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ポルシェ・マカン 2.0へ試乗 4気筒EA888型で264ps エントリーでも不足なし

掲載 更新 4
ポルシェ・マカン 2.0へ試乗 4気筒EA888型で264ps エントリーでも不足なし

4気筒EA888型ユニットで264psを獲得

執筆:Mike Duff(マイク・ダフ)

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翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)


ポルシェ・マカンのなかで、より高い注目を集める方といえば、やはりV6エンジン版かもしれない。だが、最も手の届きやすいところにあるのは、2.0L 4気筒ターボを搭載する方だ。

手が届きやすいといっても、お手頃とまではいえない。英国価格の場合、オプションレスの状態で4万7780ポンド(740万円)から。試乗車にはオプションがふんだんに選ばれ、5万7777ポンド(895万円)まで上昇していた。

マカンは2021年にマイナーチェンジを受けているが、2.0L 4気筒ターボ版もアップデートされている。2022年に姿を表すと予想されている、純EV版のマカンとしばらく併売された後に、引退するという。

エンジンはフォルクスワーゲン由来のEA888型ユニットで、最高出力264psを発揮する。従来から19psほどのパワーアップを果たした。最大トルクも、37.6kg-mから40.7kg-mへと太くなっている。

ポルシェによれば、0-100km/h加速に要する時間は9.4秒。最高速度は231km/hだという。エントリーグレードとして不足はない数字だろう。

マイナーチェンジといっても、見た目の変化はさほど大きくない。ウインカーの位置が変更されたフロントバンパーと、新しいLEDヘッドライトを獲得した程度。テールライトは、ボディ幅一杯に細いラインで点灯するようになった。

マイナーチェンジで車内はリフレッシュ

しかし車内へ入ると、大幅に手が加えられていることがわかる。センターコンソールの左右に並んでいた沢山のハードボタンは、タッチセンサー・タイプに置き換えられている。

シフトレバーの根本は、これまでレザーのブーツで覆われていたが、変更後は構造が顕になっている。シンプルな見た目へ統一するためだろう。マニュアルモード用のゲートもなくなった。

マニュアルモード自体は存在し、スイッチはステアリングホイール上にレイアウトされている。この位置が直感的だとは、いえないかもしれない。

現代の流行といえる、ピアノブラックのプラスティックがダッシュボードで大きな面積を占めているとはいえ、2014年の発売という時間経過は隠しきれていない。メーターパネル右側のモニターは小さく、ダッシュボード中央のタッチモニターの解像度は少々荒い。

スピードメーターとタコメーターはアナログのまま。といってもポルシェの場合なら、この方が良いと感じるドライバーも多そうだ。

走り出してみると、ポルシェ・マカンの動的能力には改めて感心させられる。エアサスペンションやアダプティブダンパーが備わらない、エントリーグレードでも。

エンジンはたくましく、車高の高いホットハッチのようにカーブの連続する道を駆け抜ける。確かに上級グレードと違い、スチールコイルのマカンは少々乗り心地が忙しない。それでも、大きな隆起部分やうねりを見事に吸収してくれる。

マカンとして不満を感じない動的能力

2.0L 4気筒ターボは爽快なダッシュ力を披露してくれるが、想像以上、と感じるほどではないだろう。またこのマカンでは、エンジンノイズも小さめ。エグゾーストノートも、回転数を高めなければ静かなままだ。

ツインターボV6エンジンを搭載するマカンほどの個性は感じられないし、低回転域での頼もしさもそれなりではある。だとしても、エンジンは6750rpmに設定されたレッドラインまで意欲的に吹け上がり、不満のない速度を与えてくれる。

トランスミッションは、7速デュアルクラッチAT。変速時の精度や素早さは、上級のマカンと変わらない。

ステアリングの感触も、適度な重みと正確な反応でマカンGTSに通じる。試乗車には、オプションで速度感応式となるパワーステアリング・プラスが追加されていた。その影響もあるだろう。

タイヤはミシュラン・ラティチュード・スポーツ3。グリップ力は高く、4気筒ターボのパワーは、ドライな路面でタイヤを打ち負かすほどではない。コーナーで攻め込んでいくとアンダーステアへ転じ、徐々にグリップが抜けていくような感覚だった。

四輪駆動システムがリアタイヤへトルクを伝達していると実感するのは、摩擦の低い場所や濡れたアスファルトなどに限られる。とはいえ、SとGTSを上位に据えるマカンのエントリーグレードとして、不満は感じられないと思う。

強気な値段を納得させるドライビング体験

264psの最高出力や、バックカメラでさえオプションという標準装備の設定を考えれば、強気な値段のエントリーグレードであることは確か。だが、マカンのソリッドなドライビング体験は、それなりの価格を納得させるには充分ともいえる。

登場から7年が経つポルシェ・マカンだが、ドライビング体験は素晴らしい。動的能力という点で、ライバルを凌駕しているということにも変わりはない。

ポルシェ・マカン2.0(英国仕様)のスペック

価格:5万7777ポンド(895万円)
全長:4726mm
全幅:1922mm
全高:1621mm
最高速度:231km/h
0-100km/h加速:6.4秒
燃費:9.3-9.9km/L
CO2排出量:243-228g/km
車両重量:1845kg
パワートレイン:直列4気筒1984ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:264ps/5050rpm
最大トルク:40.7kg-m/1800rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

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みんなのコメント

4件
  • 本文の0-100Kmが、9.4秒になってます。3秒の間違いは頂けないですよ。
  • 3日間高速道路メインで乗ったが、確かにパワー不足感なかったな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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