものとなったタイプ66は、単なるレプリカではない高度なレーシング・エンジニアリングを秘めたモデルなのだ。
注目の価格はジャスト100万ポンド。邦貨にすればそれは約1億8500万円という数字になるが、それでも10台のタイプ66は一瞬でソールドアウト、いやすでにその状態にあることは十分に想像できる。
ロータスによれば、ラグナセカやシルバーストーン、富士、スパ・フランコルシャンなどのサーキットでのテストでは、最新のGT3マシンにも匹敵するパフォーマンスを披露したというタイプ66。
そのステアリングを自由に握ることができる10人のカスタマーは、1日も早いデリバリーの日を待ち望んでいることだろう。それはロータスならではの、伝統と革新を同時に感じることができる、じつにユニークなプロジェクトだ。
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みんなのコメント
めちゃくちゃ、≫アルミニウム製のピストンやコンロッド、クランク
こういう書き方だと、コンロッド、クランクもアルミとなるぞ!
≫ミッションはリバースギヤ付きのシーケンシャル方式となる
じゃあシーケンシャルの何?DCT?AMT?ただのMT?トルコンAT?
馬鹿かって
まぁ、ネームバリューが必要だとは思うけど