フェイスリフトで内外をアップデート
メルセデス・ベンツEクラスやBMW 5シリーズと欧州で対峙する、レクサスES。ライバルたちのモデルチェンジやフェイスリフトへ対抗するべく、モデル中期のフェイスリフトが施された。
【画像】マイナーチェンジ レクサスES 欧州の競合サルーンと比較 全95枚
スタイリングの変化は、前後バンパーなどが中心で非常に軽微。並べてみないと気付きにくい程度だが、以前からESの見た目はシャープでハンサムだったから、大きく手を加える必要はなかったのかもしれない。
レクサスお馴染みの大きなフロントグリルの両サイドに、3眼のLEDヘッドライトが与えられ、眼光が鋭い。インテリアでは、実際に押せるハードボタンを残しつつ、12.3インチという大きなタッチモニターが与えられた。
少々扱いにくい、トラックパッドも残っている。他とは違う、レクサス流のインターフェイスなのだとは思うが、これはそろそろ引退でも良いかもしれない。
内装部品の品質を見直し、組み立て精度を高めたとも主張されている。もともとレクサスのインテリアは、折り紙のようにタイトだった。それが向上したというのだから、かなりの自信なのだろう。
運転支援システムもアップデートを受けている。車線維持支援システムなどの機能を拡張し、ステアリングの自動修正をより滑らかにしたという。
調和感の足りないサスペンションとシャシー
シャシーにも改良が施された。主に動的能力と快適性を高めることを目的としている。リア・サスペンション・ブレースの剛性を高め、アダプティブダンパーのアクチュエーターを更新。ステアリングとサスペンションの、リニアな感触の獲得が目指された。
筆者はレクサスの乗り味やモノづくりが、基本的には大好きだ。独自の道を切り開き、更に良くしようと努めている。
シャシーの仕上がりにも期待がかかるところだが、明確な効果は得られていないように感じた。フェイスリフトを受けたESにも、その独自性は備わっている。それでも、BMW 5シリーズの優れた印象にまでは及んでいない。
特に気になるのが乗り心地。舗装が傷んだ路面を通過してみると、シートとサスペンションの動きが食い違うように調和できていない。タイヤからの入力をサスペンションが処理する一方で、他の部分は別の周期で揺れているような印象を受けてしまう。
ダンパーで路面を均す仕事を理解できていないように、落ち着きに欠ける。ワダチを斜めに横断するような場面では特に。
シート自体は、スウェーデンのボルボや、かつてのサーブのように、ソフト志向が強くコンフォート。乗り心地を補完してはくれるものの、一般道ではレクサスへ期待するほどの平穏さは得られない。
高速道路なら快適な移動空間
一般的に、近年のレクサスはハッチバックのCTを除いて、流れの良い郊外の道を流暢に走ってくれる。路面をタイヤが掴んでいる感覚は薄いものの、快適に移動できる。
積極的な試乗テストで驚かされるような動的能力は備えていなくても、リラックスした自動車移動を叶えてくれる。ところが新しいESでは、その長所を感じにくいと思った。
ただし、高速道路では印象が変わる。平滑なアスファルトならボディも安定性し、快適な移動空間に浸っていられる。サスペンションノイズは小さく、4気筒エンジンのノイズもほとんど聞こえてこない。
胸をすくほど速くはないとしても、必要充分。とっさの加速時などはCVTの反応が今ひとつだったり、免許が危うくなる速度域へ届くと、サスペンションの処理が追いつかなくなるけれど。
レクサスESは、滑らかな高速道路での自動車通勤にはピッタリ。とても静かで、快適に運転できる。木工職人の仕事のように、インテリアの組み立て品質も高い。
しかし、郊外や山岳部の一般道も楽しみたいなら、別の候補と良く検討すべきかもしれない。ドイツ車を中心に。
レクサスES 300h Fスポーツ(欧州仕様)のスペック
英国価格:4万4160ポンド(約684万円)
全長:4975mm
全幅:1865mm
全高:1445mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:8.9秒
燃費:17.8-18.8km/L
CO2排出量:128g/km
車両重量:1680kg
パワートレイン:直列4気筒2487cc自然吸気+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:218ps(システム総合)
最大トルク:−
ギアボックス:CVT
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みんなのコメント
まさにアメリカ人や中国人のための車。イギリス人なんか相手にしてない。
とハッキリ言われてる、日本車の恥さらし