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バブル期に北欧車に乗っていたのは知性あふれるカタカナ職業の業界人でした! サーブ「900」とボルボ「240ワゴン」を振り返ります

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バブル期に北欧車に乗っていたのは知性あふれるカタカナ職業の業界人でした! サーブ「900」とボルボ「240ワゴン」を振り返ります

今見てもカッコいいクラシックな輸入車

昭和の時代のカッコいいクルマ、モテグルマとして、よくバブル期のシーマやセルシオ、外車(当時は輸入車ではなくそう呼んだ)ではBMW3シリーズなどが取り上げられているが、じつは、当時そうしたクルマとは一線を画す、ちょっとハズした感ある、今見てもカッコいいクラシックな輸入車があった。

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サーブ「900」はアンチBMWに好まれていた!?

まずはサーブ900だ。西武自動車販売によって輸入、販売された北欧・サーブの初代900シリーズで、クラシック900とも呼ばれた名車である(ニュー900は2代目を指す)。個性的なスタイルをした2ドアセダンであり、どうやら国内輸入1号車のオーナーは、現在、日本カー・オブ・ザ・イヤーの選考委員も務めるクルマ好きのテリー伊藤さんだったとか。また、作家の五木寛之さんも保有していた。

その影響かどうかかは定かではないが、バブル期にも六本木でイケイケに走っていた外車が”六本木のカローラ”とも呼ばれたBMW3シリーズだったとすれば(当時、筆者も乗っていた)、ずっと渋く、赤坂や乃木坂あたりで遊んでいた人たちに、アンチBMWじゃないけれど、好まれていたのも濃色のサーブ900だった。そのクラシカルなスタイリングは、ちょっぴり知的さも感じさせ、カタカナ系の仕事をしているセンスのいい男たちの見識ある愛車だったというわけだ。バブル時代の国産ハイソカーやドイツ車の陰に隠れた、一時ではあるけれど、ブームになっていたのも本当だ。

空飛ぶレンガの異名を持つボルボ

もう1台、今なおかっこいい昭和の北欧のクルマとして、サーブ900と両巨頭となっていたのが、当時、ほぼワゴンメーカーだったボルボの240シリーズ、それもワゴンである。その生産は1974年から1993年まで続き、ボルボの超寿命車種として、ボルボ歴代の代表車種としても今なお語り継がれている名車だ。1974年からは帝人ボルボが、1986年からはボルボジャパンが輸入、販売していた。ボルボ240を語る上で忘れてはいけないのが、”空飛ぶレンガ”の異名で240ターボが戦っていた欧州ツーリングカーレースでの輝かしい戦歴である。

そんなボルボ240ワゴンは、昭和の日本においては、カタカナ系職業、例えば花形デザイナーとかスタイリスト、カメラマンに愛用されていたことでも有名だ。とくに1985年あたりからは日本国内でワゴンの人気が広く浸透。カタカナ職業ではない一般ユーザーからも、ワゴンならではの荷物の積みやすさ、アウトドアでの便利さなどからファンが続出。筆者は当時、外車・自動車専門誌をはじめ、女性誌、男性誌でも仕事をしていたのだが、ボルボを取り上げる企画が数多くあったと記憶している。スウェーデンはもちろん、スペイン、ハワイ、ロサンゼルス、ラスベガス、バーモントなどでも撮影したり、乗った経験がある。

中古車市場は強気の値付け

話をサーブ900、ボルボ240ワゴンに戻すと、当時、BMWやベンツ、国産デートカーに乗っていると、やっぱり遊び人に見られてしまいがちだった。だが、サーブ900やボルボ240に乗っていると、クルマに詳しく、仕事もデキる男……なんていうイメージがそこはかとなく演出できたのである(実際、知性もあるデキる男たちが乗っていた)。だから、バブルに浮かれた遊び人を嫌う、良家女子、お嬢様系女子にも「彼氏が乗ってほしいクルマ」としてウケたのだ。そこにはもちろん、北欧のクルマ=安全なクルマという当時からあった定評も、後押ししたに違いない。

1993年の生産終了から30年を経た今でも、TVドラマの中に、ボルボ240ワゴンがポツンと登場していたりするが、古くてもセンスの良さを感じさせる小道具として活躍し続けているというわけだ。

今買える現存中古車は、そうしたクラシックカーとしての人気も反映し、走行距離20万kmは当たり前ながら、180万円~250万円という強気の値付けとなっている。とはいえ、アウトドアに乗っていけば、かなり注目され、渋さを演出できるに違いない。ヴィンテージなアウトドア用品との相性も抜群だろう。

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