アウディは3月20日、クラス1規定が導入される2019年のDTMドイツ・ツーリングカー選手権で、アウディRS5 DTMに搭載する新型ターボエンジンを公開した。
ドイツの人気ツーリングカーシリーズは2019年シーズン、スーパーGT GT500クラスとの共通規格であるクラス1規定を正式に採用。4.0リッターV8自然吸気エンジンでの戦いから、2.0リッター直列4気筒ターボエンジンを用いる新たな時代に突入する。
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新シーズンに向けては、すでにアウディとBMW、そしてRモータースポーツの下で新規参戦するアストンマーティンも新型エンジンを搭載したクラス1レーシングカーのシェイクダウンを終え、5月4日に行われる開幕戦に向けた詰めの作業が行われている最中だ。
そんななか、RS5 DTMで2年ぶりのチャンピオン奪還を目指すアウディは20日、2019年シーズンに投入する新型エンジンを初公開した。
約2年半にわたる開発と、1000時間に及ぶダイナモテストを経て誕生した新型ターボエンジンの開発は、小型化と高効率化がそのメインとなり、後者では燃料流量リストリクターを用いる今季に向けて、シリンダー内の圧縮率を高め限られた量のガソリンから極力多くのエネルギーを取り出す研究がなされたという。
約2000点におよぶパーツをゼロから設計し直したという新型エンジンの最大出力は610馬力以上。これは1時間あたり95kgに設定された燃料流量リストリクター使用時の数値だ。オーバーテイクを支援する“プッシュ・トゥ・パス”使用時には、これに燃料リストリクターのバイパスを介してプラス5kgのガソリンを得ることで、約30馬力のパワーブーストが加わる。
小型・軽量化開発では、最大3.5バールで作動するターボチャージャーを含めた総重量が85kgと、従来のV8 NAエンジンの約半分ほどになった。これに伴い2019年型アウディRS5 DTMの乾燥重量は1000kg以下に減少。パワーウエイトレシオは1.6kg/PSをマークする。また、耐久面ではエンジン1基でフルシーズンを戦う必要があるため、約6000kmを走破できる設計がなされているという。
「DTMのレースフォーマットは(エンジン開発の面で)大きなチャレンジだ」と語るのはアウディモータースポーツのパワートレイン開発責任者を務めるステファン・ドレイヤー。
「スプリントレースを繰り返すようにしてロングディスタンスをこなすのは本当に大変なんだ」
「また、4気筒エンジンの振動はV8のそれとはまったく異なる。この点はエンジン開発はもちろん、ダイナモモーターの開発においても大きな課題となった」
重量は約半減、サイズも大幅なコンパクト化を実現しつつ、従来より100馬力以上の出力増を成し遂げたアウディの2.0リッター直列4気筒ターボエンジン。アクセルオフ時も継続的な加給を実現するアンチラグシステムも備えたこの新型エンジンは、2019年型アウディRS5 DTMのフロントボンネット内に縦置きされる。
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