WorldRX世界ラリークロス選手権は11月24~25日、南アフリカで2018年シーズン最終戦となる第12戦が行われ、すでにチャンピオンを決めているヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ポロR スーパーカー)が優勝。シーズン全12戦中11戦で勝利する圧巻の記録を打ち立てた。
シーズン最終戦となる南アフリカRXはケープタウンにあるキラーニー・レースウェイで開催。全長1.067kmのコースはターマック(舗装路)とグラベル(未舗装路)が6:4の構成だ。
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今シーズン圧倒的な強さをみせつけ、すでに2連覇を決めているクリストファーソンはセミファイナル1でトップチェッカーを受けてファイナルの1列目を確保。その横にはセミファイナル2を制したペター・ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロR)が並んだ。
2列目は2018年シーズン、クリストファーソンから唯一勝ち星を奪っているセバスチャン・ローブ(プジョー208WRX)と、そのチームメイトのティミー・ハンセン(プジョー208WRX)が獲得。3列目はマティアス・エクストローム(アウディS1 EKS RX クアトロ)とケビン・ハンセン(プジョー208WRX)が続いた。
迎えた6周の決勝スタートでは最後列スタートだったエクストロームが好発進をみせると、2コーナーで先行するライバルたちのインをついて、3台のプジョーをごぼう抜き。一気に3番手までおどり出る。
勢いに乗るエクストロームは4~5コーナーのシケインで、2番手ソルベルグに軽く接触しながら進入。バランスを崩したソルベルグは一度ランオフへ飛び出したものの、すぐさまエクストロームの前でコースに戻り、ポジションを守る。
その後方ではティミー・ハンセンとローブが全車に通過義務のある遠回りセクション“ジョーカーラップ”を走行して義務を消化。ティミー・ハンセンが5番手、ローブが6番手でメインコースに復帰する。
チャンピオン経験者による2位争いはテール・トゥ・ノーズのまま2周目へ。すると、左カーブの3コーナーで先行するソルベルグが体勢を崩してスピン。これでエクストロームが2番手に浮上する。
ソルベルグがスピンしたエリアはグラベル区間で、先行するライバルが巻き上げた土煙で視界が遮られた状態に。この影響か、後方を走っていたティミー・ハンセンがレースに復帰しようと試みていたソルベルグに追突するアクシデントが起きてしまう。
このクラッシュでソルベルグは走行を続行できずにリタイア。衝突したティミー・ハンセンもマシンを止めている。
後方でバトルが繰り広げられているのを尻目に、スタートからトップをひた走るクリストファーソンは3周目時点で2番手エクストロームに2.7秒もの大量リードを構築して独走体勢を築く。
その3周目にはエクストロームがジョーカーラップを走行したため、ギャップが5秒以上に広がると、クリストファーソンは4周目にジョーカーラップをクリア。トップのままメインコースに復帰して、そのままトップチェッカーを受けた。
ソルベルグの脱落で、エクストロームとローブが争う形となった2位争いは、先行したエクストロームに軍配。3位にローブが続き、フォルクスワーゲン、アウディ、プジョーとシリーズに参戦する3メーカーが表彰台を分け合う格好となった。
2018年に行われた12戦のうち、11戦で勝利する圧勝ぶりを収めたクリストファーソンは「素晴らしいシーズンの締めくくりとして完璧かつ感情が高まる勝利だ」と語った。
「この1年間、チームはつねに最高の雰囲気に包まれていたし、全スタッフが僕のために全力を尽くしてくれた」
「だから、彼らに感謝したい。僕にとって、彼らスタッフの存在はなによりも大事なものなんだ」
この南アフリカRXをもって、2018年のWorldRXは全戦が終了。ドライバーズランキングではエクストロームが248ポイントで2位となり、3位にはチームメイトのアンドレアス・バッケルドが237ポイントで続く形となった。
このうち最終戦で2位表彰台を獲得し、ランキング2位につけたエクストロームは、この2018年最終戦をもってシリーズへのフル参戦を終了。今後はシリーズ数戦にスポット参戦していくことを明かしている。
すでにクリストファーソン擁するPSRXフォルクスワーゲン・スウェーデンがタイトルを決めているチームランキングではエクストローム擁するEKSアウディスポーツが2位、ローブが所属するチーム・プジョー・トタルが3位となった。なお、プジョーは2018年限りでシリーズへのワークスサポートを終了する旨を表明済み。同じくアウディもサポートを打ち切るとされている。
全11戦で構成される2019年シーズンは4月5~6日に行われるアブダビRXで開幕を迎える。
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