ルイス・ハミルトンが2024年限りでメルセデスを離れ、2025年からのフェラーリ入りすることになったため、現在フェラーリからF1に参戦するカルロス・サインツJr.は来季以降の所属チームを探すことを強いられている。
そんな中でレッドルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、サインツJr.に対してアウディが「非常に有利なオファー」を提示していると明かした。
■ホンダF1、“ラブコール”送るフェルスタッペンとの将来的な共闘は「当然ウェルカム」
サインツJr.と彼のマネジメント陣は、来季に向けて可能性のある全てのF1チームと話し合いを続けている。
その選択肢の中には現在のF1を支配するレッドブルも含まれている。同チームにはセルジオ・ペレスがパフォーマンス不足で解雇される可能性、あるいはレッドブル首脳陣の権力闘争やクリスチャン・ホーナー代表のスキャンダルを受けてマックス・フェルスタッペンがチームを離れるという可能性が指摘されているのだ。
レッドブルのドライバー選択において大きな権限を持つマルコは、日本GPの際にサインツJr.陣営を公に勧誘した。ただ、この時にも来季のドライバー市場で「アウディが圧力をかけている」とマルコは語っていた。
アウディはザウバーを買収し次世代レギュレーションが導入される2026年から自社開発・製造のパワーユニットでF1に参戦するにあたり、長い間サインツJr.の獲得を狙っていると言われてきた。
実際、サインツJr.の父カルロス・サインツSr.は2022年からアウディの電動マシンRS Q e-tronでダカールラリーに参戦し、2024年大会では総合優勝を飾るなど、サインツ家とアウディの間には強い繋がりがある。
そして中国GPを前に、マルコはサインツJr.獲得競争における新たなヒミツを明かした。
オーストリア紙Kleine Zeitungのインタビューでマルコは、サインツJr.について次のように語った。
「我々は彼と話をしている。彼はF1で最も好調なシーズンを送っている」
「しかし彼はアウディから非常に有利なオファーを受けている。我々はそれに対抗したり打ち負かしたりすることができない」
「でもトロロッソ時代から彼のことは知っているし、当時もマックス(2015年と2016年初め)と一緒にドライブしていた」
「しかし我々がレッドブルでフェルスタッペンを支援した一方、彼をサポートしなかったことが当時の彼を苦しめた」
フェルスタッペンが2016年シーズンはじめにレッドブル・レーシングへ昇格した一方、サインツJr.は2017年シーズン後半にトロロッソ(現RB)を離れてルノーへ移籍。めぐりめぐって現在はフェラーリドライバーとなった。
またマルコは同じインタビューの中で、2024年初頭にヒートアップしたレッドブルの覇権争いで様々な紆余曲折があった際、フェルスタッペンが公然と自身を支持してくれたことは「本当に大きな忠誠心の表れ」だと語り、「特に今の時代では、当然のことだとは思っていない」と明かした。
そしてマルコは、姉妹チームRBのドライバーラインナップに関する最近の噂についても言及した。
2024年からF1フル参戦復帰を果たしたダニエル・リカルドは、チームメイトの角田裕毅にパフォーマンスで劣り、リザーブドライバーのリアム・ローソンと交代させられるのではないかというニュースがローソンの地元ニュージーランドで報じられ、ここ数週間ではイタリアのメディアからもそうした情報が出てきている。
「リアム・ローソンをリザーブドライバーとして起用しており、チームには明らかに強力なドライバーがいる。そして彼は契約上、2025年に我々のコックピットを得ることができなかった場合、他チームでドライブする権利がある」とマルコは語った。
「この点から、今年のF1で彼を見ることができれば、我々にとってはもちろんエキサイティングなことだし、より広い視野で状況を見ることができる」
「しかしこれは複雑な問題で、事態がどう進展するのかを見守る必要がある」
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