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ジャガーが60周年記念「Eタイプ」を限定販売!! クーペとロードスターのセット内容とは

掲載 更新 5
ジャガーが60周年記念「Eタイプ」を限定販売!! クーペとロードスターのセット内容とは

■現代の技術で蘇るジャガー「Eタイプ」

 1961年3月、衝撃のデビューを果たしたジャガーの歴史的名作「Eタイプ」の誕生60周年を迎えたことを記念して、ジャガーが自ら「Eタイプ60コレクション」と命名された、クーペとOTS(ロードスター)、2台ペアのEタイプをフルレストアの上で販売することが明らかになった。

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 製作・販売されるのは6セット12台のみで、必ず2台ペアでの販売となる。つまり、片方だけ単体での購入は不可能ということだ。

 2021年3月15日、ジャガー・ランドローバー社は名車「Eタイプ」が誕生60周年を迎えたことを記念して、「Eタイプ60コレクション」と命名された2台ペアのEタイプを6セット(合計12台)のみフルレストアし、ジャガー公式のビジネスとして販売する旨を全世界に発表した。

 2台セットの内訳は、デビュー当時のラインナップを形成していた「フィクスドヘッド・クーペ」と、ロードスターとも呼ばれる「OTS(Open Two Seater)」がそれぞれ1台ずつで、ともにワールドプレミアされた際の歴史にまつわる個体をモチーフに選んでいる。

 クーペのオリジナル車は、オパールセント・ガンメタル・グレーにペイントされ、「9600 HP」の登録ナンバーを掲げていた。そしてOTSのオリジナル車は、ブリティッシュ・レーシング・グリーンで登録ナンバー「77 RW」。いずれも1961年のジュネーヴ・ショーにて初公開された、極めてアイコニックなEタイプである。

 これからEタイプ60コレクションのレストア作業を担当するのは、ジャガー・ランドローバー社「スペシャル・ヴィークル・オペレーションズ(SVO)」に属する「ジャガー・ランドローバー・クラシック」である。

 ジャガー/デイムラー、およびランドローバーが過去に生産したクラシックモデルの顧客やエンスージアストを対象に、レストア/リクリエーション(再生産)車両を製作・販売するだけでなく、サービス作業やパーツ供給、魅力的なエクスペリエンスの提供に至るまで、積極的に展開しているという。

●古くて新しいテクノロジーも大胆に導入

 Eタイプ60コレクションが、いわゆる普通のレストア車ともっとも大きく異なるのは、ジャガー・ランドローバー・クラシックによる「温故知新」的なテクノロジーがふんだんに投入されていることだろう。

 まずパワートレインは、Eタイプ最初期モデルと同じ3.8リッター版の名機「XKユニット」である直列6気筒DOHCエンジンが搭載される。ただしこのエンジンはジャガー・ランドローバー・クラシックが、約半世紀ぶりに新規生産するという新品ユニットである。

 一方、3.8リッター時代のMOSS社製オリジナルでは1速がノンシンクロである上に、1速で「ヒーン」と唸るギアノイズなどが指摘された4速トランスミッションについては、4.2リッター時代以降に採用された自社製フルシンクロ4速MTを飛び越えて、現代の5速MTを採用。

 前進5速ともにシンクロメッシュが備えられるとともに、ギアは全段ヘリカルカット。強度を高めた鋳造アルミ製ケースにより、信頼性と耐久性が大幅にアップしたという。また、多段化によってギア比もクロスレシオ化され、強化されたシンクロも相まって、シフトチェンジを大幅にスムーズにおこなえるようになったとのことである。

 加えて、ラジエーターグリルの小さなEタイプでは弱点として知られる冷却システムなども強化。使いやすさと信頼性を向上させるための改良も施された。

 さらに、現代の使用環境では不可欠となったインフォテイメント系については、2018年に発売された「ジャガー・クラシック・インフォテインメントシステム」も装備される。これは1960年代製のカーラジオのようなデザインながら、1DINサイズにモダンなナビゲーションシステムと、スマートフォンと連結可能なBluetoothコネクターを組み込んだ、なかなかの優れものなのだ。

■究極の「Eタイプ」セットを手にできるのは、世界でたったの6名のみ

 ジャガー・ランドローバー・クラシック謹製レストアの「Eタイプ60コレクション」は、すべてのクーペが「フラットアウト・グレー」、そしてすべてのOTSが「ドロップ・エブリシング・グリーン」で再塗装されることになるという。

 1961年のオリジナルモデルに使用された「オパールセント・ガンメタル・グレー」および「ブリティッシュ・レーシング・グリーン」は、すでにジャガーでは絶版となっていることから、今回のレストアに際して往年のカラーに可能な限り近づけた塗料を新たに調合したものとのことである。

 そして、完成された各車両のセンターコンソールには、伝説的彫刻師にしてデザイナーとしても知られる「キング・ナード(King Nerd)」ことジョニー・ダウェル氏による、英国コヴェントリーからスイス・ジュネーヴまでの走行ルートを記したプレートが装着されることになっている。

 このプレートは、60年前のオリジナルEタイプのワールドプレミアに向けて、当初ジャガー・カーズ社の広報部長ボブ・ベリーが運んだ1台のみのクーペ「9600 HP」への試乗希望が殺到したために、当時ジャガー社でテストドライバーを務めつつ、ワークスドライバーの一員としてル・マン24時間レースにも出走経験のあるノーマン・デュイスが、急遽2台目のOTS「77 RW」をコヴェントリーからジュネーヴまでひと晩で送り届け、試乗会に間に合わせたという伝説的な故事に由来するものである。

 ジョニー・ダウェル氏は自身の制作したプレートについて、以下のようにコメントした。

「このプレートを創ることは、アイコニックで特別なクルマ、2台のジャガーの伝説に記されたふたつの壮大なドライブの物語をデザインして刻印する、素晴らしい機会となりました。これからレストアされるEタイプとともにいかなる場所を訪ねるとしても、60年前の記念すべき日を恒久的に物語るリマインダーとして、ボブ・ベリーとノーマン・デュイスの素晴らしきストーリーと一緒に旅をすることになるのです」

 このセンターコンソールに加えて、ボンネットバッジ、タコメーター内に設けられた時計の文字盤、フィラーキャップ、シャシプレートはすべて、ジャガー社デザイン部門によって作成された「1961-2021」年を象った記念の「E-type 60」ロゴで仕上げられている。

 また1961年のオリジナルEタイプに取り付けられたものと同じ、バーチ(ブナ)材リムの軽量ステアリングホイールには、24金のデコレーションを加えたホーンボタンが組み合わせられる。

 6×2台のすべてのレストア車両には、このモデルのために新たに専用制作された「E-type 60」ロゴ入りボディカバーやツールセット、ジャッキ収納バッグなども付属されており、偉大な名車の60周年を祝うべきレストア車両であることを静かに主張しているかに映る。

●2022年夏には、伝説をたどる巡礼の旅も予定

 ジャガー・クラシックのディレクターであるダン・ピンク氏は、このプロジェクトを世界に発信したプレスリリースにて、次のように述べている。

「1961年3月のジュネーブモーターショーで発表されてから60年後、ジャガー・クラシックの才能あるチームは、Eタイプの究極の誕生日プレゼントであるEタイプ60コレクションをリリースします。

 ディテールへのこだわりは、このプロジェクトが私たちのデザイナーやエンジニア、職人、パートナーたちにとって、いかに愛情のこもった仕事であったかを示しています。

 精巧なディテールと使いやすさの向上により、これらのEタイプは、2022年夏に6人の顧客とそのゲストにとって一生に一度の体験をもたらすであろうコヴェントリーからジュネーヴへの巡礼から始まり、見識の高いオーナーたちを何十年にも亘って満足させることができるでしょう。」

 クラシック・ジャガーを愛してやまない筆者からすれば、Eタイプは憧れの存在。だから「Eタイプ60コレクション」を手に入れ、来年夏には英国コヴェントリーからスイス・ジュネーヴに至る巡礼の旅に参加することができる幸運な6人の顧客たちとその旅に同行することができるゲストたちへの羨望を隠しきれないのである。

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みんなのコメント

5件
  • ジャガーは近代化なんかせずにクラシカルなスタイルの方が断然魅力があります。
    X300シリーズなんかは信頼性も高まって国産やドイツ車ユーザーをずいぶん取り込めたと思いますが
    最近のジャガーは空気のように存在感がありません。
    この先ブランドを維持できるかどうか不安です。
  • 価格は?
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