仏ルノーは11月27日、「メガーヌR.S. トロフィーR」が鈴鹿サーキットにおいて、市販FF車最速ラップを更新したと発表した。
Cセグメントハッチバック「メガーヌ」の高性能版「メガーヌR.S.」をさらにチューンしたのが「メガーヌR.S.トロフィー」。そのR.S.トロフィーをよりサーキット指向にしたハードコアバージョンが今回鈴鹿を駆け抜けた国内未発売モデルの「R.S.トロフィーR」だ。
パワーユニットこそベースとなるR.S.トロフィーと同じ300馬力の1.8Lターボだが、130kgにも及ぶ軽量化、さらには空力の改善、よりラディカルな接地性能など、「R」を名乗るのに注ぎ込まれたエンジニアリングは多岐にわたる。
そうした細かな改良の積み重ねが、去る26日に叩き出された2分25秒454の新記録。ノルドシュライフェやスパ・フランコルシャンでの記録更新に引き続き達成された偉業は、開発ドライバーでもあるロラン・ウルゴンによるもので、従来の記録より3秒も早く1周5.8kmの名コースを駆け抜けた。実はR.S.トロフィーRの開発に際し、本年初めにルノーは鈴鹿で走行テストを敢行、日本のルノーファンの期待に応えるべくセッティングを詰めたというから、準備は万端だったわけだ。
ルノーが日本でR.S.を積極的にアピールする背景は、我が国が世界でも有数のR.S.ファン生息地帯であること。実際、本年9月には、ドイツや本国フランスを凌ぎ、日本が「R.S.」レンジの世界最大マーケットとなっている。こうした熱さに応えるべく、既にカーボンセラミックパック装着車を含め50台以上のR.S.トロフィーRがルノージャポンによって抑えられており、2020年上半期にはラッキーなオーナーに向けデリバリーが開始される見込みだ。
50台という絶対数は少ないものの、そもそもR.S.トロフィーRが全世界限定500台の希少車であることを考えれば、ルノージャポンの努力は賞賛されてしかるべき。国内価格は今後発表されるが、参考までフランスにおけるスターティングプライスは55,000ユーロ(約660万円)となっている。
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