現在、WEC世界耐久選手権においてもっとも長きにわたって参戦しているクリスチャン・リードは、今週末の2023年最終戦バーレーンでLMGTEアマクラスが終焉を迎えた後も参戦を継続するかどうかについて、未定であると語っている。
■連続出場記録は『85』でストップ?
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リードは2012年の現行シリーズ創設以来、ここまでWECの全レースに出場してきた唯一のドライバーだ。11月4日にバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われる2023年第7戦は、このブロンズドライバーにとっての連続出場85戦目となる予定だ。
これらリードの出走はいずれもLMGTEアマクラスでポルシェのマシンを駆ってのものであり、彼はこれまで13回のクラス優勝を飾っている。
だが、リードの連続出場記録は2023年最終戦でストップする可能性がある。
来年、WECのGTクラスがLMGT3へと移行するなか、リードが率いるプロトン・コンペティションは2台体制のフォード・マスタングGT3プログラムを通じてグリッド上での存在感を維持する可能性が高いが、オーナー兼ドライバーのリード自身がグリッド上に残るかどうかは決定されていない。
「まだ決まっていないが、僕がGT3レースに馴染みがないことは、秘密ではない」とリード。
「実際、チームにはたくさんの選択肢があるので、今はチームにとって、そして僕にとって何が最善なのかを考えるだけだ」
「僕は今でも運転するのが大好きで、ポルティマオでのおかしなコンディション下でも、とても楽しかった。今はこの週末を見てから決断を下さなければならない」
リードが2024年に運転を継続しないことを決定した場合、LMGT3には参戦しないベン・キーティングの例に続くものとなる。モンツァでタイトルを獲得した後、WEC史上最後のGTEアマチャンピオンとなったキーティングは、2024年はユナイテッド・オートスポーツとともにIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権LMP2プログラムに乗り出すことを明らかにしている。
以前、WECでのGT3レースについて不満を漏らしたキーティングと同様、リードもLMGT3クラスにおけるABS(アンチロック・ブレーキ・システム)の存在を嫌いなものとして指摘した。GT3車両にはABSが備わるが、GTE車両にはそれがなく、ドライバーのテクニックが試されるクラスとなっていた。
「僕が最後にABSを備えたレースカーを運転したのは、2009年か2010年のポルシェ・カップカーだった」と彼は説明した。
「仕組みはよく分からないけど、僕はレースカーにABSを搭載するという考えは好きではない。誰もがブレーキを遅らせてターンインすることができてしまう」
「確かに、クラブスポーツレベルでは安全上の問題がある。 (ブレーキングは)より簡単になるが、ここ(WEC)にはそのようなドライバーはいない。ここには、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの、真のプロのドライバーがいるんだ」
「つまり、誰もがABSなしでクルマを走らせることができる。カートを始める10歳の子どもにABSがないのと同じように、F4に参加する場合もABSはない。なのに、なぜこのレベルのGT カーにそれを搭載する必要があるんだい?」
■“タイトルなし”は後悔していない
10を超える勝利を挙げ、多数の表彰台も獲得しているにも関わらず、リードはこのカテゴリーでの11シーズンを通じて、世界タイトルを獲得することはできていない。彼は2017年、そして2018/19年の『スーパーシーズン』にランキング2位と、もっともタイトルに近づいた。
だが、リードはタイトルを手にしていないことを後悔していない。
「(後悔は)まったくないよ」とリードは言った。「結局のところ、僕らは好きだからレースをやっているんだ」。
「とても楽しいし、結局は週末ごとのものなんだ。もし表彰台の頂上に上がって家に帰ることができれば、それはそれで確かに素晴らしいことだけど、次の週末はまたゼロからのスタートだ」
これほどまでにこのクラスに積極的に参加し続けた動機を尋ねると、リードは次のように答えた。
「ここでこれだけの人たちに会えるのは素晴らしいことだし、何年にもわたってチーム内だけでなく、他のチームやその他の人々とも良い関係を築くことができている」
「火曜日とか水曜日にパドックに到着して彼らと楽しい時間を過ごし、週末が終わったら家に帰る。それは、いつだって素晴らしいことなんだ」
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