ホンダが正規販売した、アメリカ生まれの日本車
2023年11月3日(金)に開催された「ネオクラシックホンダファンミーティング2023」の会場で、左ハンドルのホンダ「アコードクーペ」を目撃しました。これはもしや、当時メーカーが正式に販売したアメリカ生産の車両、つまり正規左ハンドル仕様の個体かもしれない!? 純正の状態を残しつつも、ローダウンや光り輝くメッキホイールの程よいアメリカンスタイルに惹かれ、オーナーを直撃しました。
「ワゴン先進国」北米で誕生!「USアコードワゴン」なぜ日本でもヒットしたのか?
息子から譲り受けた希少車
「1991年式アコードクーペは私の次男が長年所有していた車両です。たぶん12~13年ぐらい手元にあったと思います。彼は当時シビックにも乗っていて、このアコードクーペは車検を切らしたまま放置していたんです。そのままポンコツに朽ち果てていくのはもったいないので、私の愛車として譲り受けたのです」
上橋さんが入手した当時は、かなりボロボロだったそう。それを、この車両を購入したお店に相談し、部品取り車を探してもらい購入した。
「このアコードクーペで左ハンドルは、この界隈では見たことがないですね。昔、近所のクルマ屋さんで販売されていたのを見た覚えはありますが、それぐらいかも? この車両の後期型、排気量2200ccの右ハンドルは門司方面で駐車してあるのを見たことがありますが、それぐらいです」
ホンダ「アコード」としては4代目、「アコードクーペ」としては2代目に当たるこのCB6/7型は、1990年から1994年まで販売されていた。しかも、当初はアメリカ生まれの左ハンドルのまま販売開始。途中で右ハンドルも輸入されるようになったという、国内で新車販売された車両としては、かなり珍しいストーリーを持つ車種になる。それだけに、30年以上が経過した今の時代は、残存個体が非常に少ないのは、当たり前のことなのだ。
乗れないほどの激低車を少しずつ純正に戻して復活
入手当初は、息子さんの好みに合わせてカスタムされていたそうだが、その状態は車両が低すぎて、どこにも行けないレベルだった。ただし、部品取りで手に入れた車両もすでに車高調が装着されていたため、サスペンションを移植。ノーマルではないものの、ある程度走れる高さを確保したのだ。他は、基本的に純正に戻すことに集中。外装も3回塗り替えて、ホワイトからホワイト、そして今のゴールドに辿り着いたそうだ。
「ホイールは、この型の次、CD7/8型の純正限定ホイールだと思います。他に手がけたのは、もともと黒だったエンジンヘッドカバーが剥げてみすぼらしくなっていたので、黒い部分を全てそぎ落としたくらいですね。できるだけ純正に戻していって、今の状態に辿り着きました」
印象的な赤いレザーの本革シートや、専用開発されていたBOSE製オーディオシステムなど、アメリカ生まれならではの雰囲気が魅力的だったアコードクーペ。ボロボロだった愛車を、ここまで復活させて今でも楽しんでくれている父親の姿は、同じクルマ好きとして、息子さんも誇りに思っていることだろう。
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みんなのコメント
日本仕様にはない内装色、装備が如何にも「帰国子女」的な雰囲気が魅力的でしたね♪
自分はアコードクーペではなかったけど、初代USアコードワゴンに乗りました、日本仕様とは全く違う「おおらか」な味付けで衝撃的でした、あと…ドアを閉めた音がアメリカ仕様は重圧でした、後で聞いたけどアメリカ仕様と日本仕様のアコードは衝突安全基準が違うそうです。
アコードワゴン再販してくれないかなぁ…いいクルマだった
いつまでも古いパーツを製造・販売していたり、
仮に純正品が手に入らなくなっても、
どうにか代替品を使って修理する手法が確立しています。
例えばエンジンが駄目になった場合、
古い同型のエンジンを探してくるのではなく、
最新のエンジンをマウント出来るように加工して、
外見は旧車でもエンジンは最新式みたいな、
そういう漫画みたいな事ができます。
日本では公道でそれをやると違法行為なので、
いくらボロボロでも、同型のエンジンを探す必要があります。
アメリカだって新車をどんどん売らなきゃいけないのは同じなのに、
エコの意味をきちんと理解していますので共存できているんです。
ですから、日本のR32スカイラインみたいな日本の名車が、
現在のアメリカでは大人気ですが、
それは旧車を維持できる方法が確立してるからできるんです。
日本では維持するだけで大変です。