世代交代前にモデル中期のフェイスリフト
ルノー・クリオ(ルーテシア)のような小型車は、存亡の危機にある。環境規制の強化に伴い、開発コストが増大し採算が合わなくなっているためだ。本来は、サイズの大きいモデルより生産時の環境負荷が小さく、エネルギー効率に優れるのだけれど。
【画像】エスプリアルピーヌ追加 ルノー・ルーテシア E-テック 欧州で競合するハッチバック 全124枚
実際、40年以上に渡って英国市民の支持を集めてきたフォード・フィエスタは、生産が終了してしまった。コンパクトSUVの台頭も、その理由にはあるはずだが。
しかし、レトロフューチャーなスタイリングをまとった、ルノー4とルノー5というバッテリーEVのコンセプトカーは沢山の話題をさらった。まったく新しいクリオも開発途上にあり、スタイリングはほぼ仕上がった状態にあるという。
小さなハッチバックが、途絶えるわけではない。これらに先駆けてルノーは、現行のルーテシアにもモデル中期のフェイスリフトを施した。
現行型は、2023年の欧州の販売ランキングで執筆時は5位に入っている。2019年に発表された5代目は、まだ沢山の支持を集めている。
一方で欧州ではバッテリーEVへの転換期にあって、利益率の低いコンパクトカーに巨額のコストを投じることは難しい。このフェイスリフトが、穏やかな内容のアップデートに留まったとしても、不思議ではないだろう。
大きなスタイリングの変化 装備も充実
メカニズムに関しては、従来とほぼ同じ。手が加えられた部分は、ボディやインテリアのデザインが中心となっている。ショールームでのアピール力を高めるために。
特に、スタイリングの変化は大きい。フロントとリアのバンパー周りを中心に、アグレッシブな処理が施された。LEDヘッドライトはスリムになり、凛々しい表情を作っている。アイラインのようなデイライトも、新鮮な印象を与える。
今回試乗したのは、新しいトップグレードとなるエスプリアルピーヌ。従来のR.S.ラインを置き換えるグレードで、随所にアルピーヌのロゴが散りばめられている。
フレンチ・トリコロールの差し色や、センターロック・ホイール風のセンターキャップが付く17インチ・アルミホイールなども特徴。スタイリッシュにまとまっていると思う。
インテリアには、高品質な素材が贅沢に用いられた。シンプルなデザインのダッシュボードは、驚くほどの高級感を漂わせている。ルノーによると、本皮を用いず内装の60%にリサイクル素材を使用し、持続可能性にも配慮したという。
メーターパネルは、全グレードでモニター式へ変更。ダッシュボード中央には、エスプリアルピーヌで9.3インチ、それ以外では7.0インチのタッチモニターが据えられるなど、装備も充実された。
一方で採算性を高めるため、英国で提供されるトリムグレードは3段階へ絞られた。トップグレードの下に、エボリューションとテクノが設定されている。
ハイブリッドは全般的に素晴らしい洗練度
パワートレインも、同じ理由で選択肢は少なくなっている。英国で選べるのは、1.0L 3気筒ガソリンターボと、1.6L 4気筒ガソリン・ハイブリッドのE-テックという2択のみになった。
ルノーによれば、2024年までにすべてのラインナップをバッテリーEVへスイッチするべく、一層のハイブリッド化も計画していたというが、物価上昇などを理由に見送られた。それでも、E-テックが今後の販売台数の60%以上を占めると予想されている。
ルックスは大幅なイメージチェンジを果たしたルーテシアだが、実際に運転してみた印象は、従来のそれへ非常に近い。僅かな癖があるものの、全般的に素晴らしい洗練度にある。
非常に正確な操縦性で、パワートレインのたくましさも充分。徐行程度の速度域では乗り心地に硬さを感じるものの、それ以外は至って快適。長距離ドライブも、まったく苦ではないはず。
ハイブリッドのE-テックの構成は、自然吸気の1.6L 4気筒ガソリンエンジンに、24psのスターター・ジェネレーター(ISG)と、48psの駆動用モーター、1.2kWhの駆動用バッテリーという内容。独自の4速マルチモードATを介して、前輪を駆動する。
システムは複雑ながら完成度は高く、殆どの条件でスムーズにルーテシアを走らせる。市街地では、短距離ならバッテリーEVのようにほぼ無音で動く。ガソリンエンジンが始動しても、駆動用モーターがアシストを加え、豊かなトルクの波に乗れる。
カタログ値の23.7km/Lへ実際に迫れる
強い負荷が掛かるような場面で、エンジンがレッドライン付近まで回転数を高めると、ややがさつなノイズで上品さを欠くこともある。それでも、基本的に普段使いしている限り、静しずと必要な仕事をこなす。加えて、驚くほどエネルギー効率も良い。
今回の試乗では、カタログ値の燃費、 23.7km/Lへ実際に迫ることもできた。走行時のCO2の排出量は、1km当たり100g以下へ収まることになる。
フェイスリフト後のルーテシアの英国価格はまだ発表されていないものの、2023年8月からショールームには並ぶという。ぜひ、エントリーグレードの1.0Lガソリンターボは、2万ポンド(約350万円)を切って欲しいものだ。
今回試乗したトップグレードのエスプリアルピーヌは、2万5000ポンド(約437万円)が予想されている。
ルノー・クリオ(ルーテシア) E-テック・エスプリアルピーヌ(欧州仕様)のスペック
英国価格:2万5000ポンド(約437万円/予想)
全長:4050mm
全幅:1798mm
全高:1440mm
最高速度:173km/h
0-100km/h加速:9.3秒
燃費:23.7km/L
CO2排出量:95-109g/km
車両重量:1238kg
パワートレイン:直列4気筒1598cc自然吸気+電気モーター+ISG
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:1.2kWh
最高出力:145ps/5600rpm(システム総合)
最大トルク:20.8kg-m(システム総合)
ギアボックス:4速オートマティック
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