積算1万3746km ソフトトップ版との違いを総括
text:James Attwood(ジェームス・アトウッド)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
早いもので最終回となってしまった。どのように振り返ろう。リトラクタブル・ルーフに関しては最後にしようと初めは思った。
いわずもがな、マツダMX-5(ロードスター)RFは2シーターのスポーツカー。運動性能やドライビング体験などから始めるべきだろう。スポーツカーに興味を持つ人なら、大体気になる部分は変わらない。
ソフトトップのマツダMX-5(ロードスター)は、素晴らしく楽しいスポーツカーだ。マツダMX-5 RFは、そこへ折りたたみ式のハードトップとなる、リトラクタブル・ルーフが追加されている。
では、ハンドリングに違いはあるのか。研ぎ澄まされた前後重量配分への影響は。2000ポンド(27万円)の価格差に見合う価値は。基本的にはすべてルーフに関係する部分。結局、ルーフに触れざるを得ない。
初めてRFに乗り込んで、スイッチを押しながらルーフを開く体験。感動しない人はいないはず。15秒間の巧妙な機械じかけのアトラクション。動作が終わると、低いルーフでわずかに窮屈に感じていた車内は、青空いっぱいの開放的な空間へと切り替わる。
だがソフトトップの場合、手でほぼ真後ろへ下げるだけでオープンになる。2回目以降は、15秒という開閉時間が長く感じられるかもしれない。さらに慣れてくると、開閉の動作中、ずっとスイッチを指で抑えていることが面倒にも思えてくる。
ルーフの開閉ができるのは、停止中だけでなく10km/hまでの徐行時。ボタンを押し続ける作業は安全性では少しの意味があるが、ルーフが動いている間のナビの目的地設定などは、1人だと難しい。
RFのルーフを閉じた姿が筆者好み
英国の場合、天気が変わりやすいから、ルーフのオペレーションは気になる部分。結果的に、ルーフを閉じてファストバック・スタイルで走る時間の方が長くなってしまった。同僚には、ルーフを開いて走るべきだ、と指摘を受けていたけれど。
ルーフを閉じると、車内はタイト感が高まる。それに慣れてしまえば、高速域での風切り音や風圧によるバッファ音に悩まされることなく、スリリングなドライビング体験を楽しめる。
リトラクタブル・ルーフを閉じることが多かった理由のもう一つは、見た目。オープン状態よりカッコよく見えるし、筆者はソフトトップのMX-5(ロードスター)よりハンサムだと思っている。
RFのテールへと流れるリアピラーと滑らかなルーフラインは、ふくよかなボンネットとアグレッシブなフロントマスクを、引き立てている。
もちろん、スタイルは個人的な好みではある。ルーフを開くと、高速時にかなりの風切り音をリアピラーが立てる、という事実も理由の1つだ。
リトラクタブル・ルーフによって増加した45kgという車重は、ハンドリングや運動性能に大きな影響を与えるのか。答えは、大まかにいって、ノー。
確かに小さな差はあるものの、マツダの技術者は追加となる重量に対し、素晴らしい仕事で応えている。出発してから到着するまで満面の笑顔で、ソフトトップのMX-5(ロードスター)のように運転できる。
ロードスターとして優れた本質は変わらない
ステアリングは敏感で、重み付けも丁度いい。バランスは素晴らしく、ふんだんなフィードバックが自信を沸き立たせてくれる。しっかりした感触の6速マニュアルは、運転の邪魔を一切しない。
1.5Lエンジンのサウンドは素晴らしく、必要な時に不足のない馬力とトルクを生んでくれる。英国編集部の1人は、2.0Lのソフトトップ版より、1.5LのRFの方が良いとすら感じていた。だが、サウンドは元気だが、実際はさほど速くもないとも話していた。
確かに1.5Lエンジンの馬力は豊かではないが、MX-5(ロードスター)のドライビング体験のコアとなる部分は、楽しさ。単に速く走ることだけではない。
リトラクタブル・ルーフを備えていても、MX-5(ロードスター)が高く評価されているダイナミクス性能に、大きな違いはないといえる。ルーフは、ドライビング体験を霞ませたり、異質なものにすることはなかった。
むしろ、実用性を追加してくれている。ルックスだけでなく、ルーフにありがたさを感じることも多かった。
どんなに寒い日でも、雨の日でも、RFならドライバーは濡れることなく、温かい車内で過ごせる。ソフトトップなら、少し躊躇したかもしれない天気でも。2000ポンド(27万円)の追加費用が必要でも、向上する実用性を考えれば納得できる。
確かにリトラクタブル・ルーフが付いていても、小さな荷室容量と、リアシートがないという本質に違いはない。日常の足とするうえでの制限はある。ハッチバックのように、本当に実用性に優れるクルマにはならない。
たかがルーフ、されどルーフ
しかし、それを受け入れた上で一緒に暮らし、純粋な喜びを味わうことこそRFの魅力。ルーフが付いていても純粋さを失うことなく、パッケージとしての訴求力を強めている。
もし筆者が自身でMX-5(ロードスター)を選ぶとしても、RFの方を選ぶだろう。だがもし、2000ポンド(27万円)の差に悩んでいる人がいたら、筆者は強く薦めるだろいうか。正直、少し悩んでしまう。
それは、ドライバーが常に望むルーフの位置や、ルーフへ求める機能に依存する。たかがルーフ、されどルーフなのだ。
セカンドオピニオン
マツダMX-5(ロードスター)RFのルックスは気に入っている。多くの状況で運転も楽しい。だが、高速走行には向いていないこともわかった。オープン状態で高速道路を走ると、風圧によるバッファ音が大きく、我慢できなかった。 Martin Buckley(マーティン・バックリー)
テストデータ
気に入っているトコロ
魂動(こどう)デザイン:表面的な部分ではあるが、最後まで見飽きることはなかった。
マニュアル・トランスミッション:オートマティックも選べるが、RFの最高の楽しさを目減りさせてしまうだろう。
ハンドリング:ひたすら楽しい。高速道路を外れて、空いた下道が走れる機会があると、迷わず下道を選んでいたほど。
気に入らないトコロ
インフォテインメント・モニター:サイズが小さいのは構わないが、太陽光で見にくくなることが間々あった。
ルーフの開閉スイッチ:開閉動作中にずっとスイッチを指で抑えている作業は、時間の浪費にも思える。
走行距離
テスト開始時積算距離:2204km
テスト終了時積算距離:1万3746km
価格
新車価格:2万4895ポンド(336万円)
現行価格:2万4895ポンド(336万円)
テスト車の価格:2万5965ポンド(350万円)
ディーラー評価額:2万858ポンド(281万円)
個人評価額:1万8355ポンド(247万円)
市場流通価格:1万8746ポンド(253万円)
オプション装備
ソウルレッド・メタリック・ペイント:670ポンド(9万円)
ナッパレザー・インテリア:600ポンド(8万1000円)
燃費&航続距離
カタログ燃費:17.2km/L
タンク容量:45L
平均燃費:14.6km/L
最高燃費:17.0km/L
最低燃費:7.9km/L
航続可能距離:547km
主要諸元
0-100km/h加速:8.3秒
最高速度:204km/h
エンジン:直列4気筒1496cc
最高出力:130ps/7000rpm
最大トルク:15.1kg-m/4800rpm
トランスミッション:6速マニュアル
トランク容量:127L
ホイールサイズ:16インチ
タイヤ:195/50 R16
乾燥重量:1090kg
メンテナンス&ランニングコスト
リース価格:329ポンド(4万4000円/1カ月)
CO2 排出量:140g/km
メンテナンスコスト:なし
その他コスト:ボディの修理費用(保険適用)
燃料コスト:882ポンド(11万9000円)
燃料含めたランニングコスト:882ポンド(11万9000円)
1マイル当りコスト:11.3ペンス(15円)
減価償却費:6149ポンド(83万円)
減価償却含めた1マイル当りコスト:1.21ポンド(163円)
不具合:なし
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みんなのコメント
スピードは求めてません。車線変更時や止まってからの合流時など
非力さは否めない。