現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 2ドアには適さない? オーストラリア・スーパーカーが共通シャシー見直しを議論

ここから本文です

2ドアには適さない? オーストラリア・スーパーカーが共通シャシー見直しを議論

掲載 更新
2ドアには適さない? オーストラリア・スーパーカーが共通シャシー見直しを議論

 VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーのCEOを務めるショーン・シーマーとシリーズの技術部門は、現在採用している“Gen2”と呼ばれる共通規定コントロールシャシー『カー・オブ・ザ・フューチャー(COTF)』に関して「技術的変更が可能かどうか、CAD(コンピュータ支援設計技術)上での検討を開始した」ことを認め、4ドアに最適化されたシリーズ共通シャシーを2ドア用に微調整する可能性を示した。

 FIAインスティテュートの開発したサイドインパクト構造などを採用した鋼管ロールケージ製COTFシャシーは、2013年の規定導入時にはホールデン・コモドア、フォード・ファルコン、ニッサン・アルティマ、メルセデス・ベンツEクラス、そしてボルボS60など4ドアサルーンに最適化されたデザインで登場した。

2019年のオーストラリアSC戦うフォード・マスタングがデビュー戦連勝で白星発進

 しかし2017年からはGen2と呼ばれる新規定が発効され、2ドアクーペや5ドアの解禁、さらにはエンジン規定にも見直しが行われ、シリーズの魂とも言われる5リッターのV8自然吸気OHVのみならず、V6や直列4気筒、そして直噴ターボの採用も認められることとなった。

 これにより長年シリーズに冠されてきた"V8"の文字は消滅し、オーストラリアV8スーパーカーから、現在のヴァージン・オーストラリア・スーパーカーへと名称も変更されている。

 そのシリーズでしのぎを削ってきたホールデンとフォードは、そろってこの2シーズンの間にGen2規定対応の新型マシンを投入。2018年には5ドアハッチバックボディを持つホールデン・コモドアZBが登場し、現在は計画が延期されているものの北米のGMパフォーマンスセンターではキャデラック・ベースのV6直噴ツインターボの開発も予定している。

 そして2019年には満を持して、フォードがブランドの象徴とするスポーツカー、マスタングをシリーズに投入し、開幕戦のアデレード500ではデビュー2連勝という華々しい活躍を演じてみせた。

 このフォード・マスタング・スーパーカーの登場により、当然GMホールデン陣営も宿命のライバルであるシボレー・カマロへのスイッチを計画しているものの、そのプロジェクトを推進するホールデンの高性能市販車部門『ホールデン・スペシャル・ビークルズ(HSV)』を運営するウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッドは「現行規定の共通シャシーにカマロのボディシェイプを合わせる作業は、一旦見合わせたい」との新たな見解を示している。
 その最大の要因が4ドアサルーン想定で設定されたメインロールフープの最大高であり、このシャシーに寸法を合わせ込んだフォード・マスタング・スーパーカーは、ロードゴーイングモデルよりも明らかに高いルーフラインを持つに至った。

 これに対し、VASCのシーマーCEOは“Next-Gen”とされる規則改定の可能性に「自動車市場との永続的な関係性を維持するために、また異なるマシン、マニュファクチャラーの参戦機会を担保するためにも、規則を早期に見直す可能性はある」と語った。

「我々、VASCの技術部門は現在20を超えるCADデータを有していて、それらのファイルすべてを現行規定シャシーに落とし込み、最大公約数的にあらゆるモデルに対応するにはどのような変更を加えるべきか、検討を進めているところだ」とシーマーCEO。

「そこで得られた知見やデータを、トリプルエイトやHSV、DJRやティックフォードなどのOEMマニュファクチャラーにフィードバックし、彼らの意見に耳を傾け情報共有する必要がある。ただし“ロールフープの高さを変更する必要があるか”だけを議論するのは時期尚早だと思っている」

 開幕戦アデレードの現地で応えたシーマーCEOの発言に対し、今季フォード・マスタングのシリーズ投入に尽力したフォードのグローバル・レーシング・ディレクターであるマーク・ラッシュブルックと、DJRチーム・ペンスキー代表のライアン・ストーリーも「新型モデル投入直後ではあるものの、彼の意向を全面的に支持する」と語った。

「当然、このマスタングの開発に際して現行規定を慎重に読み込んで対処したよ。マシンサーフェスに変更を加えるとどれほどの影響が出るかも良く理解しているし、その効果は決して小さくない。とくにルーフ高のような空力性能に直接関係するパネルはね」と説明したラッシュブルック。

「しかし今季に向けた我々の労力を考慮してもなお、ショーン(シーマー)のやろうとしていることは正しいアプローチだと思う。シリーズの将来にとって何がベストか、異なるメーカー間で共通理解を持っておくことは必要だと感じている」

 一方のストーリー代表も「この経過はCOTF導入時にすごく似ていると思う」と、ラッシュブルックの言葉に付け加えた。

「技術規定の変更に伴う開発作業は多岐にわたり、その作業量は大きな負担になる。かつての我々は、あらゆる分野を詳細に議論し、全チームが承認した上でシリーズの方向性を決定してきた。正しいやり方でそれ(シャシー規定の変更)をすることに、私たちは寛容だと思う」

こんな記事も読まれています

新型3列シート電動SUV『アイオニック9』正式発表、充電中は4人が広々休憩も…ロサンゼルスモーターショー2024
新型3列シート電動SUV『アイオニック9』正式発表、充電中は4人が広々休憩も…ロサンゼルスモーターショー2024
レスポンス
全国に「警察軽トラ」配備へ なぜ? 警察庁初の取り組み、理由は? ダイハツ製61台を24年度中に導入! 各都道府県警察で運用
全国に「警察軽トラ」配備へ なぜ? 警察庁初の取り組み、理由は? ダイハツ製61台を24年度中に導入! 各都道府県警察で運用
くるまのニュース
転倒時にバイクを守る! エンジンガードは装着した方がいいのか?
転倒時にバイクを守る! エンジンガードは装着した方がいいのか?
バイクのニュース
『ランクル40 / 70』にもピッタリ! トーヨータイヤ『OPEN COUNTRY A/T III』がラインアップ拡充
『ランクル40 / 70』にもピッタリ! トーヨータイヤ『OPEN COUNTRY A/T III』がラインアップ拡充
レスポンス
寒いとバカっ速! ラスベガスで完勝ワンツーのメルセデス、懸念のグレイニングも一切出ず「不思議だね」とウルフ代表
寒いとバカっ速! ラスベガスで完勝ワンツーのメルセデス、懸念のグレイニングも一切出ず「不思議だね」とウルフ代表
motorsport.com 日本版
約99万円! トヨタ新型「“軽”セダン」発表! 全長3.4m級ボディで4人乗れる! 安全性向上&寒さ対策UPの「ピクシス エポック」どんな人が買う?
約99万円! トヨタ新型「“軽”セダン」発表! 全長3.4m級ボディで4人乗れる! 安全性向上&寒さ対策UPの「ピクシス エポック」どんな人が買う?
くるまのニュース
夢だけで終わらせたくない「マイ・バイクガレージ」 たぐちかつみ・マイガレージ回顧録 VOL.01
夢だけで終わらせたくない「マイ・バイクガレージ」 たぐちかつみ・マイガレージ回顧録 VOL.01
バイクのニュース
「(次期)セリカ、作ります!」ラリージャパン会場でトヨタ中嶋副社長が明言!! 開発開始を宣言、次期86も「出す」
「(次期)セリカ、作ります!」ラリージャパン会場でトヨタ中嶋副社長が明言!! 開発開始を宣言、次期86も「出す」
ベストカーWeb
スズキ・フロンクスが月販目標の9倍も受注! 絶好調な理由は小さくて安いのに感じられる「高級感」!!
スズキ・フロンクスが月販目標の9倍も受注! 絶好調な理由は小さくて安いのに感じられる「高級感」!!
WEB CARTOP
車載電池のノースボルト、米国で破産法を申請 事業継続にめど
車載電池のノースボルト、米国で破産法を申請 事業継続にめど
日刊自動車新聞
【初試乗!】さらにスポーティになった「メルセデスAMG GT 63 PRO」はポルシェとのGT対決に終止符を打てるか!?
【初試乗!】さらにスポーティになった「メルセデスAMG GT 63 PRO」はポルシェとのGT対決に終止符を打てるか!?
AutoBild Japan
レクサス新型「FF最大・最上級セダン」世界初公開に大反響! めちゃ“斬新グリル”&一文字ライト採用! “6年ぶり”に内外装刷新の「ES」中国に登場!
レクサス新型「FF最大・最上級セダン」世界初公開に大反響! めちゃ“斬新グリル”&一文字ライト採用! “6年ぶり”に内外装刷新の「ES」中国に登場!
くるまのニュース
20年前の個体なのに走行距離301キロ!? 555台の限定車 BMWアルピナ「ロードスターV8」がオークションに登場 極上車の気になる予想価格とは
20年前の個体なのに走行距離301キロ!? 555台の限定車 BMWアルピナ「ロードスターV8」がオークションに登場 極上車の気になる予想価格とは
VAGUE
完璧なシーズンでも届かない、王者の背中。ノリス「たとえミスがなかったとしてもタイトルを手にできたかどうか……」
完璧なシーズンでも届かない、王者の背中。ノリス「たとえミスがなかったとしてもタイトルを手にできたかどうか……」
motorsport.com 日本版
苦手な「前向き駐車」なぜコンビニで推奨されるのか? 「もちろんやってる」「出る時が怖い…」賛否あり!? バック駐車じゃない理由への反響は?
苦手な「前向き駐車」なぜコンビニで推奨されるのか? 「もちろんやってる」「出る時が怖い…」賛否あり!? バック駐車じゃない理由への反響は?
くるまのニュース
今でも現役! いろんなバイクに採用されています。「SOHC」とは?【バイク用語辞典】
今でも現役! いろんなバイクに採用されています。「SOHC」とは?【バイク用語辞典】
バイクのニュース
ダイハツ『タフト』安全性能向上で仕様変更、138万6000円から
ダイハツ『タフト』安全性能向上で仕様変更、138万6000円から
レスポンス
BMW 2シリーズクーペ【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
BMW 2シリーズクーペ【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

465.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

44.81439.6万円

中古車を検索
マスタング クーペの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

465.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

44.81439.6万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村