F1アメリカGP決勝で物議を醸したレッドブルのマックス・フェルスタッペンとマクラーレンのランド・ノリスのバトル。そういったバトルの際、レギュレーションがどのように適用されているのかについては、疑問視しているF1ドライバーもいるようだ。
最終的に1-2フィニッシュを飾ったフェラーリの後ろで、フェルスタッペンとノリスはアメリカGPで激しい3位表彰台争いを展開した。
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残り4周のターン12では2台揃ってコースオフ……ノリスはタイトルを争うフェルスタッペンをコース外で抜いたとして5秒のタイムペナルティを受けたが、一方のフェルスタッペンはライバルをコース外へ押しやったことが理由でペナルティが科されることはなかった。
FIAのレーシングスタンダードガイドラインによると、ディフェンス側のフェルスタッペンは正しい立場にあり、ノリスに対してスペースを残す必要はなかった。
ただマクラーレンは10月24日(木)、この件について再審査請求を提出。ノリスが既にフェルスタッペンの前におり、ノリスがディフェンス側だったと主張した。
スチュワードは現行レギュレーションを正しく適用しているようだったが、何人かの有力ドライバーは、エイペックスで前にいる限り、イン側に飛び込みコーナーを曲がれなくても問題ないというやり方を疑問視している。
「常にグレーゾーンだよ」
そう語るのはメルセデスのルイス・ハミルトンだ。
「もちろん、彼らには調整が必要だろう。そのスチュワードがいるかによって、裁定に矛盾が生じることもある。スポーツとして、全ての面でレベルアップする必要がある」
「僕はマックスと何度も経験してきた。イン側に飛び込み、そのままコースオフしてもポジションをキープすることはできないはずだ」
ハミルトンのチームメイトであるジョージ・ラッセルは、FIAがこの件をどう見ているのか、フェルスタッペンが100%正しいという解釈なのか、それとも現行ガイドラインの意図しない抜け穴を突いたのか……あるいはキック・ザウバーのバルテリ・ボッタスが表現したように“からかっている”のか知りたいと語った。
「あらゆる可能性をカバーするレギュレーションを作ることはできないと思う。それは非常に微妙なラインだ」
グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション(GPDA)で理事も務めるラッセルはそう語った。
「マックスがやったことについてペナルティを受けるべきかどうか、FIAがもう一度全てを見直した結果、そう考えるかどうかとても興味がある。僕の考えでは、彼はペナルティを受けるべきだった」
「抜け穴はない。もし彼らが『我々のレギュレーションに基づくと、彼はペナルティを受けるべきではなかった』と言うのであれば、彼は抜け穴を見つけていることになる」
フェラーリのカルロス・サインツJr.も、ディフェンス側のドライバーがどこまでアグレッシブになれるかについて疑問を持っていると語った。
「あの場合、ふたりに非があるから、ハッキリさせる必要がある。マックスはワイドに走り、ランドはコース外でポジションを上げた。あの特定のシナリオをどう裁定するかは非常に複雑だ」
ラッセルとサインツJr.は、ターン12の外側にグラベルトラップを設置すれば根本的な問題はほぼ解決するとの見解で一致しており、エルマノス・ロドリゲス・サーキットで開催されるメキシコシティGPで同じような問題が発生すると予想しているドライバーはほとんどいない。
「問題の根本的な原因は、ワイドに走ることができるサーキットだということだ」とラッセルは言う。
「昨年のオーストリアを例に取れば、詳しくは知らないけど、300くらいのトラックリミットがあった。彼らはグラベルを敷き、今年は問題は起こらなかった」
「あのコーナーにグラベルを置けば、ランドはコースを逸脱してオーバーテイクができないし、マックスもブレーキングを遅らせてコースを離れることはできない」
サインツJr.は、サーキットに変更を加えることがバトル時のレギュレーションについて延々と議論するよりもずっと簡単だと語った。
「そう考えれば、サーキットの基準や変更によって解決できるかもしれない。いくつかのサーキットで既に実施しているような、わずかなコース変更で解決できるようなガイドラインで、僕らは堂々巡りしているんだ」
なおアメリカGPを開催するサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)では、ランオフエリアの要件が異なるMotoGPも開催しているが、2025年に向けてFIAと変更の可能性を模索しているようだ。
motorsport.comの調べによると、メキシコシティGP初日FP2後に実施された恒例のドライバーミーティングでは、フェルスタッペンのディフェンス戦術についてドライバーたちがそれぞれの立場を主張。その結果、FIAはレーシングガイドラインの文言を修正する予定だという。
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