ポルシェは、ヨーロッパと北米で成功を収めているポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ(PPM)のファクトリーLMDhプログラムが3年目を迎えるのを前に、ドライバーラインアップの再編を実施。10月22日に、来る2025年シーズンのキャンペーンに参加するファクトリードライバーを明らかにした。
この再編の中ではジュリアン・アンドラウアーの昇格が見られる一方、ベテランドライバーの降格、あるいは別れを目にすることとなった。
WEC王者目前のロッテラー、IMSA4冠キャメロンがペンスキーのシート喪失。マコウィッキはポルシェを去る
新たにワークスプログラムに加わるアンドラウアーは、来季2025年のWEC世界耐久選手権でミカエル・クリステンセンとチームを組み、PPMの5号車ポルシェ963をドライブする予定だ。姉妹車の6号車ポルシェ963は、ケビン・エストーレとローレンス・ファントールが今シーズンに続いてステアリングを握る。
一方、その6号車でエストーレ、ファントールとチームを組んでシーズン2勝を挙げ、現在ドライバーズランキング首位につけているアンドレ・ロッテラーはPPMのシートを喪失するかたちに。また、5号車のコクピットをシェアしているフレデリック・マコウィッキはポルシェと袂を分かつこととなった。
これに加え、今季のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権でフェリペ・ナッセとコンビを組み、自身4度目となるシリーズチャンピオンを獲得したデイン・キャメロンもまたワークスカーのシートを失っている。
ポルシェは、来シーズンのWECキャンペーンの大部分をふたりのドライバーで戦うこととし、ル・マン24時間レースを含む通常よりもレース距離の長いイベントではマシュー・ジャミネとマット・キャンベルが、第3ドライバーとしてそれぞれ5号車と6号車に合流することを確認した。
ファクトリーLMDhのラインアップに昇格するアンドラウアーは、先達であるクリステンセン、ジャミネ、キャンベルに続き同様のステップを踏んだ4人目のポルシェ・ジュニアドライバーとなる。
元ポルシェジュニアの25歳は2018年からポルシェのGTマシンをドライブしており、プロトン・コンペティションからの参戦となった今年のWEC、とくにスパ・フランコルシャンではカスタマー・ポルシェ963の一員として目を引くパフォーマンスを披露した。
アンドラウアーの新たなチームメイトとなるクリステンセンは以前、ドライバーシャッフルの一環としてジャミネに代わってIMSAのプログラムに移籍するのではないかと推測されたが、本人の希望どおりWECのラインアップに残ることができた。
■ジャミネとキャンベルがウェザーテック選手権で再会
ポルシェのファクトリーLMDhドライバーラインアップの再編は、北米シリーズのトップカテゴリーであるGTPクラスにもおよぶ。ここでは、ジャミネとキャンベルが2022年のGTDプロクラス制覇につながったパートナーシップを再構築することが固まった。
オーストラリア人のキャンベルはWECでの一年間のレースを終えてアメリカに戻り、ジャミネと6号車ポルシェ963をシェアする。なお、デイトナ24時間やセブリング12時間など5つの長距離レースで構成される“ミシュラン・エンデュランス・カップ”のラウンドでは、WECのレギュラーであるエストーレが第3ドライバーとして参加する予定だ。
ジャミネとキャンベルのふたりは昨年のGTDプロクラスで大成功を収めたコンビであり、デイトナ24時間レースでクラス優勝を飾った後、パフ・モータースポーツからエントリーしたポルシェ911 GT3 Rを駆りタイトルを獲得している。
一方ニック・タンディは、去るキャメロンの代わりにナッセと新たにチームを組み、チャンピオンカーの7号車に移ることとなった。このクルマも姉妹車の6号車と同様に、長距離レースではWECドライバーのファントールが助っ人として参加することになっている。
■ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ 2025年ドライバーラインアップ
CategoryCarDriverWECハイパーカー5号車ポルシェ963ジュリアン・アンドラウアーミカエル・クリステンセン※マシュー・ジャミネWECハイパーカー6号車ポルシェ963ケビン・エストーレローレンス・ファントール※マット・キャンベルIMSA GTP6号車ポルシェ963マシュー・ジャミネマット・キャンベル※ケビン・エストーレIMSA GTP7号車ポルシェ963フェリペ・ナッセニック・タンディ※ローレンス・ファントール
※長距離レースで合流する第3ドライバー
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