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『ポルシェLMP1-98』ワークスエントリーも不発に終わった“Cカー再利用”プロト【忘れがたき銘車たち】

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『ポルシェLMP1-98』ワークスエントリーも不発に終わった“Cカー再利用”プロト【忘れがたき銘車たち】

 モータースポーツの「歴史」に焦点を当てる老舗レース雑誌『Racing on』と、モータースポーツの「今」を切り取るオートスポーツwebがコラボしてお届けするweb版『Racing on』では、記憶に残る数々の名レーシングカー、ドライバーなどを紹介していきます。今回のテーマは1998年のル・マン24時間レースを戦った『ポルシェLMP1-98』です。

* * * * * *

『ポルシェ935/78 “モビーディック”(1978年)』“白鯨”と呼ばれた最速のポルシェ935【忘れがたき銘車たち】

 1995年、ポルシェはアメリカのIMSAシリーズに設けられていたWSCクラスに参戦するため『TWRポルシェWSC-95』というレーシングカーを生み出した。

 この『WSC-95』は、かつてグループCカーレースにおいて驚異的な速さを見せた『ジャガーXJR-14』というマシンを使い、それをオープンプロトタイプカー化した。

 そのマシンに『ポルシェ962C』というグループCカー用の3.0リッター水平対向6気筒ツインターボエンジンである935/83型を搭載した、いわば名車の再利用から生まれたマシンだった。

 しかし、この『WSC-95』はポルシェがWSCクラスの突然の規定変更に抗議するかたちで撤退したため、レースには参戦することはなかった。

 お蔵入りとなるかに思われたが、この『WSC-95』にポルシェ系名門プライベーターであるヨーストが目をつけてポルシェから手に入れ、1996年と1997年のル・マン24時間レースへと参戦。すると2年連続でポルシェワークスが送り込んだGT1カーである『ポルシェ911 GT1』を退けて、総合優勝を達成したのだった。

 その翌年である1998年。ポルシェは2年連続でル・マン総合優勝を手にしていたヨーストをワークスとして扱い、陣営入りさせ優勝に向けて必勝体制を築いた。その結果、『WSC-95』と名乗っていたマシンは『ポルシェLMP1-98』と名を変えた。

 シャシーやボディはほぼ変わらなかったが、エンジンを同年にポルシェワークスが走らせたGT1カーである『911 GT1-98』と同じ水冷3.2リッターツインターボエンジンへと換装。トランスミッションも911 GT1-98と同じ6速シーケンシャルミッションを与えられた。

 これによってリヤセクションが『911 GT1-98』とほぼ同じになり、ポテンシャルアップを果たすかに思われたが、マシンバランスが悪化。

 結局、ル・マン本戦では2台ともリタイアに終わってしまう。その一方でポルシェは『911 GT1-98』は総合優勝を達成するという戦果も残していた。

 そしてこのル・マンをもって“WSC-95”は一線を退いたとともにポルシェワークスとしても長き休眠へと入ることになるのだった。

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みんなのコメント

2件
  • そにー製パスタ
    どんなに優れたカウル、エンジン、シャシーであってもそれぞれ相性が合わなければ性能が発揮できずに不発に終わる。
    ただ良いものを使えばよいって訳じゃないんだよね。
  • エガちゃんねらー
    皮肉なストーリーだな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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