F80はフェラーリの超スペシャルモデル
フェラーリが究極的な性能をもったスポーツカー「F80」を、10月17日に発表した。882kW(1200PS)の最高出力をもつV6ハイブリッド搭載で、静止から時速100kmまでを2.15秒で加速する。
フェラーリによると、F80はこれまでの「スーパーカー」に属する超スペシャルモデル。過去には「GTO」(1984年)、「F40」(87年)、「F50」(95年)、「エンツォフェラーリ」(2002年)、「ラ・フェラーリ」(13年)、「同アペルタ」(16年)がごく限定で販売されている。
「フェラーリのロードカー史上最もパワフル」とフェラーリではするF80。電動ターボチャージャーをそなえた2992ccV型6気筒をミドシップして後輪を駆動し、フロント左右輪は1基ずつモーターで駆動する。
モーターとバッテリーアセンブリーは、フェラーリが自社内で行った。重要な点は高効率化と軽量化といい、23年に「初の公道走行可能なXXモデル」のふれこみで発表された「SF90XX」と比して、いずれも大きく軽量化に成功したとされる。
ドライブモードは3つ。「ハイブリッド」「パフォーマンス」それに「クオリファイ」で、SF90ストラダーレや296GTBのようなバッテリーのみで走行する「eDrive」モードは、「F80の使命にそぐわない」(プレス資料)と採用されていない。
注目したいのは、上記「パフォーマンス」と「クオリファイ」2つのモードで使える「ブーストオプティマイゼーション」機能。サーキットコースを車両が記憶して、もっとも必要な区間にさしかかったとき、そこだけパワーをどんと出すパワーブーストが働くのだ。
「パフォーマンス」と「クオリファイ」での違いは、パワーを最大限出すか、あるていど抑えてパワーを出す時間を長くするかにあるという。
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驚きのビジュアルを放つF80
ボディの空力も、最新のスーパースポーツにふさわしく徹底的に追求されている。フロント部分はこれまでのフェラーリ車同様、Sダクトをはじめ、フロントとリアのフラップとウイングを速度や走行状況に合わせてアクティブに(協調して)動く機構をそなえ、効果的なダウンフォースを追求しているのだ。
前後左右、それに車体上下の空気の流れのコントロールには、F1やルマン24時間レースなどWEC(耐久選手権)などで培った技術を最大限活かしているとする。
クルマでもっとも大事なもののひとつが空力なのは、読者のかたもご存知のとおり。車体の浮き上がりを防ぎ、前後タイヤの駆動力を最大限使うためのダウンフォースが重要なのは、先述のとおりである。
加えて、ブレーキとエンジンを冷却したあと、きれいに空気を排出する流れを作るのも必要だし、リア部分で空気が乱流を起こし、それが車体を引っ張って速度を落とさないようきれいに剥離させるのも、同時に重要だ。
F80では、静止から時速100kmまでをわずか2.15秒、時速200kmまでも5.75秒しかかからない加速性能と、強力なコーナリング性能を発揮するため、徹底的に車体の空力が煮詰められている。
同時に、デザインチームでは、「きわめて未来的なインパクトのあるビジュアル」(プレス資料)の実現のため心を砕いたという。
エレガントとか官能的というより、真っ先に究極の機能性が思い浮かぶのが、F80のボディデザインだ。ほぼすべてが(おそらく)空力を主眼においてデザインされているだろう。
ドアも、複雑なリンクをもったシザードアで、ウイング(フロントフェンダー)の一部まで一緒に持ち上がるのが、驚きのビジュアルになっている。これが、乗降性とボディの空力設計を両立する最善の方法だったのだろう。同時に、強烈なスペシャル感がある。
F80のインテリアコンセプト
もうひとつ、すごいと感心させられるのが、インテリアのデザインだ。フェラーリが「1プラス」と名付けたコンセプトで、一見、ひとり乗りだ。プレス用のビジュアルを見ると、赤いレーシングタイプのようなシートと、ドライバーを取り囲むように操作類が配置されているのがわかる。
フェラーリによると、シングルシーターのレーシングカーがインスピレーションの源、だという。クローズコクピットのF1マシンなるイメージを、社内デザイン部は追求したそうで、パセンジャーシートもちゃんとあるが、あえて目立たないようデザインされているのが、大変ユニークだ。
デリバリーされる数は限定799台。価格は360万ユーロ(1ユーロ=160円換算で、約5億8500円)だ。
フェラーリ歴代のスペチアーレモデル
SPECIFICATIONS
フェラーリ F80|Ferrari F80
ボディサイズ:全長4840×全幅2060×全高1138mm
ホイールベース:2665mm
車両重量:1525kg(乾燥)
駆動方式:4WD
エンジン:V型6気筒ターボ
総排気量:2992cc
エンジン最高出力:900PS/8750rpm
エンジン最大トルク:850Nm/5550rpm
トランスミッション:8段AT(DCT)
モーター数:フロント2基、リア1基
フロントモーター最高出力:142PS(105kW)
フロントモーター最大トルク:121Nm
リアモーター最高出力:81PS(61kW)※ICEアシスト時
リアモーター最大トルク:45Nm
システム最高出力:1200PS(882W)
タイヤ:(前)285/30 R20/(後)345/30 R21
最高速度:350km/h
0-100km/h加速:2.15秒
0-200km/h加速:5.75秒
価格:360万ユーロ(約5億8500円)※1ユーロ=160円換算
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みんなのコメント
スーパーカーと言えそれがいまや1200馬力。
売り切れてるなら宣伝しまくる必要もないわけだし。
在庫車でも残ってるのかな?
車両価格よりもなんかそこが一番不思議でした。