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熱海HISTORICA G.P. 2017 今年は「スラローム競技」初開催

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熱海HISTORICA G.P. 2017 今年は「スラローム競技」初開催

東洋のモナコを名車が彩る

歴史ある温泉保養地として名高い静岡県熱海市。『東洋のモナコ』とも称されるこの地を舞台に今年も9月23・24日に名車たちを集めたイベント、熱海HISTORICA G.P. 2017が開催された(厳密には24日は付帯するヒルクライム競技を開催)。

今年も23日のカーショーには約180台の名車たちが会場となる長浜海浜公園の芝生広場を彩った。展示カテゴリーは、
・グループA(1995年までに製造された国内外の名車)
・グループB(ラリー&レーシング・モデファイドカー)
・グループC(新旧のラテン&イタルデザイン車)
と大らかな縛りなので、戦前車から’60~’80年代のスポーツカーやツーリングカー、そして本物のレーシングカーまで、様々な名車たちが一堂に会するのがこのイベントの特徴だ。また、参加車両の中から来場者の投票によって選ばれる『The Best Looking Car in熱海G.P.』や、熱海市内を名車たちがパレードする『熱海G.P.RUN』、ホテルニューアカオでのレセプションパーティ『熱海G.P.ナイト』と参加者にとっては1日タップリとイベントを満喫できるようになっている。

実に6回目の開催となる本イベント、クルマ好きはもちろん、近県の人々にとっても季節の定番イベントとなっているようで、夕方まで会場を訪れる人並みが絶えることはなかった。それは主催者と参加者、そして地元が一体となって創り上げてきた、このイベントの持つ魅力を示すものといえるだろう。

名車たちの熱い走りも満喫

そして本イベントの大きな特徴の一つが、同時に開催される走りのイベントであろう。今年も2日目の早朝に行われるヒルクライム競技『Red Tail Hill Challenger’s Cup』、そして本年、初日にカーショー会場のすぐ隣で初開催されたスラローム競技『Long Beach Tip Slalom』では、名車たちがシリアスに走る姿を堪能することができた。これも熱海地元の市民、企業、関係団体のモータースポーツへの理解と協力があってこそ開催できるもの。今後の展開とよりいっそうの盛り上がりを期待したい。


全69枚 「熱海HISTORICA G.P. 2017」詳細レポ

自走でやって来る参加車両が大部分だが、やはりスーパーカーは積載車での登場が似合うなぁ? などと想いながら眺めていると・・・・・・

ほとんどの参加車両が会場に並び終わる頃になると、まだ雲は多いながらも空は青くなり、気温も上がってきた。ちょっと暑いデス。

本イベントを後援する熱海市を代表して市長の齊藤栄さんがスピーチ。やはり地元の協力あってこそイベントが成功することを感じた。

両車のラジエーターマスコットの『スピリット・オブ・エクスタシー』を見比べてみる。こちらは見慣れた(?)クロームのレディだ。

来場者が選ぶベスト・ルッキングカーの1位に選ばれたのは、高田一夫さん所有の1969年型ランチア・フルビア・クーペ・ラリー1.3s。

ベスト3を勝ち取った、錦織悦子さん所有の1966年型ダットサン・フェアレディSP311。地元、錦織さんは熱海市からの参加だ。

全日本GT選手権開幕年の1994年に登場したレインX・アート・カウンタック。フロントラジエーターとナローなリアウイングが特徴的だ。

ディアブロ・イオタPO-01のコクピット。ほぼ何もない室内トリムや市販車とは比べものにならない太いサイドシルが出自を語る。

両手にも余るほどの長大なラチェットハンドルと巨大なソケットはセンターロックのホイールナット用。巨大工具好きの筆者は痺れた!

見たこともない謎のスーパーカーは厚木のカスタムビルダー、バリーフーの手によるマンタレイ。ベースはなんとルノー・スポール・スピダー!

まず公道で出会うことはないであろう珍車、仏パナール社のサルーン、ディナXは1951年型。素晴らしいコンディションのクルマだった。

非常に凝った形状のパナール・ディナXのリアバンパーとその下のマフラーエンド。マフラーカッターが何とも上品で可愛らしい形状だ。

このデルタをプリペアしたストリートライフの吉野代表と車両オーナーの井上浩一さん。共にWRC出場経験を持つラリーストである。

古いナンバーとレースモデファイが渋い、1972年型アルファ・ロメオ2000GTV。TBCCやAR-Cupなどのレースイベントでもよく見かける。

こちらのアルファ・ロメオ2000GTVは本イベントの実行委員長、藤間さんの愛車。もちろんスラロームとヒルクライムにも参戦していた。

こちらは一回り大きな発展モデルである1959年型BMW600。とぼけた可愛らしさは健在だが、300の後に見るとやはり大きい?

ルネ・ボネ・ジェットのマトラ版であるマトラ・ジェットの最強バージョン、1967年型ジェット6。ゴルディーニユニットをミドに抱く。

ミドシップのエンジンルームのアウトレットのグリルがよく見るとマトラ・スポールのロゴマークを象っている! このオシャレさん!

当時、米軍から払い下げられてから2オーナーというこのM38。ナンバーも当時からのもの。管轄地名なしの1ナンバーは品川登録とのこと。

リアに背負ったスペアタイヤはなんと車両と同じく1951年に製造されたグッドイヤー製ミリタリー・ラグタイヤ。しかも驚くべきは・・・

倒されたウインドスクリーンの内側にはM1小銃をマウントするライフルホルダーが。布製カバーは朝鮮戦争で凍結防止用に使用された装備。

上の額の写真は1959年にオーナーが22歳で購入した当時に撮影したもの。ヒトとクルマの歴史を感じさせる、うらやましい写真である。

スクエアなフォルムが今や新鮮な1985年型スバル・レオーネ・ツーリングワゴン4WD。バンパーガードとフェンダーミラーも懐かしい。

何気に履いているエンケイ・ラリーコンペが渋い! スバルだけのPCD140mmの4穴というレアなサイズなのに! 執念を感じる。

日ごろはお世話になりたくない白バイにまたがり、警察の職員が撮影してくれるというサービスも! 子供もお父さんも大喜びである。

特別協賛の企業ブースも並ぶ。マセラティ静岡はマセラティ・ギブリSとマセラティ・グランツーリスモ・スポーツの2台を展示していた。

スポーツカーをはじめ欧州各メーカーの認証オイルをラインナップする独リキモリの製品を取り扱うリキモリトレーディングもブースを出展。

小田原の建設会社、瀬戸建設は平塚市東真土に建設中のガレージ付きの賃貸アパート『G-styleclub Shonan』のプロモーションに訪れていた。

今回、初めての試みとして23日に実施されたスラローム競技。埠頭に設置されたパイロンコースを目標タイムの52秒にいかに近く走れるかを競う。

スラローム競技2位入賞は、1989年型ランチア・デルタ16Vの井上浩一選手。コ・ドライバーを乗せての走行で、タイム差0.28秒でゴール。

1日の終わりはコマ図に従って熱海市内を通り抜け、宿泊地のホテルニューアカオまでを走る『熱海G.P.RUN』で締めくくられた。

24日は早朝6時よりホテルニューアカオ・ハーブガーデンのクローズドコースでヒルクライム競技(2本走ってのタイム差で競う)が行われた。

精緻な走りでヒルクライムを征したのは、1989年型ランチア・デルタ16Vの井上浩一選手。2本のタイム差はなんと0.080秒!(photo:高桑秀典)

こちらも僅差! 実に0.210秒のタイム差で3位となったのは2009年型アバルト500を駆る岡戸栄一選手。実に高レベルの戦いであった。

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