スペインの青空の下、ヴァンテージに試乗
カーライフエッセイスト吉田由美さんの「なんちゃってセレブなカーライフR」。今回は、スペイン・セビリアでアストンマーティン新型「ヴァンテージ」に試乗してきました。アストンマーティンのおもてなしや予想外のハプニングなどなど、内容もりだくさんです。
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スペイン・セビリアへ行ってきたわ
ただいま~。2024年1月にラスベガスで開催された「CES2024」以来、久しぶりの海外取材から帰ってきたわよ~。今回は、アストンマーティン新型「ヴァンテージ」に試乗するため、スペイン・セビリアへ。ずいぶん前にシトロエン「C3プルリエル」の試乗会で、ピカソの生家があるスペイン・マラガへ行ったことがあるけれど、お料理が美味しい素敵な場所だったわっ。
じつは、スペインでの国際試乗会はいろいろなメーカーでよく開催されるの。というのは、スペインは雨がほとんど降らず安定した気候だから。わたくしだって日本からせっかく行くのだから青空の下で走りたいし、どんよりとした雲より青空の写真や動画に収めたいもの。その気持ちは、主催者も同じ気持ちだと思うのよね~。というわけで、日本を出発し、パリで5時間のトランジットを含めて21時間かけてスペイン・セビリアへ。
空港に到着すると、イケメンがわたくしたちをお出迎え。ちなみに今回の試乗会は、世界各国で活躍する自動車系ユーチューバーの方々と参加したわ。今や、アストンマーティンのようなラグジュアリーブランドもユーチューバーを呼ぶ時代なのね。日本から参加したのはわたくしともうひとり、「華音チャンネル」の華音さん。弱小ユーチューバーのわたくし「吉田由美ちゃんねる」でも参加してよかったのかしら?(笑) そのぶん、原稿をがんばるわ~っ!
夜のウェルカムディナーは日本食
今回のお宿は、スペイン・セビリア市内にある「ノブ ホテル セビリア」。外にも中にもアストンマーティ「ヴァンテージ」の文字がずらり。このホテルはどうやら数週間、この試乗会のため世界各国から訪れるゲストのために貸し切りだったわ(驚)。持ってきた荷物には、エンジンルームに備え付けられる担当者のネーム入りタグと同じものを、わたくしの名前が刻まれたタグとして付けてくれたわ。ちょっと嬉しいサプライズ。
案内されたお部屋に入ると、大画面のテレビモニターに「welcome, YUMI YOSHIDA」のメッセージ。クリックするとF1ドライバー、フェルナンド・アロンソ選手が新型ヴァンテージに試乗している迫力のある動画が。気分爆上がりよ~。
夜のウェルカムディナーは、なんと日本食がサーブされたわ! ノブ ホテル セビリアが日系というのもあるけど、今や海外セレブにも大人気のお寿司や巻き寿司も提供されたの。わたくしはここで使われたアストンマーティンのロゴ入りお箸でいただいたわよ~。セレブは日本食や中国料理などもいただくせいか、欧米の方でも使い方が上手な方が多いのよね~。
よりシャープに、より楽しく、より安全なクルマに進化
翌日の試乗会は郊外にあるモンテブランコサーキットへ。新型ヴァンテージは2024年2月にアストンマーティンの故郷、英国で発表され、日本でもすでに発表済み。残念ながらわたくしは体調不良で行けなかったけど……(号泣)。でも、試乗できる日を首を長~くして待っていたわ。
新型ヴァンテージを見て、「マイナーチェンジだし、違いがわからないよ~」と思ったそこのあなた! そうなのよ。一見ね(笑)。 でもよく見ると、フロントライトの変更やフロントグリルの開口部も少し大きくなったり、フェンダーが大きくなったりと迫力が増しているのよ。
エンジンは4L V8ツインターボエンジンを搭載。先代に比べて最高出力は115ps増の665ps、最大トルクは115Nm増の800Nm。8速のZF製オートマティックトランスミッションとエレクトロニック・ケア・ディファレンシャル(E-Diff)を採用し、その最高速度は325km/h、0-100km/h加速はわずか3.4秒よ。
なにより大きく進化したのは、一体型のパワートレインなどの制御系や新技術の投入、剛性の見直しなどのアップデート。より速く、よりシャープに、より楽しく、より安全なクルマに進化したのよ。
クルマとの一体感が気持ちいい
まずはサーキット試乗。わたくしの試乗車は、ポディウムグリーンにライムカラーのアクセントを加えたボディカラーだったわ。まずは、1周3.3kmのコースをゆっくり慣熟走行。その後、20分ほどのセッションを3回行ったわ。
試乗時にいい仕事をしてくれたのは「インテリジェント・アダプティブダンパー」や、クルマの挙動を正確にESPに伝える新世代の「ビークル・ダイナミクス・コントロールシステム」、ヴァンテージ専用開発の21インチの大径「ミシュラン・パイロットスポーツ 5S」などが挙げられるわ。
そしてポイントは、ヴァンテージ初採用の8段階「アジャスタブル・トラクション・コントロール(ATC)」でしょうね。そうそう、ドライブモードは5種類から選べるのだけど、いわゆる「スタンダードモード」や「エコ」などは設定されていないの。「スポーツモード」がいわゆる「スタンダードモード」、そして「スポーツプラス」「トラック」「インディビジュアル」「スノー」モードを装備し、ひと通り体験したわ。
走らせると、ボディがしっかりしていてクルマとの一体感が気持ちいい~。そして今回、一番のトピックである新しい「エレクトロニック・スタビリティ・プログラム(ESP)」は、制御を8段階で設定できるの。数字が大きくなると制御が少なくなり、トラクション8では制御の介入なし。ドライビングテクニックに自信のある方には、自分のテクニックでコースを攻略できるモードでもあるのよ~。
打てば響くようなレスポンスにうっとり
そして素敵なランチの後に、一般道の試乗へ。アルミナイトシルバーのボディカラーのヴァンテージはグリーンのシートに「Y」型のホイールが映えるわね~。実際に走行すると、サーキットより明らかに低い速度域だけど、気持ちのいいエンジン音に包まれながら、打てば響くようなレスポンスにうっとり。
じつは、スタッフの方に設定していただいた目的地が違う場所だったというハプニングに遭遇し、舗装されていない道を土埃を巻き上げながら走行したの。オンコースだと信じてやまないわたくしは、
「こんなコース設定するなんて……アストン攻めるわね~!」
と思っていたけれど、低速や荒れた道でもサスペンションがしなやかに動くので乗り心地がよいうえ、楽しかったのよ。弱点はやっぱりカーナビ……かしら。これは2023年に乗った「DB12 ヴォランテ」でも迷子になるシーンがあって(ほかの方も迷子になったのよ)、これはヴァンテージも同じだったわね。とはいえ、このミスコースのおかげで、通常50kmほどのコースだったけど、だいぶ走ったわ~。導入は、日本には2024年度第2四半期以降の予定よ。価格は2690万円(消費税込)。日本上陸が待ち遠しいわ~。うふっ。
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