現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > ミニ・コンバーチブル(最終) 長期テスト 夏を完璧に過ごせるクーパーS

ここから本文です

ミニ・コンバーチブル(最終) 長期テスト 夏を完璧に過ごせるクーパーS

掲載
ミニ・コンバーチブル(最終) 長期テスト 夏を完璧に過ごせるクーパーS

積算7805km 爽快なオープンドライブ

年末年始は忙しい。2020年に巻き起こったパンデミックの終焉を、2021年にみんなで祝うことができなかったという、残念な気持ちも拭えない。

【画像】ミニ・コンバーチブル 2023年発売予定の次期型ミニ・プロトタイプも 全69枚

だが筆者の場合、憂鬱な気分は夏を境に少し上向きになった。開放的なソフトトップと活発なパフォーマンスを備えた、ミニ・クーパーS コンバーチブルの長期テスト担当者に選ばれたからだ。

このミニがやって来た時、どれだけ夏が楽しいものになるのか確かめようと考えていた。2021年の英国の夏は期待ほど天候に恵まれなかったものの、それでも充分に魅力を理解することはできた。

長期テストで、一番のハイライトは友人を訪ねる目的で英国中心部に位置するピーク・ディストリクト国立公園を走った時。落ちてくる雨がやみ、灰色の空が青く変わることを期待しつつ、ロンドンからミニ・コンバーチブルで北上した。

実際、その走りは爽快だった。雨は降ったりやんだりだったものの、ソフトトップはできるだけ開いた状態を保った。

秋が来て肌寒くなっても、シートヒーターとエアコンを全開にすれば、オープンでも耐えられることを発見。週末のジム通いや犬の散歩など、日常的にも可能な限りオープンで走ってきた。

ドライバーへの訴求力が高いクーパーS

明るいゼスティ・イエローのボディカラーということもあって、ミニは意外と多くの人の視線を集めた。少し派手すぎるかもしれないが、筆者は気にしない。少なくとも、見る人を笑顔にはしてくれる。

ポップなミニ・コンバーチブルだから、ドライバーも優しいと思ってもらえるのだろう。人生で初めて、ヒッチハイカーを乗せることにもなった。

英国では600ポンド(約9万円)のオプションとなる、ハーマン・カードン社製のステレオは、ドライブを充実したものにしてくれた。近隣の住民へは、フィル・コリンズを必要以上に聞かせてしまったかもしれないが。

天候に関係なく、コンバーチブルは運転が楽しいと思える。さらにこのミニはクーパーSだから、よりドライバーへの訴求力を高めてある。

ステアリングはしっかりした感触が心地よく、反応は正確。フロントノーズが積極的にクルマの向きを変えていき、とても機敏に感じられる。コーナーを飛ばせば、勢いよく頂点めがけて食らいつく。

交通量の多い市街地の道でも、機敏な身のこなしは有効。マツダMX-5(ロードスター)ほど、操縦の自由度はないかもしれないが、これでも構わない。

エンジンはBMW製の2.0L 4気筒ターボガソリン。最高出力178psと、充分なエネルギーを生み出してくれる。トランスミッションは、筆者はATよりMTの方が好みではある。

硬い乗り心地 4シーターという実用性

どうしても気になった部分が、スポーツサスペンションの硬い乗り心地。目には見えないものの、多くの人が共感した部分でもある。

クーパーS コンバーチブルを借りた同僚の多くが、引き締まったサスペンションが生む揺れについて意見を聞かせてきた。筆者も気がつけば、路面の継ぎ接ぎなどを避けて運転するようになっていた。

ただし、アダプティブサスペンションを装備できる。英国では400ポンド(約6万円)のオプションだが、いつか違いを確かめてみたいところだ。

マツダ・ロードスターは、ここまで硬くない。小さなロードスターは、より夏を気持ちよく過ごさせてくれるクルマにもなり得る。でもリアシートがない。

ミニ・コンバーチブルなら、3人の友人と一緒に出かけられる。この実用性は大きい。

ルーフを閉じると180cmの大人が後ろに座ることは難しいものの、コンパクトなサイズを考えれば当然。メルセデス・ベンツCクラス・カブリオレでも、ルーフを閉じればリアシート側は少し窮屈に感じられる。ミニよりくつろげるとは思うが。

F1英国グランプの観戦にも、ミニ・コンバーチブルで向かった。好天に恵まれたものの、高速道路では大きなロードノイズと風切り音に悩まされた。ステレオのボリュームを上げても、かき消せないほど。

長距離移動を頻繁にするドライバーへ、ミニ・コンバーチブルはオススメしにくい。だが、短距離中心の使い方なら話は別。郊外の道を軽快に走らせるのは本当に楽しい。都会の道でも同様だ。

ミニ・コンバーチブルで過ごす夏は完璧

ミニのインテリアの質感は高く、BMW由来のインフォテインメント・システムも使い勝手は良い。クルマの実用性、という点では及ばないにしても。

3万5310ポンド(536万円)という、長期テスト車の英国価格には疑問もなくはない。プレミアムなインテリアに、活気ある動力性能を備えているが、ミニならもう少し手頃に楽しめても良いと思う。

BMW 220i コンバーチブルは、同等の動力性能と品質を備えており、見た目も筆者好み。それでいて、価格は殆ど変わらないのだ。

とはいえ、ミニ・コンバーチブルで過ごす英国の夏は完璧だった。秋も悪くない体験にしてくれる。恐らく春も。

セカンドオピニオン

派手なミニ・コンバーチブルでお葬式は似合わないと思うが、クーパーSにはかなりのストロングポイントが備わっていることは間違いない。

マツダ・ロードスターより車内は広いし、快適。パフォーマンスも明確に劣るほどではない。 Felix Page(フェリックス・ペイジ)

テストデータ

気に入っているトコロ

気持ちを上げてくれる個性:ミニ・コンバーチブルは、軽快なハンドリングと力強いパフォーマンスで、積極的に出かけたいと思わせてくれる
素早いルーフの動き:ソフトトップはスイッチひとつで素早く開閉できる。必要な時間も15秒に過ぎない。
ロータリー・コントローラー:インフォテインメント用のロータリー・コントローラーは、タッチモニターよりはるかに便利。反応も良い。

気に入らないトコロ

硬い乗り心地:明らかに硬い乗り心地が際立っていた。平均以下の状態の路面では特に。
大径ホイールに扁平タイヤ:見た目はカッコいいが、タイヤは肉薄でホイールは大きい。そのぶん気を使う。

走行距離

テスト開始時積算距離:3798km
テスト終了時積算距離:7805km

価格

モデル名:ミニ・コンバーチブル・クーパーS エクスクルーシブ DCT(英国仕様)
開始時の価格:2万9035ポンド(約441万円)
現在の価格:2万9530ポンド(約448万円)
テスト車の価格:3万5060ポンド(約532万円)

オプション装備

ナビゲーションプラス・パッケージ:2400ポンド(約36万4000円)
コンフォートプラス・パッケージ:1400ポンド(約21万3000円)
ドライビングアシスタント・パッケージ:800ポンド(約12万1000円)
ハーマン・カードン・サラウンドサウンドシステム:600ポンド(約9万1000円)
ゼスティ・イエロー塗装:525ポンド(約8万円)
ピアノブラック・エクステリアトリム:300ポンド(約4万5000円)

燃費&航続距離

カタログ燃費:16.1km/L
タンク容量:44L
平均燃費:15.2km/L
最高燃費:15.9km/L
最低燃費:13.5km/L
航続距離:669km

スペック

0-100km/h加速:6.9秒
最高速度:230km/h
エンジン:直列4気筒1998ccターボチャージャー
最高出力:178ps/5000rpm
最大トルク:28.5kg-m/1350rpm
トランスミッション:7速デュアルクラッチ・オートマティック
トランク容量:160L
ホイールサイズ:18インチ
タイヤ:205/40 R18 ピレリPゼロ
車両重量:1325kg

メンテナンス&ランニングコスト

リース価格:343ポンド(約5万2000円/1か月)
CO2 排出量:145g/km
メンテナンスコスト:なし
その他コスト:なし
燃料コスト:356ポンド(約5万4000円)
燃料含めたランニングコスト:356ポンド(約5万4000円)
1マイル当りコスト:0.14ポンド(21円)
不具合:なし

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

VW ゴルフ 史上最強の『ゴルフR』が爆誕! 迫力の「ブラックエディション」も
VW ゴルフ 史上最強の『ゴルフR』が爆誕! 迫力の「ブラックエディション」も
レスポンス
バス業界を変革するカギは「スペシャリスト採用」だ! 昔ながらの“何でも屋”育成システムの脱却を
バス業界を変革するカギは「スペシャリスト採用」だ! 昔ながらの“何でも屋”育成システムの脱却を
Merkmal
カルロス・サインツJr.、シーズン終了直後のアブダビテストでウイリアムズのF1マシンを初ドライブへ。チームが声明
カルロス・サインツJr.、シーズン終了直後のアブダビテストでウイリアムズのF1マシンを初ドライブへ。チームが声明
motorsport.com 日本版
【F1チーム代表の現場事情:レッドブル】ホーナーが過ごした激動の3連戦。マクラーレンとコース外でもせめぎ合い
【F1チーム代表の現場事情:レッドブル】ホーナーが過ごした激動の3連戦。マクラーレンとコース外でもせめぎ合い
AUTOSPORT web
「勝利を目指すが、何が起きても笑顔でいる」A.エスパルガロはマルティンのタイトル獲得を手伝えるか/第20戦ソリダリティGP
「勝利を目指すが、何が起きても笑顔でいる」A.エスパルガロはマルティンのタイトル獲得を手伝えるか/第20戦ソリダリティGP
AUTOSPORT web
東京‐名古屋をかッ飛び! JRバス最速「新東名スーパーライナー」はどれくらい速いのか
東京‐名古屋をかッ飛び! JRバス最速「新東名スーパーライナー」はどれくらい速いのか
乗りものニュース
【CES2025】ソニー・ホンダモビリティ 2026年デリバリー予定のアフィーラの詳細を発表
【CES2025】ソニー・ホンダモビリティ 2026年デリバリー予定のアフィーラの詳細を発表
Auto Prove
日産「次期スカイライン!?」公開で反響多数!? デカすぎグリル×ファストバックセダン! Vision Qe登場から1年… スカイライン後継といえる訳
日産「次期スカイライン!?」公開で反響多数!? デカすぎグリル×ファストバックセダン! Vision Qe登場から1年… スカイライン後継といえる訳
くるまのニュース
ディスクブレーキの「フローティングディスク」ってナニ?
ディスクブレーキの「フローティングディスク」ってナニ?
バイクのニュース
アロンソの400戦出走を記念して、アストンマーティンがシミュレーターを共同開発。F1マシンの物理的な感覚を再現
アロンソの400戦出走を記念して、アストンマーティンがシミュレーターを共同開発。F1マシンの物理的な感覚を再現
AUTOSPORT web
北米トヨタが700馬力超のランクル40発表!! マジかこれめっちゃカッコいいぞ!!
北米トヨタが700馬力超のランクル40発表!! マジかこれめっちゃカッコいいぞ!!
ベストカーWeb
「レアな右ハンオープンのアバルトが欲しくて」「なんだか楽しそうだから…」「輸入車に乗りたくて」…人それぞれのフィアット・アバルトライフを紹介します
「レアな右ハンオープンのアバルトが欲しくて」「なんだか楽しそうだから…」「輸入車に乗りたくて」…人それぞれのフィアット・アバルトライフを紹介します
Auto Messe Web
JLR ランドローバー「ディフェンダー」の限定車50台を発売
JLR ランドローバー「ディフェンダー」の限定車50台を発売
Auto Prove
どう考えてもぶっ壊れてるだろ! 待てど暮らせど青にならない「感応式信号」にぶち当たったらどうすればいい?
どう考えてもぶっ壊れてるだろ! 待てど暮らせど青にならない「感応式信号」にぶち当たったらどうすればいい?
WEB CARTOP
BセグSUVに新風? 個性派スタイルのシトロエン『バサルト』予約受付を開始
BセグSUVに新風? 個性派スタイルのシトロエン『バサルト』予約受付を開始
レスポンス
日産 中国市場向けEV「N7」を広州モーターショーで発表 国内導入もある?!
日産 中国市場向けEV「N7」を広州モーターショーで発表 国内導入もある?!
Auto Prove
「辞任などしていない!」前F1レースディレクターのヴィティヒ、FIAに解雇されたと主張
「辞任などしていない!」前F1レースディレクターのヴィティヒ、FIAに解雇されたと主張
AUTOSPORT web
経営悪化のKTM、従業員の解雇や減産もMotoGPプログラムへ影響ナシ? サテライトのテック3代表自信
経営悪化のKTM、従業員の解雇や減産もMotoGPプログラムへ影響ナシ? サテライトのテック3代表自信
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村