アルピーヌ・ジャポンは2019年11月21日、パワーアップした「アルピーヌA110S」を発表した。
スーパースポーツ・モデルを追加
アルピーヌA110は、1100kgというオール・アルミ製のボディとシャシーを採用し、徹底した軽量化を行ない、またミッドシップ・レイアウトのコンパクトなボディ、そして正確、ダイレクトなハンドリングを備えたスポーツカーだ。
そのアルピーヌA110のスタイリングをよりダイナミックにし、パワートレーンとシャシーをさらにアップグレードすることでスポーツ性能を大きく高めた「アルピーヌA110S」を発表した。このニューモデルは東京モーターショーで初公開されたが、いよいよ正式に発売が開始される。
1955年に設立されたスポーツカー・メーカーのアルピーヌは2016年に復活し、「アルピーヌA110」を送り出し、現在は「A110ピュア」、「A110リネージ」という2種類のモデルをラインアップしている。
A110Sのエクステリアにはカーボンルーフ、オレンジ色のブレーキキャリパー、ブラックエンブレム、インテリアにはオレンジ・ステッチ、カーボンファイバーやマイクロファイバー(ディナミカ)が採用され、内外装ともよりダイナミックなスタイリングとなっている。
走行性能もハイパワー化されたエンジンと専用チューニングされたシャシーの組み合わせにより、スポーツ性能が一段と際立つダイナミックで、ピュアな走りを実現している。
デザインと装備
A110Sは、A110と区別できる専用デザインが採用されている。A110のリヤピラーに装着されるトリコロール・エンブレムは、A110Sではカーボンファイバー(黒)とオレンジに、フロントとリヤの「ALPINE」のエンブレムはブラックに変更されている。またブレーキ キャリパーはオレンジ色に塗装されている。
さらに加えてA110S専用となるマット仕上げのボディカラー「グリ・トネール・マット」も、このモデルのスポーツ性を強調。ルーフはスポーツ性を際立たせる光沢仕上げのカーボンルーフが採用されている。
インテリアのステッチ・カラーは、A110のブルーに対して、A110Sではオレンジが採用されている。洗練された黒いディナミカ素材が使用されたルーフライニング、サンバイザー、ドア内装は、この新しいモデルの特長となっている。
ディナミカを使用したモノコック式バケットシートは、重量がわずか13.1kgのサベルト製だ。レザーとディナミカの素材を使用したステアリングホイール上端にはオレンジのマーカーがあり、ステアリングホイール全体にはオレンジのステッチが施されている。
ペダルとフットレストは軽量なアルミニウム製。室内の装飾にはカーボンファイバーが効果的に配され、ボディに取り付けられたものと同じオレンジ色を配したエンブレムも装着されている。また、フォーカル製の高品位オーディオシステムも、標準で装備される。
究極のハンドリングを追求するスポーツ・シャシー
A110Sのシャシーは至高のドライビング・プレジャーを実現するため、サスペンションのセッテイング、安定性制御の最適化、そしてサスペンション・ジオメトリーからタイヤの構造、コンパウンドにいたるまで専用に、精緻にチューニングされている。
A110Sのサスペンションのスプリングは、レートがフロントで30N/mmから47N/mmに、リヤが60N/mmから90N/mmに高められ、ダンパーもそれに応じてチューニングされている。加えて、スタビライザーの剛性もフロントが17N/mmから25N/mmに、重量を最小限に抑えるため中空構造を持つリヤのスタビライザーも10N/mmから15N/mmに強化された。
最低地上高は4mm低められ(欧州参考値。日本での届出値はA110と同じ1250mm)、クルマの重心が最適化されたことで、A110Sは優れた高速安定性と素早いステアリングレスポンスを実現している。
ダンパーは、これまでのA110同様にバンプストップラバーを廃したハイドロリック・コンプレッション・ストップを採用し、究極のボディ・コントロールを実現するために専用にチューニングされている。このモデルの性格に合わせ煮詰められたシャシーのセットアップにより、高いレベルの正確なハンドリングと運動性能が達成されている。
新デザインのホイールとタイヤ(フロント:215/40R18、リヤ:245/40R18)、専用構造・専用コンパウンドのミシュラン・パイロットスポーツ4により、A110Sは優れたメカニカルグリップを生み出し、スペック上もドライバーの感覚においても、他に類を見ないダイナミックな性能を実現。それに合わせて、横滑り防止装置(ESC)は、特にトラックモードでは最高の正確性と安定性が得られるようにプログラムされている。またESCは完全にオフすることもできる。ブレーキは、強力なブレンボ製ブレーキキャリパーと、直径320mmのバイマテリアル・ディスクが装備されている。
1.8Lターボは40psアップ
A110に比べエンジンの最高出力が40psアップしたA110Sは、A110シリーズ中最も速くパワフルなモデルとなる。エンジン自体は従来と同じM5P型の1.8L・4気筒直噴ターボだが、パフォーマンス向上のために、ターボの過給圧は0.4bar高められている。
292psの最高出力は6420rpmで発生し、A110よりも420rpmだけ高くなっている。最大トルクは320Nmで、2000rpm~6420rpmで発生し、A110よりも1420rpmトルクバンドが広くなっている。その結果、A110Sのエンジンはよりパワフルであるだけでなく、回転が高まるにつれて高まるパワー感はドライバーの気持ちを高揚させる。
トランスミッションは7速DCT。電子制御ブレーキLSDを採用することで最小限のホイールスピンでコーナーから気持ちよく加速することができる。
最高出力292psを達成したことでA110SのパワーウェイトレシオはA110の4.3kg/psに対し、3.8kg/psへと向上した。0-100km/hの加速タイムは4.4秒へと加速性能も向上している。0-400m加速は12.6秒、最高速は260km/h。
この新型「アルピーヌA110S」は、2020年2月9日23:59まで、アルピーヌ・ジャポン オフィシャルウェブサイトで先行予約を受付中だ。デリバリーは2020年2月以降に順次行なわれる予定となっている。
アルピーヌ A110S 諸元表
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