現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 5つの事例で検証。いいクルマとそうでないクルマ、どこで見分けるのだろう?

ここから本文です

5つの事例で検証。いいクルマとそうでないクルマ、どこで見分けるのだろう?

掲載 更新
5つの事例で検証。いいクルマとそうでないクルマ、どこで見分けるのだろう?

「いいクルマ」の定義は難しい。
人によってクルマに求める要件は異なるし、その要件によって「良し悪し」が簡単にひっくりかえってしまうからだ。

たとえば、ある人は「軽量で運動性能が高いクルマ」を求めているとしよう。

なぜ自動車メーカーはレストアビジネスを始めるのか?その理由を考えてみた

その場合、積載性や乗員の数を基準にクルマの良し悪しを判断することはまずないだろう。二人乗りで、荷室も削った軽量なスポーツカーがその人にとってはきっと「いいクルマ」であるはずだ。

だが、別の人は「家族4人でキャンプに行けるクルマ」を探しているかもしれない。その場合は背が高くて大きく、荷物も人も載るクルマが求められることになり、上の例で良いとされた「軽量なスポーツカー」は選択肢としては外れることになる。

それでも、ちゃんと作っているかどうかはどのクルマでも共通した見分け方がある

上述のように、用途によっては、同じクルマであっても「いいクルマ」になることもあれば、その逆にもなりうる。だから、ボクはイキナリ「どのクルマがいいんですかね?」と聞かれても返答に困ってしまう。その人が、クルマになにを求めているのかがわからないからだ。

しかし、「どのクルマがいいクルマ」なのかを答えることができなくとも、クルマのどこを見ればお金がかかっているか、は判断できる。

ここではそういった例を見てみよう。

1.ドアのヒンジ
これは外観からは判断できず、ドアを開かねばわからない。

だがボクは、ドアを開いたときに見える、ボディとドアとをつなぐ「ヒンジ」に注目する。画像のように、ここがゴツいブロックのようなもので出来ていればOKだが、金属の板を折り曲げただけのようなヒンジだと「ちょっと悲しい」。

これはドアを支えるのに重要なパーツであり、貧弱なパーツだとドアを支えることができない。にもかかわらず貧弱なパーツを使用しているということは、ドアが軽いということにもなり、つまりドアが「潰れやすい」=「安全性が低い」ということも繋がりかねない。

2.サスペンションアーム
コンパクトカーやミニバンならいざしらずだが、スポーツカーやサルーン、乗り心地を重視したSUVだと、この部分は「アルミ製」が好ましいと考えている。

アルミ製パーツは「鉄」製パーツに比べて軽く、そして軽いということはよく動くということになり、つまりは路面からのショックを吸収してくれるわけだ。普及価格帯のクルマであればこの部分は鉄製であることが多いが、「リアルスポーツ」を標榜していたり、プレミアムカーであればここはアルミでなくてはならない、とボクは考えている。

3.フラットフロア
これはスポーツカーやハイパフォーマンスカー(サルーンやSUVも含む)、プレミアムカーに限ってだが、フロアはフラットであるべきだと考えている。フラットフロアだと空気抵抗が軽減され、エアロダイナミクスが向上することになるが、性能よりも「メーカーの考え方」をボクは問いたい。

このフラットフロアは単に「カバーを被せればいい」というものではなく、設計時からしっかりと考えないとフラットにはできない。

だから、フラットフロアを持つクルマは、「見えないところにも、ちゃんとお金と手間がかけられた」クルマであり、他の見えない部分も同様にお金がかけられている可能性が高い。

そして、見えないところにコストを投じるメーカーは、「いいメーカー」だとボクは考えている。

同様に、「リアディフューザー」にも注目したい。単に「スポーティーさを出すためだけに」リアディフューザーを装着しているクルマを多く見かけるが、これはフラットフロア、そしてフロアと連続した構造を持つことではじめてちゃんと機能する。

しかしながら、現実は「スポーツカー」を謳いながらも、飾りだけのリアディフューザーが与えられている場合がある。

これも効果よりも「考え方」の問題であり、「効果のないパーツを、見た目のためだけに取り付け、それを”あたかも効果のあるように”主張しているメーカーをボクは信用しない、ということだ。

4.フェンダー内側の折返し
これはスポーツカー限定になってしまうが、自分のクルマのフェンダーアーチ上部、その内側がどう折られているかを見てほしい。
上部がほかの部分に比較して「鋭角に」折り込まれていれば、ボクはOKだと考えている。

これはサスペンションが沈んだときに、フェンダーアーチとタイヤとが干渉しないための構造だが、これには(通常より)複雑な工程が必要で、つまりコストがかかる。こういったところにコストをかけるメーカーは信用できる。

5.ストラット
フロントサスペンションの「付け根」である。

ここがどれだけゴツいかがそのメーカーの考え方を表すとも考えていて、ここが「折り曲げた鉄板を重ねただけ」なのか、それとも強い衝撃に耐えるようにゴツく設計されているのか、によってそのメーカーの姿勢を見ることができる。

画像はレクサスLCだが、ボクの知る限り、もっとも強靭なストラットを持つクルマだ。これを見る限り、レクサスは「信用に値する」メーカーであるのは間違いない。

以上が、ボクの考える「いいクルマと、そうでないクルマ」との見分け方だ。

要点としては、「そのメーカーが、そのクルマをどれほど真剣に作っているか」ということになる。スポーツカーであればスポーツカーとして造られているべきであり、使い回しのプラットフォームにパワフルなエンジンを載せ、クーペスタイルに仕上げて車高を落としたクルマがスポーツカーではない、ということだ。

なお、クルマによってはカーボン製のフレームや、同じくカーボン製もしくは複合素材のパネルを持つものもある。よって、今回掲げた5つの項目が「すべてのクルマに該当するわけではない」ということも理解しておいてほしい。

[ライター・撮影/JUN MASUDA]

【キャンペーン】マイカー・車検月の登録でガソリン・軽油7円/L引きクーポンが全員貰える!

こんな記事も読まれています

永遠の謎?「インターチェンジ」と「ランプ」何が違うのか 首都高「小松川ランプ入口」が意味するものとは? 混乱招く「2つの専門用語」どう使い分ける
永遠の謎?「インターチェンジ」と「ランプ」何が違うのか 首都高「小松川ランプ入口」が意味するものとは? 混乱招く「2つの専門用語」どう使い分ける
くるまのニュース
ハイエースの覆面って何よ…… 編集部が遭遇した覆面パトカー列伝
ハイエースの覆面って何よ…… 編集部が遭遇した覆面パトカー列伝
ベストカーWeb
ニューウェイに続きさらなる離脱者も? レッドブル、上級スタッフ流出の噂も体制維持に自信
ニューウェイに続きさらなる離脱者も? レッドブル、上級スタッフ流出の噂も体制維持に自信
motorsport.com 日本版
【試乗】このご時世にガソリンエンジンの魅力が味わえるクーペを導入! メルセデス・ベンツCLE200はクルマ好きのハートをくすぐる一台
【試乗】このご時世にガソリンエンジンの魅力が味わえるクーペを導入! メルセデス・ベンツCLE200はクルマ好きのハートをくすぐる一台
WEB CARTOP
ランボルギーニ・ウルスのプラグインハイブリッドモデル「ウルスSE」が発表
ランボルギーニ・ウルスのプラグインハイブリッドモデル「ウルスSE」が発表
カー・アンド・ドライバー
デザインはジウジアーロ! 走りのテイストはゴーカート! 軽自動車界に衝撃を与えた「スズキ・フロンテクーペ」が傑作すぎた
デザインはジウジアーロ! 走りのテイストはゴーカート! 軽自動車界に衝撃を与えた「スズキ・フロンテクーペ」が傑作すぎた
WEB CARTOP
三菱『デリカD:5』ついにフルモデルチェンジへ! 車名は「D:6」!? 2025年内発表か
三菱『デリカD:5』ついにフルモデルチェンジへ! 車名は「D:6」!? 2025年内発表か
レスポンス
【MotoGP】ミシュラン、MotoGPルーキーのアコスタに詰められる。振動問題に「これは彼らが考えるべきこと」
【MotoGP】ミシュラン、MotoGPルーキーのアコスタに詰められる。振動問題に「これは彼らが考えるべきこと」
motorsport.com 日本版
マクラーレン、ノリスが初優勝も本領発揮は次戦以降? マイアミGPで大型アップデート投入も「コース的に効果を発揮しにくい」
マクラーレン、ノリスが初優勝も本領発揮は次戦以降? マイアミGPで大型アップデート投入も「コース的に効果を発揮しにくい」
motorsport.com 日本版
守るARTA松下信治 vs 攻めるAstemo太田格之進。抜きつ抜かれつ&同門同士の極上の表彰台バトル
守るARTA松下信治 vs 攻めるAstemo太田格之進。抜きつ抜かれつ&同門同士の極上の表彰台バトル
AUTOSPORT web
九州道接続の「中九州横断道路」一部有料になる?“早期整備”に向け熊本県と市が提案 その背景は?
九州道接続の「中九州横断道路」一部有料になる?“早期整備”に向け熊本県と市が提案 その背景は?
乗りものニュース
ホンダ改良新型「ヴェゼル」登場 全長4.3mの人気コンパクトSUVがマイナーチェンジでどう変わった?
ホンダ改良新型「ヴェゼル」登場 全長4.3mの人気コンパクトSUVがマイナーチェンジでどう変わった?
VAGUE
ドゥカティの最新人気モデル「モンスター+(プラス)」にアクティブバイク女子、指出瑞貴が挑戦! 軽やかでスポーティーな五つ星のイケメンバイクです!!
ドゥカティの最新人気モデル「モンスター+(プラス)」にアクティブバイク女子、指出瑞貴が挑戦! 軽やかでスポーティーな五つ星のイケメンバイクです!!
バイクのニュース
ブルース・ウェインが依頼主、ピニンファリーナが電動ハイパーカー4台をデサイン
ブルース・ウェインが依頼主、ピニンファリーナが電動ハイパーカー4台をデサイン
レスポンス
GT3マシンのタイヤは1セット50万円! レースはとんでもないお金が動くのでファンは魅了されるのです【Key’s note】
GT3マシンのタイヤは1セット50万円! レースはとんでもないお金が動くのでファンは魅了されるのです【Key’s note】
Auto Messe Web
フェラーリもノリスの初優勝を祝福。しかし次は”俺たち”の番「イモラではもっと良い戦いができるはず。勝利を目指す」|F1マイアミGP
フェラーリもノリスの初優勝を祝福。しかし次は”俺たち”の番「イモラではもっと良い戦いができるはず。勝利を目指す」|F1マイアミGP
motorsport.com 日本版
ペルチェ素子で「10度Cまで60秒!」酷暑から身を守るベストなのだ!【LINKS】から  
ペルチェ素子で「10度Cまで60秒!」酷暑から身を守るベストなのだ!【LINKS】から  
モーサイ
【F1第6戦マイアミGP2日目の要点】シート喪失が噂されるなか、必死の生き残りに賭けるサージェント
【F1第6戦マイアミGP2日目の要点】シート喪失が噂されるなか、必死の生き残りに賭けるサージェント
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村