高級志向の小型電動ミニバン
メルセデス・ベンツは、小型の電動ミニバン「EQT」を公開した。最近導入されたTクラスのEV版で、欧州では2023年に発売される予定だ。
【画像】アウトドアにも使える高級志向の電動ミニバン【新型メルセデス・ベンツEQTを写真でじっくり見る】 全39枚
メルセデス・ベンツとルノーの技術提携により開発された新型EQTは、ルノー・カングーEテック、日産タウンスターEV、オペル/ヴォグゾール・コンボeライフの兄弟車にあたる。フランスのルノー工場で生産される予定。
5人乗りの標準仕様のほか、キャンピングカー仕様も開発中で、ポップアップルーフなどを備えた「コンセプトEQTマルコポーロ」が公開されている。
先に発表された内燃機関搭載のTクラスとの外見上の違いとして、専用デザインのバンパーとブラックパネルグリル処理を施したフロントエンドが挙げられる。また、ヘッドライトのグラフィックやサイドミラーなど、細部がブラックで統一されている。
EQTの全長は4498mm、全幅は1859mm、全高は1819mm。
5人乗りでスライドドア付き 航続距離280km
パワートレインはカングーEテックと同じで、フロントマウントの同期モーターで最高出力122ps、最大トルク25kg-mを発生させる。エネルギー容量45kWh、電圧400Vのリチウムイオンバッテリーがリアアクセル前方のフロアに搭載される。
「エコ」と「コンフォート」の2つの走行モードや、3段階(D-、D、D+)に調整可能な回生システムを搭載。加速性能は未公表だが、最高速度は135km/hに制限されることが確認されている。
航続距離は280kmで、WLTPテストにおける平均消費電力は18.99kWh/100kmとされる。最大22kWのAC充電と最大80kWのDC充電に対応し、後者では38分で10~80%の充電が可能だという。
インテリアでは、マルチファンクション・ステアリングホイールなど、Tクラスと同様のレイアウトが採用された。アナログメーターにはエネルギー使用量やバッテリー残量、7インチのインフォテインメント・ディスプレイにはエネルギーフローなどのEV独自の情報が表示される。
標準の5人乗り仕様では、後部座席にチャイルドシートを最大3つまで横に並べることができるという。トランク容量は551Lで、後部座席を倒すと1979Lとなる。最大積載量は、ルーフラック積載量(80kg)を含めて516kg。
EQTは、ルノーのCMF-Bプラットフォームをベースにしている。サスペンションは、フロントにマクファーソンストラット、リアにパンハードロッド付きリジッドアクスルを採用する。
アウトドア要素満載のキャンピングカーも
メルセデス・ベンツは、EQTのキャンピングカー仕様としてコンセプトEQTマルコポーロを公開している。現時点ではコンセプトモデルだが、2023年後半に生産が開始される予定となっている。
標準仕様のホイールベースは2716mmだが、コンセプトEQTマルコポーロは2898mmまで延長されていると予想される。
ボディ拡大に伴い、機能性も拡充しているようだ。ポップアップルーフには1970mmx870mmのベッドが収納され、リアにはベンチシートを左右に配置し、2000mmx1150mmのセカンドベッドを置けるようになっている。
メルセデス・ベンツによると、ポップアップルーフを展開した状態では、大人が立てるほどの室内高があるという。また、ルーフ上部にはソーラーパネルが内蔵され、補助機能用の小型バッテリーを充電できるとのこと。
さらに、電動で高さを調節できる折りたたみ式テーブル、16Lの冷蔵庫、取り外し可能なガスコンロ、12Lのウォータータンク付きの洗濯設備、計7つのUSBポートなど、アウトドア向けのさまざまな装備が見られる。
メルセデス・ベンツは、追加キットとして「マルコポーロ・モジュール」も開発しており、TクラスとEQTに設定される予定だという。詳細はまだ明らかにされていないが、2列目シートを倒してベッドを作る機構や、簡易のキッチンユニットも含まれるようだ。
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