ハスクバーナモーターサイクルズが2018年から販売している、スヴァルトピレン401。デビュー当初から高い評価を得ている本機種の試乗機会に恵まれたのでレビューをお伝えしたい。
文:竹山ケンタ/写真:南 孝幸、ハスクバーナモーターサイクルズ
鋭い瞬発力をもつエンジン
スヴァルトピレン401は、グループ企業KTMの390 DUKEのエンジン・車体をベースに、ハスクバーナがブロックタイヤを履くスクランブラースタイルへとモディファイしたモデルだ。
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クラシカルな雰囲気を感じる丸型ヘッドライトに、タンクからテールにかけての独特なラインがスヴァルトピレンシリーズの見た目の特徴である。
モデル名には「401」とあるが、排気量は373ccとなっており、日本では中型二輪免許で乗ることが可能なストリートバイクである。
エンジンはベースモデルと同じく、ショートストロークの水冷DOHC・ビッグシングルを搭載する。吹け上がりが軽く、高回転でパンチのあるパワーユニットだ。
ローギアでスロットルをワイドオープンすると、中音域の乾いた排気音とともに、フロントを軽々と浮かしながら猛烈な加速をする。正直、体が置いてかれるほどの加速力で驚いた。
エンジンは気性の荒い性格を垣間見せるが、ライドバイワイヤーシステムで電子制御するスロットルは、開け始めの「ツキ」が敏感すぎないよう、扱いやすくセッティングされている。
パワーバンドはおよそ6000~10000rpm。低回転域でトルクが粘るタイプのエンジンではなく、気楽に街乗りするには6000rpm付近でシフトアップして走るのがちょうどいいだろう。
5速や6速ギアのままで少し低い回転(4000rpm以下)になると、ギクシャク感が出る傾向にある。しかし車体が軽量なこともあり、エンストするほどではなく、フレンドリーに付き合っていけるはずだ。
振動は多気筒モデルに比べると全体的に多く感じるが、角のある不快な振動ではなく、シングルエンジンとしてはそれほど大きな振動はない。
穏やかで優しい乗り味
ライディングポジションはシート高が835mmと数値上はやや高めであるが、足つき性はそれほど悪くはない。サスペンションの沈み込みもあるし、跨がって脚を下ろすラインには突起物がないように配慮されている。
オンロードスポーツモデル系とは少し異なる独特なライポジではあるのだが、オフ車をベースとするモタードとオンロードスポーツの中間くらいの感覚だ。
前後サスペンションはオフロードレース御用達のホワイトパワー製で、フロントはΦ43の倒立フォーク。前後ともにバネレートは柔らかめで、減衰力もしっかり感じられる。142mmのストロークを有効に使えるセッティングだ。
KTM 390 DUKEと同じく、フォークがセットされるキャスター角は25°だ。DUKEは少しクイックなハンドリング特性だが、スヴァルトピレンはホイールのスポーク部分がたわむ事でハンドリングに穏やかさが出て、落ち着きのある乗り味になっている。
スポークホイールの恩恵もあり、バネ下の吸収性は良いのだが、ブレーキングやコーナーで一定以上の荷重が掛かった時にホイールのスポークが捻じれて、腰砕けのようになる。しかし破綻するほどではなく、ハンドルから伝わる手応えで予見性があるから怖さは感じない。
タイヤは前後17インチのピレリ製スコーピオンラリーSTRを装着する。ブロックパターンによくありがちな、「ゴロゴロ」としたロードノイズはほとんどない。コーナリングでは、タイヤの旋回力とグリップ感のバランスが適切で、想像以上にクセが少なく扱いやすい。
ブレーキは前後ともにBYBRE製だ。フロントはラジアルマウントされた対向4POTキャリパーで、カッチリとしたタッチとコントロール性が高いのが魅力。リアブレーキもコントロール性が良く、スクランブラーらしく軽めのダートへ行っても安心して扱えそうだ。
ABSの介入タイミングはやや遅めで、スポーツライドでも十分に楽しめるよう、ブレーキの効きを重視した制御セッティングとなっている。今回は試してはいないが、ベースモデルの390 DUKEと同じように、リアのみABS制御をOFFにする事も可能だ。
バイクとライダー技量の差が大きいと扱いにくさを感じたりもすると思うが、スヴァルトピレン401は限界を感じとりやすく、どんなレベルのライダーでも操る楽しみを味わえるバイクだ。
主なスペック
[ 表が省略されました。オリジナルサイトでご覧ください ]
[ アルバム : 【写真5枚】ハスクバーナモーターサイクルズ「スヴァルトピレン401」 はオリジナルサイトでご覧ください ]
文:竹山ケンタ/写真:南 孝幸、ハスクバーナモーターサイクルズ
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