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新世代スーパーカーの世界へ誘う マクラーレン・アルトゥーラへ試乗 身軽で純粋なPHEV 後編

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新世代スーパーカーの世界へ誘う マクラーレン・アルトゥーラへ試乗 身軽で純粋なPHEV 後編

トルクで満たされたアクセルレスポンス

すっかり技術的な確認が長くなったが、そろそろ試乗の印象へ移ろう。マクラーレン・アルトゥーラは、コンフォート・モードを選べば極めて洗練された走りを堪能できる。最長31km走れるエレクトリック・モードなら、一層の静けさに浸ってもいられる。

【画像】スーパーカーもHVの時代 マクラーレン・アルトゥーラと先代のP1 296 GTBにNSXも 全124枚

内燃エンジンが止まっている状態では、動力性能は限定的になるため、走りは穏やかといっていい。それでも、早朝の出発や風光明媚な観光地を緩く流したい時など、有効なことは間違いない。大都市のゼロ・エミッション・ゾーンでも役に立つ。

パワートレインをスポーツ・モードに切り替えると、即座にアルトゥーラの放つサウンドが大きくなる。V6エンジンに火が入り、駆動用バッテリーの充電量を常に中程度に保つようになる。

7.4kWhの駆動用バッテリーは、駆動用モーターを介してエンジンの余力で充電される。一方で回生ブレーキは備わらず、運動エネルギーが電気エネルギーへは変換されない。そのかわり、ブレーキペダルの感触が曖昧になることを避けている。

駆動用モーターと3.0L V6ツインターボ・エンジンは一体となって動作し、従来のマクラーレンに遜色ない、トルクで満たされたアクセルレスポンスを叶えている。自然吸気エンジンのように漸進的で、それよりも鋭い印象だった。

加速力が目覚ましいのはいうまでもない。

システム総合で680psあるパワートレインが、約1.5tの車体を動かすのだから。さらにエンジンは、必要なら8000rpmを超えて吹け上がる。

正確で感触豊かな操舵感 安定の姿勢制御

聴覚的にもドライバーを満たしてくれる。従来のマクラーレンのV8エンジンは少し淡白な印象が拭えなかったが、微粒子フィルター付きのターボエンジンとしては、期待にそぐわない美声を響かせる。

一般道での乗り心地は、570Sより若干硬さを感じるものの、流暢に処理する印象は維持された。コンフォート・モードを選んでいれば、殆どの舗装状態を巧みにいなしてくれる。ソワソワ落ち着かなくなるような場面は、滅多にない。

動的能力の美点として特に強調したいのが、正確で感触の豊かなステアリングと、超フラットで安定した姿勢制御の2つ。

さらに、比較的タイトな車体サイズとグリップ力が相乗し、狭いワインディングでもスピードを維持しやすいことも加えたい。

アルトゥーラのスポーツ・モードでのドライビング体験は、完成され洗練されたスーパーカーの定石通り。PHEV化によって、何か新しい印象が加わったり、革命的な変化はもたらされていない。

重さを感じたり、不一致感があったり、運転の手間が増えたり、ということは微塵もない。むしろ、ハイブリッドだと忘れる時間もあったほど。足取りが軽く、反応は機敏で極めてダイレクト。直感的にラインを縫うことができる。

極めて素晴らしい体験をもたらす期待

一般道での走行を経てサーキットへ場所を移した。メカニカル・アクティブデフは、テクニカルセクションで迫ることができる限界領域でのリカバリー力を高めている。

だが、テールハッピーのドリフトマシンではなく、シンプルに速く、ドライバーが一体感を抱きながら運転できることを主軸に仕立てられている。

筆者が試乗したアルトゥーラは、量産化を控えた最終版のプロトタイプだった。マクラーレンらしいスーパーカーだといえそうな出来だが、一般のユーザーへ届けられるクルマとは細部が違っている。

パワートレインやソフトウエアの作り込みをすべて終え、システムを完全に調和させるという、最後の仕事が技術者達には残っているのだ。

AUTOCARとしては、マクラーレン・アルトゥーラの具体的な評価は、完全な量産仕様を英国の一般道で味わってからとしよう。

筆者の印象としては、すべてが整えば、極めて素晴らしい体験をもたらしてくれるのではないかと強く期待している。

マクラーレン・アルトゥーラ(欧州仕様)のスペック

英国価格:21万5900ポンド(約3562万円/試乗車)
全長:4539mm
全幅:1913mm
全高:1193mm
最高速度:330km/h
0-100km/h加速:3.0秒
CO2排出量:104g/km
車両重量:1498kg
パワートレイン:V型6気筒2993ccツイン・ターボ+アキシャル・フラックス・モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:7.4kWh(実容量)
最高出力:680ps/7500rpm(システム総合)
最大トルク:−
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック

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  • コルベットc8の方がカッコ良く見える自分は、頭がおかしいのだろうか??
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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