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IAA2021 ポルシェ 近未来に向けた市販型の電動レーシングカー「ミッションR」を発表

掲載 更新 4
IAA2021 ポルシェ 近未来に向けた市販型の電動レーシングカー「ミッションR」を発表

ポルシェ本社は2021年9月7日、ミュンヘンで開催されている「IAAモビリティ2021」で最先端の電気駆動テクノロジーと天然繊維強化プラスチックなどの持続可能な素材を採用してこれからのモータースポーツへ取り組みを示すコンセプトカー「ミッションR」を発表ました。

ミッションRは、革新的な、それでいて911のDNAを取り入れたデザインに加えて、非常に低スタンスが特長です。この電動レーシングカーは、新開発の2つの電気モーターを搭載し、予選モードで最高出力800kW(1088ps)を発生し、約80kWhのバッテリー容量と革新的な回生システムにより出力を損失することなく加速する動力性能を備えています。

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オリバー・ブルーメCEOは、「ポルシェは夢を実現する人々のためのブランドです。これはモータースポーツにも当てはまります。私達はサーキットで革新的な強さを体験し、新しい道を追求する勇気を示し、車両のオーナーにスポーツカーならではの性能で喜びを与えます。フォーミュラE世界選手権への参戦に加えて、私達はここでEモビリティの次の大きな一歩を踏み出すことになります。このコンセプトモデルは、フル電動カスタマーモータースポーツに対する当社の展望を示しています。ミッションRには、ポルシェを強くする全てのもの、つまり性能、デザイン、持続可能性が具現化されたモータースポーツ用モデルです」と語っています。

このミッションRは、従来のポルシェ カップカーを想定したワンメイク カスタマーレーシング向けのモデルです。ポルシェのカスタマーモータースポーツは世界的に高い人気を得ており、31年前にポルシェカレラカップ ドイツを始めて以来、4400台以上のカップカーをヴァイザッハで製造販売してきています。

これらの信頼性の高い高性能レーシングカーをベースに、世界中でポルシェカレラカップの名称のもとで合計30のワンメイク カップシリーズが開催されています。

ミッションRは、予選モードで約1100PSを発生し、静止状態から100km/hまで2.5秒未満で加速し、最高速度は300km/hを超えます。サーキットでは、現行のポルシェ911GT3カップと同じラップタイムで周回できます。

新設計の電気モーターとバッテリーセル(革新的なダイレクトオイルクーリングを装備)によってレースモードで500kW(680ps)の出力を発生し、ディレーティング(熱条件によるバッテリーの出力低下)も除去されています。

320kW(435ps)の電気モーターがフロントアクスルに駆動力を供給し、リヤには最高出力480kW(653ps)が供給されます。最新の900Vの高電圧テクノロジーとポルシェターボチャージャーによって、わずか15分で5~80%のSoC(充電状態)にバッテリーを充電することができます。また最大340kWの高出力充電も可能です。

ミッションRは、ノーズセクションとリヤウイングにドラッグ リダクションシステム(DRS)を備えたポルシェアクティブエアロダイナミクス(PAA)も装備しています。これは、ノーズセクションの2つのサイドエアインテーク(各々3つのルーバー付)と、調整可能な2セクション構造のリヤウイングで構成されています。

革新的なバッテリー駆動の電動ドライブコンセプトに加えて、CO2の低減と持続可能性にも重点を置くコンセプトカーのボディは、主に天然繊維強化プラスチック(NFRP)でできており、その基本素材は農業で得られた亜麻繊維で作られています。このエコロジー素材は、フロントスポイラーリップ、ディフューザー、サイドスカートに使用され、その他にインテリアのドアパネル、リヤバルクヘッド、シートなどにも幅広く使用されています。

インテリアデザインは、あらゆるエリアでドライバー中心のデザインとなっています。ステアリングホイール スイッチ間に人間工学的に配置されたディスプレイには、レース中のデータが表示され、ステアリングコラム上のモニターには、サイドミラーカメラとセンタールームミラーカメラからの画像が表示されます。シートの右側にあるタッチディスプレイを使用すると、ドライバーの生体認証データを呼び出すことができます。車内にある他の多数のカメラを使用して、ライブストリームにエキサイティングなシーンを提供することも可能です。

ポルシェは、ミッションRプロジェクトによって、リアルなレースとバーチャルレースをこれまで以上に近づけており、まったく同じ形式のモノコックドライバーズモジュールは、eスポーツシミュレーターとしても機能します。

カーボンファイバー複合材料で造られたコックピット安全構造は、優れたドライバーの保護性能、軽量さ、と独自のデザイン性を兼ね備えます。ポルシェで「exoskeleton:エクソスケルトン」と名付けた新開発のカーボンルーフ構造は、セーフティーケージとルーフパネルを組み合わせています。

ミッションRは全長4326mmで、現行の718ケイマンシリーズよりもわずかに短いにもかかわらず全幅は超ワイドな1990mm、全高は1190mmと大幅に低められています。

ポルシェはここ数年のあいだに、ミッションE(2015年)とミッションEクロスツーリスモ(2018年)のコンセプトモデルを発表し、フル電動スポーツカーシリーズの未来像を示しました。

この2台のコンセプトモデルからスポーツセダンのポルシェタイカン(2019年)とクロスユーティリティーモデル、タイカンクロスツーリスモ(2021年)が誕生し、世界市場で成功を収めています。つまり、ミッションEはすでに達成されており、ポルシェはミッションRによってカスタマーモータースポーツの未来を示しているのです。

ポルシェ 関連情報
ポルシェ・ジャパン 公式サイト

文:Auto Prove Auto Prove 編集部
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みんなのコメント

4件
  • 何だこりゃとしか言いようなく、研究投資先を完全に見間違っている。水素技術、バッテリー技術のないポルシェは唯一の取り柄の丸目デザインを止めた途端に終焉を迎える。先般報道された新燃料プロも、嘘つきワーゲングループが20年以上前からやるやる言ってた話で未だに実用化出来ず、安物バッテリー使ったEVがこけたらドイツでの車作りもこれでお終い。
  • >ミッションRは、予選モードで約1100PSを発生し、静止状態から100km/hまで2.5秒未満で加速し、
    >最高速度は300km/hを超えます。サーキットでは、現行のポルシェ911GT3カップと同じラップタイムで周回できます。

    BEVのレーシングカーが既にこんな性能が出てるところがスゴイ
    これからどれだけ性能UPして行くのか楽しみだね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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