決勝のロングランでも安定した速さを見せる実力派チーム
日本を代表するGTレースとして、海外でも人気の高い「SUPER GT(以下、スーパーGT)」。GT500クラスはトヨタ/ニッサン/ホンダの3メーカーがしのぎを削っている。今シーズンはトヨタ「GRスープラ」が6台、ニッサン「フェアレディZ」が4台、ホンダ「NSX」が5台参戦している。今シーズンを戦う15台のなかから、今回は14号車「ENEOS X PRIME GR Supra」を紹介しよう。
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2019年の年間王者コンビが王者奪還を目指す
トヨタの豊田章男会長がオーナーを務めるROOKIE RACINGは2018年よりスーパー耐久への参戦を開始。2020年にはスーパーフォーミュラとともに、スーパーGTのGT500クラスにも参戦を開始したチームだ。
同チームは歴史こそ浅いものの、デビューイヤーの2020年に大嶋和也/坪井 翔が計3回のポディウムフィニッシュを達成したほか、大嶋/山下健太のコンビで挑んだ2021年には開幕戦の岡山で初優勝。さらに第2戦の富士で2位、最終戦の富士で3位につけるなど、素晴らしいパフォーマンスを見せてきた。
その勢いは2022年も健在で、開幕戦の岡山を制して大会2連覇を達成。さらに最終戦のもてぎでも3位に入賞するなど、まさにスーパーGTにおいてもトヨタ系の有力チームのひとつとして定着しているが、2023年はさらなる飛躍が期待できそうだ。
というのも、2019年のスーパーGTでGT500クラスを制した大嶋/山下がそのままコンビを継続したほか、主力モデルであるトヨタGRスープラも2020年にデビューして以来、着実に進化を果たしてきただけにマシンの完成度が極めて高い。
一発のスピードはもちろん、決勝のロングランにおいても安定性が高く、しかも同チームはサクセスウエイトを搭載した状態でも着実にポイントを重ねてきた「強さ」も併せ持つだけに、つねにトップ争いを演じることだろう。
2023年シーズン開幕戦はトヨタ勢トップの4位フィニッシュ
事実、2023年の開幕戦においても、同チームの14号車は走り始めからコンスタントな走りを披露していた。
まず、土曜日の公式練習で4位につけると午後に行われた予選でも4位でチェッカーを受け、決勝のセカンドローを獲得。日曜日の決勝は悪天候により、セーフティカーの導入や赤旗が提示される過酷な展開となるものの、サバイバルレースを走り抜き、トヨタ勢の最上位となる4位でチェッカーを受けている。
苦しいながらも8ポイントを獲得するなど、まさに大嶋/山下のコンビは抜群の粘り強さを発揮。もちろん、優勝を奪えるパフォーマンスを持つだけに、この安定感が持続できれば、ROOKIE RACING が率いるTGR TEAM ENEOS ROOKIEは念願のタイトルを獲得できるに違いない。
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