この記事をまとめると
■行灯のないタクシーがバンコク市内を走っているのを見かけた
副業で解禁になったライドシェア……でいくら稼げる? 1週間に2日間で4時間働くとして計算してみた
■タイでは古いタクシーを業者が管理するライドシェアの車両として活用している
■BEVタクシーへ入れ替わるまでの間は型落ちのタクシーが使われると予想している
タクシーみたいな見た目でもタクシーじゃない?
3月下旬にタイの首都バンコクを訪れて街を歩いていると、タクシーのような派手なボディカラーなのに、行灯(タクシーの天井についている、日本では社名表示灯などと呼ばれるもの)がない車両が走っていた。日本では、過去にタクシー車両としては現役を引退した、トヨタ・クラウンセダンベースのタクシー車両(走行距離は40万kmオーバー)を自家用車として好んで乗るタクシー運転士さんがいたが(調子がいいと聞いたこともある)、そのノリなのかなと思っていた。
ちなみに日本では、地域によっては行灯を簡単に取り外すことができる。メーターを入れて利用するのではなく、貸し切りでの利用時などに主に行われる仕様だ。とくに車体色が黒一色の車両で、セダンタイプならば、行灯を外せばハイヤーのようにも使えるように配慮されている。
そして、タイの首都バンコク滞在中のある日、目的地に向かうために宿泊先からマッチングアプリでタクシー(バンコクではマッチングアプリでタクシーも呼べる)を呼ぼうとしたら、あいにく近辺にマッチングできる車両がないようだったので、ライドシェア専用車両のマッチングを試みた。するとすぐにマッチングできたので、車両がくるのを待っていたら、前述した行灯のないタクシー車両のようなトヨタ・カローラアルティス(先代)がやってきた。
車内に乗り込むと若いドライバーが運転していた。バンコク市内及び近郊でタクシーに乗ると、最近はマッチングアプリの普及により(スマホがルート案内している)、道を知らないドライバーも多いなか、このドライバーはなかなか道路に精通しているようで、裏道をクネクネと進むので目的地に予定時刻より早めに着いてしまったほど。
はっきりとしたことはわからないものの、どうやらタクシー会社のライドシェア専門部隊か、いずれも車両が古めなので、タクシー車両として現役を終えたものをライドシェア車両として貸し出す業者があるように見えた。
行灯がない車両は別働部隊だった
日本では業界最大手ともいわれる某タクシー会社で、タクシー配車アプリによる配車要請のみに対応する専用車両を東京都内で走らせているので、そのノリかと思ったのだが、タイではドライバーがタクシー会社から車両を有料で借りて営業運行するスタイルとなるので、東京のようなサービスではないようだ。
タイもコロナ禍となってしばらくは日本以上に厳しく外出規制が行われ、タクシー業界も大打撃を受けた。日本よりはまだ状況はいいようだが、それでもコロナ禍前ほどの稼働台数が戻りきっていないとも聞いている。さらに、外出規制の影響による売り上げダウンが響き、新車への入れ換えがなかなか進んでいないのもまた現実となっている。
そのため、東南アジア版カローラセダンとなる、トヨタ・カローラアルティスの2代目車両も、現役車両として使われている。2代目は2007年から2014年の間にラインアップされているので、最終モデルでもすでに10年が経とうとしている。10年タクシーで使うと東京都内のタクシーならば、走行距離が100万km近くになっていてもおかしくない。
今回滞在中にマッチングアプリでタクシーを呼ぶと、この2代目が結構な割合でやってきた。あるときは乗り込んで一度窓を全開したあとに締めようと思ったら、パワーウインドウが作動せず閉まらなくなった。ドライバーがドアを叩くなどしたら窓が閉まった(やはり最後は叩くに限る?)。
まぁ、かなり見た目はくたびれているものの、乗り心地などクルマとしての基本性能は目立ってくたびれた様子はなく、カローラフリークの筆者は「さすがだ」と思ってしまった。
帰国の際に、台湾の台北に立ち寄ったのだが、このとき空港の往復でタクシー(空港と宿泊先を結ぶシャトルサービス)を利用した。空港から宿泊先までは、カローラアルティス(ハイブリッド)、宿泊先から空港まではトヨタ・カローラクロス(ハイブリッド)だったのだが、いずれも車内は新車の「香り」が充満するほどの新車だったのが、タイとは対照的で印象に残っている。
バンコクでも今後はBEV(バッテリー電気自動車)にタクシー車両の入れ換えを進めていくようなので、BEVタクシーの供給が十分整うタイミングを見計らって、現有車両を延命させているのかもしれない。
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みんなのコメント
バンコクで何度かGrabのライドシェアを利用しましたが、正規のタクシーから行灯やメーターを外したものもあれば個人所有車をそのまま使っているものもありました。
しかし、フラフラ海外へ行ってきただけの内容のない与太話をどうすれば継続してメディアに載せてもらえるのか、不思議で仕方ありません。