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ポールから完勝の太田「記録に残らず歯がゆい気持ちがあった」。坪井「油断したら何かが起きる」【第8戦決勝会見】

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ポールから完勝の太田「記録に残らず歯がゆい気持ちがあった」。坪井「油断したら何かが起きる」【第8戦決勝会見】

 11月9日、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットで、2024全日本スーパーフォーミュラ選手権第8戦『第23回JAF鈴鹿グランプリ』の決勝レースが行われ、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がポール・トゥ・ウインを果たした。

 昨季2023年最終戦鈴鹿以来、約1年ぶりの優勝で今季初勝利を飾った太田と、ドライバーズランキングで首位に立つ坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)、その坪井とタイトルを争う牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、そしてワン・スリー・フィニッシュを達成したDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの村岡潔総監督が決勝後の会見に出席し、週末ダブルヘッダーの緒戦を振り返った。

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■村岡潔(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
優勝チーム監督

「上出来としか言いようがないですね。欲を出すとキリがないですけども、できれば坪井選手以外の人がここにいたら、(タイトルを争う牧野とのポイント差が拡がらず)明日来られるお客さんが盛り上がったと思うのですが(笑)」

「さすがと言いますか坪井選手がしっかりとこの場にいるので、それはそれで明日また盛り上がりますし、太田選手も牧野選手も明日の予選によりミスなく集中するという気持ちが高くなっているはずです」

「(最終戦を前に)この位置で戦えるように、ここまで戦ってきてくれたふたりのドライバーに感謝します。(手強いライバルとして)嫌な思いをさせてくれる坪井選手にも感謝しています(会場笑い)」

――日曜の第9戦はどういうことが大事になるか

「今日はタイヤ交換のミスがたくさんありましたが、我々としてはミスなくクルマを仕上げ、ドライバーに思う存分を(実力を)出してもらえれば必ずチャンピオンを獲れると思っていますので、よろしくお願いします!」

■太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
予選:ポールポジション/決勝:優勝

「クルマの調子がとても良く、吉田(則光)エンジニアと濱(濱野祐二)エンジニアを作ってくれたクルマが完璧だった。それに尽きると思います」

「セーフティカー(SC)が2度も出たのは少し残念でした。最初のSCが出るまでに、おそらく10秒ぐらい後ろを離していたと思うので」

「僕としては正直どれだけの差をつけられるか、というところに挑戦したい気持ちがあって、それがSCによって帳消しになってしまったので残念だったのですが、切り替えて最後はファステストを狙って差を大きく広げてゴールしたい、という気持ちで最後までプッシュしました」

「クルマはすごくバランスの一貫性がありましたし、まったく不安がなく、SCが入っても抜かれることはないだろうと思っていました」

――ポール・トゥ・ウインを達成しての心境

「去年の後半戦からフロントロウに並ぶ機会が多く、個人的には見に来てくれてる人や関係者の方々の記憶には残ってもポールを獲っているわけじゃないので記録には残らないいという部分で、少し歯がゆい気持ちがありました」

「今年はチャンピオンシップからは脱落をしてしまいましたが、やはり最後に光るものをしっかりと見せて終わることによって、来年度に向けてまた期待値みたいなものが上がってくると思うし、僕に対する注目度も高いまま来年を迎えるということにおいては、今回は非常に大事なレースでした」

「そんななか予選も決勝も、とくに今日のレースは平均のペースも多分すごく速かったと思いますけど最後にファステストも取れて、自分としては非常にうまくいった100点のレースができたかなと思います」

――僚友がチャンピオン争いをしているなかで思うこと

「チームの中では(牧野をサポートする方法など)いろいろとケースごとに話し合ってはいますが正直、今日の状態というか順位だと僕にできることはしっかりとトップでゴールして、チームランキングも上に上げるということが一番重要だったと思います」

「今日については、とくに何かオーダー的なものはまったくなかったです。しかし明日に向けては、やはりチームとして最善の結果を一年間の締めくくりとして持ち帰れるように僕も協力したいですし、また来年に向けてもいい終わり方ができるために頑張りたいと思います」

■坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)
予選:5番手/決勝:2位

「冬の鈴鹿がなかなかタフな戦いになるのは想定していました。実際に予選が始まってみたら、ホンダエンジン車ばかり前に行ってしまったので『やっぱりつらいな』というところではあったのですが、決勝はペースが良ければ順位を上げるチャンスはあるとも考えていて、5番手からなら表彰台争いができると思っていましたし、何とか食らいついていきたいという考えでした」

「チャンピオンシップを考えると、牧野選手が前にいたので、何とか彼を抜くというのが今日一番の目標でした。そのなかでしっかりと2位に上がる、まあ佐藤(蓮/PONOS NAKAJIMA RACING)選手にちょっと不運があっての2位なので自力でという感じではないですが、チームのタイヤ交換がめちゃくちゃ速くて、そのおかげで2位になれました」

「(全体的に)自分たちがやれることはしっかりできましたし、明日に繋がるベースには上がったとは思うのですが、予選も決勝も太田選手がとんでもなく速いので、そこをもうちょっとどうにかしないと、明日もなかなか厳しい戦いになってしまうと思います。なので今夜、トップになるには何をしたらいいかをしっかりと考えていきたいと思います」

――チャンピオン獲得のためのカギは

「もちろんポイント差はありますけど、レースはチェッカーを受けるまで何が起きるかわからないので、油断した瞬間にやはり何かが起きると思います。なので絶対気を抜かず、第9戦についても明日は明日のレース、(シーズン中の)1レースとして『しっかりと勝ちに行く』という心がけてやってれば、おのずとチャンピオンが付いてくると思っています。なので明日も勝ちを目指して頑張るだけです」

――トムスが今年50周年を迎える

「シーズンが開幕する前から、舘さん(舘信秀会長)や谷本さん(谷本勲社長)といった重鎮の方々から『わかってるよな』とプレッシャーをかけ続けられてきました(笑)」

「50周年の節目の年に、やはりチームとしてはタイトルを獲りたいというのはもちろんあると思いますし、僕にとってもスーパーフォーミュラのタイトルは初めてのチャンスです。(ドライバーとチームの)どちらのタイトルも取りたいと思ってやっていますし、チームもそういった気持ちを持ってスタッフ皆が戦っているはずなので、今そういうチャンスがある以上ダブルタイトルを獲って、しっかりと結果で恩返しができるように頑張りたいと思います」

■牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
予選:4番手/決勝:3位

「(タイトル争いの)一番のライバルである坪井選手の後ろになってしまったので悔しい結果です」

「戦略的にミニマム(10周)で入るのは、何となく決めていました。僕のほうは前半がとくに(ペース的に)厳しくて、逆にタイヤを換えてから中盤戦にかけては、わりと悪くはなかったです。ここ最近、とくに前半スティントで苦戦する場面が多く、それが今回も出てしまったかたちです」

「予選もそうだし、もうちょっとレベルアップしていかないといけないな、というのは正直感じているところですね」

「今日の予選Q1とQ2の間でも(セットアップを)結構大きく振ったりだとか試行錯誤はしていたのですが、明日に向けてはもう失うものはなにもないので、引き続き頑張ります」

「太田選手ほど、何か自信を持って走れている感じは正直ないです。とく前半スティントはめっちゃきつかったので、もうちょっとそこは明日に向けていいとこを探したいです。太田選手がかなり速いので、良いところを真似させてもらって、良い感じになればいいなと思っています」

――14.5ポイントから18.5ポイントへと差が開いたなか迎える最終戦

「もちろん(逆転チャンピオンを)全然諦めていません。レースは最後まで何があるかわからないというのは、僕はもう身をもって体験しているのでね」

「当然、最後まで全開でブッシュしてやりたいと思っています。僕の先輩はそれをモットーにしていて、僕は本当に一番身近で感じて学ばせてもらいましたから、明日もそれを最後までやるだけです」

――9年前のFIA-F4では坪井選手に敗れた

「(リベンジ)すると言いたいのですけど、もちろんポイント差があるのは重々承知していますし、状況的に厳しくないと言えばウソになります。ただ、さっきも言いましたけど、絶対最後まで諦めずにやりきりたいと思っています」

「僕たちはあの頃と違いメーカーのドライバーになり、自分個人だけでなくメーカーなど背負うものがいろいろできていると思うので、そういった部分の戦いも含めて明日見に来てくれるお客さんや関係者を含め、皆さんに楽しんでもらえたらと思います」

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